「共同参画」2014年 8月号

「共同参画」2014年 8月号

特集2

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、
女性のチャレンジ賞、
男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
内閣府男女共同参画局総務課

平成26年6月27日、総理大臣官邸において、菅内閣官房長官、森内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席のもと、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰の表彰式が行われました。

本年度の受賞者は以下の皆様です。(50音順・敬称略)

平成26年度男女共同参画に関する表彰 受賞者


<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者>

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。


小谷 典子 元山口県男女共同参画審議会 会長(山口県)
小谷 典子
元山口県男女共同参画審議会
会長
(山口県)

平成12年に初代の山口県男女共同参画審議会会長に就任され、県知事より諮問された「男女共同参画社会の推進に関する条例の基本的な考え方」について、精力的に審議を重ね、審議会としての答申を取りまとめ、「山口県男女共同参画推進条例」の制定に大きく貢献されています。


川村 隆 株式会社日立製作所 相談役(東京都)
川村 隆
株式会社日立製作所
相談役
(東京都)

日立製作所の社長、会長として、女性など多様な人財を活用するダイバーシティ・マネジメントを重要な経営戦略と位置づけ、男性を含めた全社員の意識向上と職場風土の醸成を通じて、女性の活躍推進に尽力されました。また、社内の取組にとどまらず、経団連副会長として、ダイバーシティ経営の意義の発信に努めるなど、経済界に大きな影響を与えられました。


木瀬 照雄 TOTO株式会社 取締役相談役(千葉県)
木瀬 照雄
TOTO株式会社
取締役相談役
(千葉県)

TOTO株式会社の役員として、女性社員の活躍推進を目的とする組織的な支援を行うなど、企業活動等を通じて、仕事と生活の調和の実現、女性が働きやすい環境整備、女性の能力開発・能力発揮に対する支援に尽力されました。また、福岡県男女共同参画審議会副会長として、福岡県の男女共同参画社会づくりの推進に貢献されています。


栗原 慶子 東吾野女性林研「ときめ木」 会長(埼玉県)
栗原 慶子
東吾野女性林研「ときめ木」
会長
(埼玉県)

埼玉県初の女性林業研究グループでの活動を経て、埼玉県林業女性会議「結木の会」を結成し、代表を務めるとともに、全国林業研究グループ連絡協議会女性会議代表として、各地域の実情に応じた林業女性研究グループの結成に尽力されました。また、中央森林審議会委員、林政審議会委員として、林業における女性の活動について提言を行い、林業界での女性の地位向上と男女共同参画の推進に貢献されています。


黒田 玲子 東京理科大学教授(東京都)
黒田 玲子
東京理科大学教授
(東京都)

平成20年から23年の3年間、日本人女性としては初めて、国際科学会議(ISCU)の副会長を務められ、平成25年3月には科学の分野で著しい業績を挙げた世界の優れた女性科学者を表彰する「ロレアル−ユネスコ女性科学賞」を受賞されるなど、社会的にめざましい活躍をしており、ロールモデルとして男女共同参画の促進に尽力されました。また、内閣府男女共同参画推進連携会議議員として、男女共同参画社会づくりに向けた国民的な取組の推進に貢献されています。


斎藤 聖美 前神奈川県男女共同参画審議会 会長(東京都)
斎藤 聖美
前神奈川県男女共同参画審議会
会長
(東京都)

神奈川県男女共同参画審議会委員、会長として「かながわ男女共同参画推進プラン」の策定及び2度にわたる改定に尽力され、神奈川県男女共同参画施策の推進に貢献されました。また、ハーバード大学でMBAを取得後、日本人女性起業家の先駆けとして、多くのベンチャー企業の起ち上げに携わり、社会的にめざましい活動をしており、ロールモデルとして男女共同参画の促進に貢献されています。


髙野 悦子 元岩波ホール 総支配人(平成25年2月9日ご逝去)
髙野悦子
元岩波ホール
総支配人
(平成25年2月9日ご逝去)

岩波ホール総支配人として、名作映画上映運動「エキプ・ド・シネマ」を主宰され、我が国の映画界に貢献されました。昭和60年から平成24年まで「東京国際女性映画祭」ジェネラルプロデューサーとして「世界の女性監督の紹介」、「日本の女性監督の輩出」を目的の一つとして掲げて活動され、女性の能力開発・能力発揮に対する支援に尽力されました。同人の活動は、社会への貢献が認められるものでロールモデルとして男女共同参画の促進に貢献されました。


田中 田鶴子 学校法人大和学園 名誉学園長(京都府)
田中 田鶴子
学校法人大和学園
名誉学園長
(京都府)

学校経営者として、政令指定都市初の女性教育委員長(京都市)、京都商工会議所初の女性副会頭、京都府・京都市体育協会ともに初となる女性副会長など、従来男性が就くことが多かった要職に、女性として就任するなど社会的にめざましい活動をしており、ロールモデルとして男女共同参画の促進に貢献されています。


錦織 淑子 元社団法人国際女性教育振興会 会長(静岡県)
錦織 淑子
元社団法人国際女性教育振興会
会長
(静岡県)

静岡県婦人問題推進会議会長、男女が共に創るしずおか推進懇話会会長、県女性総合センター交流会議代表等を歴任され、様々な分野でリーダーとして信頼されるとともに、男女共同参画推進のため多大な貢献をされました。平成17年から20年まで全国17支部を取りまとめる社団法人国際女性教育振興会の会長も務め、女性教育等にも長年尽力されています。


秦 榮子 新居浜市男女共同参画審議会 会長(愛媛県)
秦榮子
新居浜市男女共同参画審議会
会長
(愛媛県)

昭和60年に新居浜市で設置した新居浜市婦人問題懇談会(平成12年に新居浜市男女共同参画審議会に改称)に委員、会長として参画し、女性の地位向上と社会参加への促進について問題の現状把握と課題検証を行い、リーダーシップを発揮し、政策推進に向けた提言を行うなど、市の男女共同参画社会づくりの基盤づくりに貢献されています。また、平成15年に開催された「全国男女共同参画宣言都市サミットにいはま」の開催にあたっては、実行委員会委員、幹事として中心的な役割を担い、その開催に大きく貢献されました。


原 範子 元茨城県女性農業士会 会長(茨城県)
原 範子
元茨城県女性農業士会
会長
(茨城県)

長きにわたり女性農業士として、農業を通した食事の大切さを広く伝える活動や家族経営協定の普及、食育の推進など農業分野を中心に幅広く活動しています。また、平成19年の発足以来現在まで、神栖市男女共同参画審議会の会長を務めるほか、茨城県男女共同参画審議会委員として女性の能力活用や職域拡大に取り組むなど男女共同参画の推進に貢献されています。


平賀 ノブ 仙台商工会議所女性会 会長(宮城県)
平賀 ノブ
仙台商工会議所女性会
会長
(宮城県)

東北を代表する女性起業家・経営者として、長年にわたり仙台市、宮城県及び全国の商工会議所等の要職を務めながら、ロールモデルとして活躍するとともに、自ら起業や経営の在り方を伝える場を設けるなど、後進の女性起業家・経営者の支援・育成に尽力されました。さらに男女共同参画、環境、産業振興、観光等の幅広い分野の社会貢献活動に積極的に参画し、東日本大震災後は、七夕飾りを通して物心両面から被災者に寄り添った支援に取り組まれています。

<女性のチャレンジ賞>

女性のチャレンジ賞は、起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジすることで輝いている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する団体・グループを男女共同参画担当大臣から顕彰し、チャレンジの身近なモデルを示すこと等によって男女共同参画社会の実現のための気運を高めることを目的として、平成16年度から実施しています。

(1)女性のチャレンジ賞 4件

白須 美紀子 矢鋪與左衛門窯(佐賀県)
白須 美紀子
矢鋪與左衛門窯
(佐賀県)

伊万里・有田焼伝統工芸士会が結成されて以来、女性として初めて形成部門(ろくろ)で伝統工芸士に合格しました。

県内外小中高での陶芸教室や様々な民間施設等での実演や指導を行い、これまで絵付けの体験指導は10,000人、ろくろの体験指導は1,500人にも及んでいるなど、伝統技能の伝承・地域貢献にも熱心に取り組んでいます。

陶芸の体験指導


西平 都紀子(株)信濃路代表取締役(和歌山県)
西平 都紀子
(株)信濃路代表取締役
(和歌山県)

自らも補導歴がありながら立ち直り、女性経営者として才覚を振るう中、男性が圧倒的多数を占める刑務所出所者等に対して、その前歴を承知の上で女性の視点から雇用している協力雇用主として、また、日本財団が取り組んでいる「職親プロジェクト」参加企業中唯一の女性経営者として、雇用を通じた社会復帰支援に尽力されています。

雇用を通じた社会復帰支援


福島 有佳子 川村義肢(株)工房アルテ 主任技師 (大阪府)
福島 有佳子
川村義肢(株)工房アルテ
主任技師
(大阪府)

病気や怪我などで身体の一部が失なわれた方の為に、独学で技術を取得され、人体用のシリコーンを用い、本物の身体とそっくりに復元する人工ボディ製作者のエキスパートとして20年以上活躍しています。

人工ボディの作成にあたっては、見た目や装着感を重視する傍ら、装着者の「心のケア」が大切と考え、カウンセリングを何度も行い「心が軽くなる人工ボディ」 として提供しています。

また、離脱者の社会復帰支援、病気や怪我での精神的ケアを他機関と連携して取り組んでいます。

人工ボディの作成


(社)土木技術者女性の会(東京都)

(社)土木技術者女性の会(東京都)

男性社会であった土木分野において、女性土木技術者の質の向上と活動しやすい環境作りを目的とした独立団体として組織しました。全国規模での総会、見学会やセミナー、シンポジウムなどを通じて、女性土木技術者に対して幅広い年齢層のロールモデル提供、指導者育成の場やキャリア継続支援の場などを提供しています。いわゆる「ドボジョ」の社会的認知に大きく貢献しています。

また、ロールモデル集「Civil Engineer への扉」を2度発行したほか、書籍「継続は力なり─女性土木技術者のためのキャリアガイド─」(編著:土木学会)の編集に尽力されました。

ドボジョ現場風景


(2)女性のチャレンジ支援賞 2件

(株)キャリア・マム(東京都)

(株)キャリア・マム(東京都)

これまでにない発想で、出産、育児により離職した女性が在宅で活躍できるシステムを設計・運営し、年間延べ15,000人の女性在宅スタッフに対して継続的な業務を創出しています。子育て、介護等により家族のそばで働きたい女性たちに対して、働く場所や時間を融通しあい、それぞれの固有のキャリアを活かし、組み合わせることで、自分の能力と時間に適合した仕事を請け負う今までに無い「チーム型請負業務」の開発を行って、家庭も仕事も大切にしたい女性たちに時間や場所に縛られない新しい就労の機会を創出しています。また、eラーニングシステム等によるキャリアサポートも行っています。

ビジネスモデル


(株)みちのく銀行(青森県)

(株)みちのく銀行(青森県)

多様な人材を活かし、最大限の能力を発揮させようという「ダイバーシティ」の考えの下、銀行業務の各分野で女性を積極的に登用しています。

経営資源である人材の活用のため、男性のみならず女性もともに働きやすい職場風土を醸成してきたことにより、結婚・妊娠・出産を理由に辞職する職員がほぼ皆無となり、正行員として長期にわたって働き続ける女性が増加しました。現在、100ヵ店中11ヵ店が女性支店長であり、課長職以上の女性管理職は全体の21.1%となっています。

みちのく銀行女性職員


(3)女性のチャレンジ特別部門賞「女性が輝く、地域が輝く」3件

藤井 けい子 NPO法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会 理事長(秋田県)
藤井 けい子
NPO法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会
理事長
(秋田県)

これまで農家の女性たちが培ってきた暮らしの知恵や技術を、都市住民を受け入れる民宿という形で社会に還元したいとの想いから、東北初となる農家民宿を開業しました。これを機に、県内の農村女性による起業数が7年連続で全国1位になるなど、地域の女性に対する開業の支援や、地域の様々な観光資源と共に広がりのある事業を行い、地域全体の活性化につながる長年の先駆者として活動しています。

(株)三見シーマザーズ(山口県)

(株)三見シーマザーズ(山口県)

漁業者の所得向上と地域福祉への貢献を図るため、山口県漁協三見支店女性部員の有志で「三見シーマザーズ」を結成しました。

市場価値の低い雑魚を使って総菜や弁当を作り、一人暮らしの高齢者への宅配や地元事業所等への販売を行うなど、「漁業者の所得向上」「地域福祉への貢献」「地域雇用の創出」の3つを軸に地域活性化に貢献しており、漁協女性部による起業の成功モデルとして、他団体への波及効果も生み出しています。

市場価値の低い雑魚を使って総菜や弁当作り


サンフェスタいしかわ友の会(青森県)

サンフェスタいしかわ友の会(青森県)

台風被害による所得減少を防ぐため、直売に関心のあった女性たちが集まり、地域のJA職員と連携して直売活動を開始しました。それまでは男性主体の農業経営でしたが、「生産・加工・販売」の過程に女性も参画できるようになり、農業に携わる女性にとって先駆的で効率的な「農業の6次産業化」に寄与しました。将来の農業の担い手の育成にも力を入れており、地域ぐるみの活動を展開しています。

地域ぐるみの活動風景


<男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰>

内閣府では、「男性が、企業人としても家庭人としても豊かな生活を送るために、長時間労働を減らして、女性と共に家事・育児・介護・地域活動に関わりたくなるようなキャッチフレーズ」を募集し、応募総数3,651点の中から、審査の結果、野田学園 平成25年度 4年C組の皆さん(山口県)の作品「家事場のパパヂカラ」を最優秀作品に決定し、森大臣から表彰しました。

野田学園 平成25年度 4年C組の皆さん(山口県)


<男女共同参画に関する懇談会>

6月27日、男女共同参画に関する懇談会を総理大臣官邸において開催しました。菅内閣官房長官、谷垣法務大臣にもご参加いただき、男女共同参画に関する表彰受賞者、男女共同参画に深い見識を持つ方々や各界で活躍する女性など200名あまりにお集まりいただき、意見交換をしました。

また、輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会「行動宣言」が公表されました。

http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/male_leaders/index.html