「共同参画」2015年 1月号

「共同参画」2015年 1月号

行政施策トピックス3

車の魅力を伝える女性整備士の活躍
国交省自動車局

自動車整備業では、その仕事内容等により男の職場というイメージが定着していますが、近年、自動車の電子化等により作業内容が変化したことや、女性特有のきめ細かな対応による顧客対応サービスの向上等から、女性の自動車整備士にあらためて注目が集まっています。

国土交通省自動車局におきましても、14の自動車関連団体から構成される自動車整備人材確保・育成推進協議会(以下、「協議会」。)と協力し、現役の女性整備士の活躍の事例やそのための職場の改善ポイント等を集めており、関係事業者への周知や女性に対する自動車整備業のPR活動等を行っています。ここでは、その一部をご紹介します。

●女性としてのハンディ無し

永井陽子さんは、一度は二輪車関連企業で広報を担当されていましたが、自動車の構造への知的好奇心の高まりが抑えきれず、専門学校で知識と技術を習得し、自動車整備の道に進まれました。自動車整備の仕事については、「厳しいプロの世界なので男女とも基本は変わりなく、女性としてのハンディはない。」とのこと。お客様から感謝の言葉を頂くこともあり、この仕事を選んで良かったと大きなやりがいを感じておられます。

永井陽子さん
永井陽子さん


●整備技能競技大会で活躍

久保春奈さんは、自動車整備士の技能を競う第19回全日本自動車整備技能競技大会に唯一の女性の整備士として参加されました。女性のお客様に対し、女性目線で整備内容の説明をすると「今まで説明を受けても理解できなかったことが分かり易く、点検整備の重要性が理解できた。」と言ってもらえるとのこと。男性では手が入りにくい箇所に手をいれる、ちょっとしたサービスが顧客満足度のアップになるそうです。

久保春奈さん
久保春奈さん


●カッコいい仕事

佐藤美紗さんは、「女性が車をいじったり、修理することはカッコいい」と思い、自動車整備士になることを決意し、専門学校に入学。現在の職場では、女性のお客様から「同性の方で、クルマのことが分かる方がいて、色々なことを話せるので助かる。」と頼られています。

佐藤美紗さん
佐藤美紗さん


●スタッフコンクール優勝

高田鮎美さんは、お客様と自動車整備士の間を取り持つフロントスタッフとして自動車ディーラーで働かれており、系列のメーカーが開催したスタッフコンクールの全国大会で優勝されました。自動車の整備は直接行いませんが、点検・整備の必要性やその結果をお客様に説明するために、自動車整備士と同様に日々自動車に関する勉強をされています。

高田鮎美さん
高田鮎美さん


●国や業界の取組み

今年度、国土交通省と協議会が協力し、女性にも訴求するPRポスター「めざせ!整備女士、整備男士」を作成し、高等学校や地方自治体等に対して掲示をお願いしました。また、個々の企業では自動車整備の仕事に関心がある女性のみを対象とした会社説明会を実施したり、自動車整備の専門学校では女性が快適に学習できるよう、女性用の設備の充実や女性向けのパンフレットを作成するなど、自動車業界や教育機関において自動車整備の分野で女性の活躍を促進する取組みが進められています。

これからも、自動車整備業における女性の活躍促進に向けて産学官が協力して積極的に取り組んで参ります。

「めざせ!整備女士、整備男士」のポスター
「めざせ!整備女士、整備男士」のポスター