「共同参画」2016年9月号

「共同参画」2016年9月号

巻頭言

国連が1990年代に開いた開発に関する様々な国際会議の中に、北京で行われた第4回世界女性会議がある。今や米国民主党大統領候補であるヒラリー・クリントン氏がファースト・レディーとして米国代表団を率いて参加した。この会議の成果で目標になった一つに、政府を始め様々な機関で指導者や幹部としての女性の数を戦略的に増やすことがある。当時は、この目標の意味が良く判らなかった。しかし、丁度同じ年に異動した先の持続可能な開発部の部長(女性)の采配を近くで見、一緒に仕事をする中で、その意味が良く判るようになった。近くに良い例があると、刺激になり、また現実的になる。彼女は後に気候変動枠組条約の事務局長になった人だが、最初のリオの会議から然程経っていないにも関わらず、持続可能な開発委員会がなくなった時に我々の仕事が達成されたことになると言っていた。「持続可能な開発」が「開発」と捉えられることを意味しているからだという。持続可能な開発のための2030アジェンダの採択により、正にその時が来た訳だが、同様に「女性の(代表)」「男性の(代表)」と言わなくて済むようになった時に、真の男女平等、共同参画の達成を意味するのかもしれない。


国際連合地域開発センター(UNCRD)
所長
高瀬 千賀子

主な予定

9月17日~10月16日 国立公文書館 平成28年秋の特別展「時代を超えて輝く女性たち」(東京都千代田区)
10月8日 女性技術者の活躍推進に関するシンポジウム
「女性技術者の母集団拡大とキャリアパスの開発に向けて」(東京都千代田区)
11月19日 「女性が活躍する時代をつくるのは誰か ~北海道発!203050への道筋~」(北海道札幌市)
11月23日 女子中高生の法曹分野進路選択支援(仮)(東京都新宿区)