「共同参画」2015年 6月号

「共同参画」2015年 6月号

連載 その2

地域における女性の活躍推進(1)
「若い女性たちの活躍の場を広げる取組を地域から」
内閣府男女共同参画局総務課

内閣府男女共同参画局では、地域における女性の活躍を推進するため、平成25年度補正「地域女性活躍加速化交付金」、26年度「地域における女性活躍推進モデル事業」、同「地域防災における男女共同参画の推進事業」等を実施してきました。これらの事業成果を広く共有するため、取組内容をこれから紹介していきます。

今回は、「地域における女性活躍推進モデル事業」から2事業を紹介します。

○RIKUBETSU Woman プロジェクト(陸別移住を応援する会)

北海道陸別町は、人口2,600人ほどの小さな町です。過疎化、少子高齢化が進んでいることに危機感を感じ、行政・企業・町民が力を合わせた取組を行っていますが、人口流出を食い止めることができません。このため、移住者の増加につながるよう、女性の活躍を推進する事業を実施することとしました。女性が働きやすい、暮らしやすい町は、家族が住みやすい町と考えたからです。

具体的取組としては、陸別で活躍する女性を紹介する冊子の作成、ホームページ等における冊子掲載及び移住に関する事業紹介、さらに冊子完成披露イベントを開催しました。

冊子作成に当たっては、小さな町だからこそ可能な町民ネットワークを活用して、陸別町に根をはり活躍する女性はもちろんのこと、道外に住む陸別ファンの女性にもインタビューし、陸別での暮らしの魅力が満載の冊子を作成しました。若い女性も手に取りたくなるようなデザインにしたり、「しばれフェスティバル」などの全国から人が集まる機会を捉え配布するなど、町外、道外の方々にも陸別町に興味を持ってもらえるよう工夫しました。

小さな町である陸別町にとって、若年層の町外流出は長年の大きな問題でした。今回、生き生きと働く女性にスポットを当て町の魅力をPRすることで、様々な年代の、広い地域の方々への移住のきっかけづくりに努めました。

詳細はHPをご覧ください。https://www.rikubetsu.jp/iju/diary/787/

○RIKUBETSU Woman プロジェクト

陸別町で活躍する女性たちによる座談会の様子



完成した冊子「陸別が好き。」


○女子学生による女性ロールモデル紹介事業(熊本市男女共同参画センターはあもにい)

熊本県における25~34歳の正社員の男女比は、女性が50%を超えており、まさにこの層の若い女性たちがキャリアを積み、リーダーシップを発揮することが期待されています。本事業はこのような背景をもとに、女子学生自らがロールモデルとつながり、冊子を作成することで、若い世代の人材育成と熊本で活躍する女性リーダーの紹介を行いました。

まず、女子学生たちは取材や原稿の書き方など編集に関する講義を受け、「取材の心得」を作成し、インタビューの準備をしました。その後、約3か月間、インタビューの実施、原稿の作成を行い、冊子完成後にはそれぞれの経験を共有する「ふりかえり会」を行いました。

地域で活躍する女性ロールモデルを紹介するだけでなく、事業の企画・運営に女子学生が主体的に参画し、地域の女性リーダーを直接取材したことが本事業のポイントです。これからを担う次世代の人材育成と世代を超えた女性ネットワークの構築ができました。女子学生からは、「多くの女性が、結婚や出産・育児を通して社会の課題に気づき活動を広げていることが分かった」などの意見が聞かれ、自身のキャリアを考え学ぶ場にもつながりました。

詳細はHPをご覧ください。http://harmony-mimoza.org/kw-book/

○女子学生による女性ロールモデル紹介事業

女子学生による取材の様子



取材活動の様子などを発信するホームページ