「共同参画」2016年1月号

「共同参画」2016年1月号

連載 その2

地域における女性の活躍推進(5) 「災害時も男女共同参画が推進される地域のネットワークづくりを」
内閣府男女共同参画局総務課

今回は、地域防災における男女共同参画の推進事業から2事業を紹介します。

○男女共同参画の視点による防災推進事業(一般財団法人京都府民総合交流事業団)

災害時に男女共同参画の視点が反映できるよう、行政、男女共同参画センター及び関係機関の連携による被災者支援体制づくりと、住民自身が男女共同参画の視点を持ち災害時に対応できるよう体験講座等の事業を実施しました。

まず、被災現場での利用を考え耐水性のあるプラスチックフィルム素材による「男女共同参画の視点による避難所運営ガイド」を作成しました。このガイドを活用し、地域住民による避難所の設営体験や関係団体への研修会、地域住民への出前講座を実施しました。

また、災害時に増大する女性相談に対し、傾聴・情報提供により専門相談員をサポートできる人材を育成するため、女性相談サポーター養成講座を実施し、30代から70代まで幅広い年代の修了者を府男女共同参画センターに登録しました。

これらの事業を、男女共同参画センター、災害ボランティアセンター、社会福祉協議会、ボランティア団体等と協働で実施することで、府男女共同参画センターを核とした災害時の女性支援ネットワークづくりにつながりました。このネットワークにより、男女共同参画分野と防災・福祉分野等との関係づくりができ、市町村男女共同参画センター間の連携を強化することもできました。

今後は、避難所運営ガイドによる研修会・出前講座や災害時の女性相談サポーター養成講座を継続して実施し、平時から関係を密にして信頼関係を築くことで、災害時の女性支援ネットワークをより強固なものとしていきます。

詳細はHPをご覧ください。

http://www.kyoto-womensc.jp/untitled32.html

○男女共同参画の視点による防災推進事業

女性相談サポーター養成講座の様子


避難所設営体験講座の様子

○とよなか女性防災プロジェクト2014(一般財団法人とよなか男女共同参画推進財団)

大阪府豊中市では、阪神・淡路大震災から20年が経ち、当時のことを知らない層も増えてきています。20年を振り返り被災体験を語り継ぐとともに、東日本大震災の女性支援に学び「女性と防災」について考え、地域の防災力をアップする事業を実施しました。

最初に住民向けの啓発事業として、「1.17から、3.11へ つなげよう防災女子力~東北に学ぶ、未来をつくる~」をテーマにしたシンポジウムや、被災体験から女性視点の必要性を考えるワークショップなどを開催しました。

この間、中間支援組織、地域活動団体、市民団体、自主防災組織等の代表の方々に、「女性と防災を考える会」委員就任を呼びかけ、地域におけるネットワークづくりを行いました。この会で、女性の意見をいかした「女性と防災に関する提言書」を作成、豊中市長に提出し、平成27年3月に改訂された「豊中市地域防災計画」において、男女共同参画の視点が反映されました。

その他、地域の避難所運営マニュアル作成に役立つ「とよなか女性防災ノートPART2」等も作成し、平成27年度の出前講座などにも活用しています。

○とよなか女性防災プロジェクト2014

女性と防災を考える会の会合風景


完成した「とよなか女性防災ノート」


今後も、「女性と防災を考える会」のネットワークを継続して、地域の防災力を高めていきたいと思います。

詳細はHPをご覧ください。

http://www.toyonaka-step.jp/08_extra_cnt/06_bousai_proj/index.html