「共同参画」2015年 2月号

「共同参画」2015年 2月号

行政施策トピックス2

「農業で輝く女性のチカラを活かします」
農林水産省経営局就農・女性課女性高齢者活動推進室

1 女性が輝く社会づくり

現在、政府は、我が国最大の潜在力である「女性の力」が十分発揮され、社会の活性化につながるよう「女性が輝く社会づくり」を進めています。

農業においても、女性は、我が国の基幹的農業従事者の42%を占め、農林水産業と地域の活性化において重要な役割を果たし、6次産業化の担い手としても大きく期待されています。

また近年、農業の現場で活躍する女性が増えてきており、単なる労働力としてではなく、農業経営の中で、女性ならではの感性や視点、アイディアを活かした経営を展開している女性が多く見受けられます。

農林水産省では、そうした意欲ある女性がますます能力を発揮し、より一層活躍していただくために、女性が働きやすい農業の環境づくりをより一層強化するとともに、女性の力で新たな農林水産業や地域づくりを進めていくことが重要だと考えております。

○農業女子プロジェクト

本プロジェクトは、女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を様々な企業のシーズと結びつけ、新たな商品やサービス・情報を社会に広く発信し、農業で活躍する女性の姿を多くの皆様に知っていただくための取り組みとして、平成25年11月に立ち上げました。

プロジェクトの活動を通じ、

  • (1)農業女子の持つ「生産力」の可能性を拡げる、
  • (2)農業女子ならでは「知恵力」を生かした商品開発等を行う、
  • (3)農業女子という新たな「市場力」を企業側に発見してもらう、

という3つの力を発揮していけるよう、取組を進めています。

参加する農業女子メンバーは、経営者、農業法人の農場長、跡継ぎ娘、お嫁さん等立場も様々、作物も水稲、野菜、果樹、花き、畜産と多岐にわたっています。平成27年1月現在、233名の農業女子が参加しており、現在も全国から募集中です。

農業女子プロジェクトホームページ
http://nougyoujoshi.jp/

農業女子プロジェクトFacebook
https://www.facebook.com/nougyoujoshi.project

○個別プロジェクトの取組

プロジェクト開始から1年が経過し色々な活動が展開されています。企業との個別プロジェクトについて、いくつかの成果事例を紹介します。

【“私の”軽トラックプロジェクト】(ダイハツ工業株式会社)

農業女子の仕事に欠かせない軽トラックについて、農業女子の視点を取り入れた新型車の開発を行い、26年9月に販売されました。開発の際、全国各地の農業女子にヒアリングし、不満や要望を聞き取り、カラフルなボディー、乗りやすい座席の高さ、豊富な車内収納、UVカットガラス採用など、女性に優しい軽トラックが誕生しました。

【インナービューティーを創ろうプロジェクト】(タニタ株式会社)

日本の食を最前線で支える農業女子の美と健康をサポートしようと、タニタの体組成計と活動量計で農業女子が自分の体の健康度をチェックし、その計測データを踏まえたアドバイスに基づき、運動を取り入れたり食事内容を見直すプログラムを展開しました。

※詳細や成果事例はホームページ、フェイスブックでご紹介していますので、ご参照ください。

○ 「女性が輝く社会の実現」に向けて

調査によれば、女性が経営に参画している農業経営体の方が、売上高や利益が向上する傾向にあるとのデータが出ています。農業の成長産業化にとって、女性農業者の活躍を進めていくことは極めて重要です。

農業女子プロジェクトでは、

  • (1)社会、農業界での女性農業者の存在感を高める
  • (2)女性農業者自らの意識の改革、経営力の発展を促す
  • (3)若い女性の職業の選択肢に「農業」を加える

ことを目指し、引き続き「女性が輝く社会」の実現に向けた全国的なムーブメントの先端となるべく、活動展開を進めてまいります。

農業女子プロジェクト 個別プロジェクト活動


農業女子プロジェクト 個別プロジェクト全体イメージ