「共同参画」2014年 8月号

「共同参画」2014年 8月号

連載 その1

こんにちは! 復興庁男女共同参画班です(2) パネルディスカッション「悩んでいませんか?男女共同参画の視点での復興まちづくり」を開催
復興庁男女共同参画班

男女共同参画の視点からの復興まちづくり

6月15日(日)いわて男女共同参画フェスティバル2014において、岩手県男女共同参画センターとの共催で男女共同参画の視点から復興まちづくりを推進することを目的としたパネルディスカッションを開催しました。

4人のパネリストの方々
4人のパネリストの方々

会場の様子
会場の様子


復興政策形成過程への女性の参画

岩手県復興局復興推進課推進協働担当課課長の菊池学さんからは、女性の声を復興計画に反映させる取組が紹介されました。岩手県では平成23年度から25年度まで「女性との意見交換会」が開催されてきました。今年度から「岩手県東日本大震災津波復興委員会」の中に「女性参画推進専門委員会」が設置されました。委員会は県内の女性有識者13名で構成されており、今後、女性の意見を復興推進に活かしていくこととしています。

子育て支援活動から政策提言

女性参画推進専門委員会の委員である両川いずみさんは、特定非営利活動法人いわて子育てネットの事務局長として、新生児と母親受け入れ事業や地域の子育て支援に取り組んできました。生活者の視点や遊び環境の大切さを強く感じる一方で、行政の取組との乖離を感じ、活動報告や提案等を行ってきました。委員となって子どもたちの健やかな育ちを守る視点を復興まちづくりの政策に反映させようと取り組んでいます。

女性たちによるコミュニティ再生

震災時に仙台市宮城野区のまちづくり推進課職員だった天野美紀さんからは、宮城野区の女性による自主的な活動に対する行政のかかわりについて紹介がありました。新聞を発行して仮設住宅などで暮らす町内会会員をつなぐ取組では、発表の場を提供するなどの支援を行い、多くの市民に成果を公開し、取組を活性化しました。また、避難所での女子会をきっかけとして始まった住民同士の話し合いを行政がサポートしたことによって、具体的なまちづくりの提案につながった例が紹介されました。

福島における住まいと暮らしの復興

ユニバーサルデザインとは、あらゆる人が使えるように、はじめから考えて、まちやもの、情報サービスをデザインするプロセスとその成果のことで、福島県建築士会の菅野真由美さんは、ユニバーサルデザインの視点からまちづくりについて提言しています。建築士の専門性を活かし、子どもの住環境づくりにも取り組んでおり、その経験から、自分ができることに取り組むことが復興まちづくりにつながると発言されました。

住民と行政と専門家の協働によるまちづくり

報告とディスカッションを通じて、住民と行政、専門家などが協力してまちづくりを進めることの重要性が確認されました。アンケートにも「行政と団体・個人が互いに歩み寄って方向性を見出していきたい」という感想が寄せられました。そのためには、復興のビジョンを共有し、情報提供や意見交換を継続していくことが求められます。今回参加された方々が、それぞれの地域においてまちづくりに関わっていかれることを期待します。