「共同参画」2013年11月号

「共同参画」2013年11月号

特集 その1

女性に対する暴力をなくす運動について〜女性に対する暴力の根絶に向けた取組〜
内閣府男女共同参画局推進課
暴力対策推進室

11月12日〜25日は、「女性に対する暴力をなくす運動」の期間です。この期間を中心に、国、地方公共団体、女性団体など関係団体等が女性に対する暴力の根絶へ向けて、さまざまな取組を展開しています。
女性に対する暴力の根絶に向けた取組についてご紹介します。

女性に対する暴力について

配偶者等からの暴力、性犯罪、人身取引、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為等の女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題です。政府は女性に対する暴力の根絶に向けて様々な取組を行っています。

女性に対する暴力をなくす運動

毎年、11月12日〜25日までの2週間は、「女性に対する暴力をなくす運動」(以下、「運動」といいます。)を実施し、地方公共団体、女性団体その他の関係団体との連携、協力の下、社会の意識啓発など、女性に対する暴力の問題に関する取組の一層の強化を図ることとしています(平成13年男女共同参画推進本部決定)。なお、最終日の25日は「女性に対する暴力撤廃国際日」となっています。

この期間は、意識啓発、広報キャンペーン、講演会やセミナーの開催、被害者からの相談活動などを全国各地で展開します。

内閣府では毎年、啓発活動のひとつとしてポスター及びリーフレットを作成し、国の関係機関や地方公共団体等に配布してきましたが、今年は特に若年層に「女性に対する暴力」について知っていただくために、デザインを「毎日かあさん」でおなじみの漫画家・西原理恵子さんに依頼し、作成しました(裏表紙参照。また、西原理恵子さんのインタビューを4ページに掲載しています)。各地の主な施設や東京では東京地下鉄の駅掲示板に掲示しますので、「女性に対する暴力」について考えるきっかけにしていただきたいと思います。

また、運動期間の初日である11月12日に東京タワーを運動のイメージカラーであるパープルにライトアップします。

内閣府の調査によると、10人に1人の女性が夫やパートナーから何度も暴力を受けた経験があり(図1)、一方で被害を受けながらどこ(だれ)にも相談しなかった方は約4割にも上る(図2)ことから、パープル・ライトアップを行うことにより、女性に対する暴力の根絶を呼びかけるとともに、暴力で悩んでいる方に対し「ひとりではない!相談してください」とのメッセージをお届けします。東京タワーを含め、昨年は9か所でしたが今年は北は北海道から南は九州まで全国20か所でパープル・ライトアップが実施されます。おおよそ、日没から点灯が始まりますのでリレーのように各施設がライトアップされることでしょう。

図1 配偶者からの被害経験(性別)


図2 配偶者暴力の被害を受けた女性の相談先(複数回答)


地域では、ライトアップ以外にも様々な取組が行われる予定ですので、機会がありましたら、参加してみてはいかがでしょうか。

さらに、運動期間の最終日である11月25日に若年層を対象とした「女性に対する暴力の予防啓発のための研修」を東京都内で開催します。

内閣府の調査によると、10歳代、20歳代のときの交際相手から被害を受けたことが「あった」と回答した方は女性13.7%、男性5.8%でした(図3)。昨今、若年層の男女間における暴力(交際相手からの暴力)の問題が注目されていますが、その背景には、若年層においても暴力の問題が身近に存在しているためと考えられます。このようなことを踏まえ、内閣府では若年層に交際相手や配偶者からの暴力の問題について考える機会を積極的に提供することが、男女間における暴力の防止に有用であると考え、高校生や大学生等を中心とした若年層に対し、人と人とのよりよい関係をつくるためにどのようにすればよいのか、そして交際相手からの暴力やストーカー行為について考える研修を実施しています。

図3 交際相手からの被害経験の有無(性別)


以上、御紹介した都道府県・政令指定都市の取組、施設のパープル・ライトアップの場所・日時、女性に対する暴力の予防啓発のための研修については、内閣府男女共同参画局のホームページ「女性に対する暴力の根絶」のサイトで御覧になれます。また、漫画家・西原理恵子さんからのメッセージ及び「女性に対する暴力」をテーマとした描き下ろし漫画もホームページに掲載します。(http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/index.html