「共同参画」2016年11月号

「共同参画」2016年11月号

巻頭言

女性の生き方はこの50年ほどで大きく変化し、女性の月経回数は昔の女性の約10倍に増えました。月経周期に関連するパフォーマンス低下のインパクトは大きくなり、初産年齢の上昇と出産回数の減少による月経・排卵の増加により、子宮内膜症や卵巣がんなど新たな疾患リスクが増えました。

男性と女性は生物学的に別の生き物と言ってもいいほど、健康課題が異なります。女性は男性より長生きで、介護ニーズは男性の倍。女性が1年でも長く自分の足で立ち心身とも自立して生きるためには、男性とは全く異なる、ライフコースを見据えたアプローチが必要です。例えば、最大骨量を獲得しなければならない思春期の女性が、しっかり食べてしっかり運動すること。現在の活躍と将来への投資のために更年期治療を行うこと。

第4次男女共同参画基本計画第6分野「生涯を通じた女性の健康支援」の成果目標の第一は平成32年までに健康寿命を1歳以上延伸することです。少子高齢社会において、医療介護ニーズを減らすことにより若者世代の負担を減らす、というのもこの分野の意義と考えます。

月経によるパフォーマンス低下へのケアや新たな疾患の予防など、我が国の女性の健康施策は発展途上。だからこそ伸びしろも期待できます。女性の活躍は、女性の健康あってのもの。女性が心身ともゴキゲンであることが活躍推進の前提です。


医療法人社団藤聖会
女性クリニック We! TOYAMA
院長
種部 恭子

主な予定

11月12日~25日 女性に対する暴力をなくす運動
11月14日~20日 全国一斉「女性の人権ホットライン」強化週間
11月19日 「女性が活躍する時代をつくるのは誰か 〜北海道発!203050への道筋〜」(北海道札幌市)
11月22日 児童ポルノ排除対策公開シンポジウム
11月23日 シンポジウム「アジア・太平洋 海を越えて活躍する先輩女性たちの魅力
~起業家と企業人の世界から~」(東京都新宿区)
11月23日 「女子中高生のみなさんへ 女性裁判官、検察官、弁護士の仕事や働き方ってどんなかな?」
(東京都新宿区)
11月25日~12月1日 犯罪被害者週間
12月1日 「いま期待される女性のリーダーシップとは」(上智大学四谷キャンパス)
12月2日 NWECグローバルセミナー(東京都千代田区)
12月3日 「自然と科学が拓く地域の未来、あなたの未来」(岐阜県高山市)
12月4日~10日 国家公務員セクシュアル・ハラスメント防止週間
12月9日 「多様な職場から見える“男女共同参画”の課題とヒント~生活者視点で目指す消費者志向経営~」
(東京都千代田区)
12月13日、14日 WAW!2016(東京都港区)