「共同参画」2013年11月号

「共同参画」2013年11月号

取組事例ファイル/企業編

「カエルの星」に認定!シリーズ(6)
福井県済生会病院
〜働き甲斐のある職場を目指して〜

福井県済生会病院ロゴ


政府は、身近な取組からワーク・ライフ・バランスを実現したチームを「カエルの星」として認定するなど、「カエル!ジャパン」キャンペーンを実施して、ワーク・ライフ・バランスの推進を支援しています。本誌では、第1回「カエルの星」に認定された6社をシリーズでご紹介します。ぜひ皆さんの会社でも参考にしてください。

これまでの経緯

高い「職員満足度」(以下「ES」)は患者さんに満足していただける医療サービス提供につながります。しかし当院では、2006年と2007年の調査で、採用5〜10年目の職員のESが低下し、特に看護職の場合、夜勤や交代制勤務で生活のリズムが不規則になることがその要因とわかりました。

そこで、職員が結婚、出産、子育てなど体力的・メンタル的に厳しい時期においても継続して専門職業人としてのキャリアを積み、組織を牽引する人材となるよう、2008年からの3か年ビジョンでは働き甲斐のある職場を目指すこととし、「ESを2倍にする」という具体的な目標を掲げ、ワーク・ライフ・バランス導入をはじめとする様々な取り組みを開始しました。

選べる勤務体制・子育て支援

育児・介護中の職員などのため、短時間正職員制度や夜勤免除制度や夜勤専従制度など、特に看護部では20種類以上に及ぶほど多様な勤務体制を設けました。また、24時間院内保育の利用月額を1万円減額しました。

キャリア支援

資格取得や活動をバックアップし、認定看護師は26名となり、看護師特定行為業務試行事業には2名が参加しました。

更に、リーダー研修など勤務年数に応じた研修や、理念に沿って行動した職員を表彰する「ホスピタリティー賞」など、職員自身が自分の存在意義を感じることができる制度を導入しました。

成果

2004年に13%であった離職率は、2012年には4.7%になりました。そしてESは向上し、全国平均よりも高水準の結果となりました。また、ESと連動して患者満足度も年々向上しています。

図 看護部での短時間勤務制度の利用者と退職率の推移


福井県済生会病院

設立年月日:昭和16年8月

院長:田中 延善

従業員数:約1300名(看護部は約600名)

事業内容:医療サービス