「共同参画」2013年 7月号

「共同参画」2013年 7月号

行政施策トピックス3

女性の活躍推進に向けて
─若者・女性活躍推進フォーラム提言から成長戦略へ
内閣府男女共同参画局推進課

1 はじめに

安倍内閣では、女性の力の活用や社会参画の促進が日本の強い経済を取り戻すために不可欠との認識に基づき、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝けるような国づくりを目指しています。こうした方針の下、女性活力・子育て支援担当大臣を初めて設け、若者・女性活躍推進フォーラム(以下「フォーラム」という。)等を通じて幅広い意見を集めながら、本年6月に閣議決定された成長戦略「日本再興戦略─JAPAN is BACK─」(以下「成長戦略」という。)に盛り込むべき具体策の取りまとめを進めてきました。今回は、これまでの歩みをご紹介します。

第1回若者・女性活躍推進フォーラム(提供:内閣広報室)
第1回若者・女性活躍推進フォーラム
(提供:内閣広報室)

2 女性の活躍推進に向けた安倍総理から経済界への要請

本年4月、内閣総理大臣は、男女共に仕事と子育てを容易に両立できる社会の実現が重要とした上で、経済界に対し、女性の活躍推進に関して要請(※1)を行いました。

これに続く成長戦略スピーチでは、女性の活躍を成長戦略の中核に位置付け、待機児童解消加速化プラン、希望に応じて子育てに専念した後の職場復帰支援、子育て後の再就職・起業支援といった取組を打ち出しました。

内閣総理大臣のリーダーシップによる政策方針を受けて、関連施策が可能なものから順次展開されており、従来の取組の強化・加速化、新たな取組の具体化も図られています。

※1:日本経済団体連合会、経済同友会及び日本商工会議所に対し、(ア)子どもが3歳になるまでは、希望する場合には、男女とも育児休業や短時間勤務を取得しやすいようにすること、(イ)「2020年30%」の政府目標の達成に向けて、全上場企業において積極的に役員・管理職に女性を登用することとし、まずは、役員に一人は女性を登用すること、の2点について要請した。

3 若者・女性活躍推進フォーラム提言から成長戦略へ

フォーラムは、関係閣僚が連携し、若者・女性の雇用等に関わる方々の参画を得て、本年2月にスタートしました。5月の第8回会合で議論を集約し、次の3つの観点から、直面する課題の抜本的解決に向けた具体策を盛り込んだ「我が国の若者・女性の活躍推進のための提言」(※2)を取りまとめました。

※2:若者・女性活躍推進フォーラム提言の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.gender.go.jp/policy/sokushin/sokushin.html

(1) 女性の活躍促進や仕事と子育て等の両立支援に取り組む企業に対するインセンティブ付与等

「M字カーブ問題」の解消や管理職等への女性の登用促進に向けた、企業の自主的な取組を促進するため、企業への助成金制度や税制上の措置の活用等による支援の充実、公共調達を通じた取組、好事例を顕彰する仕組みの充実を進めるとともに、役員や管理職への登用拡大に向けた働きかけやキャンペーン、登用状況の開示促進、女性人材のデータベース化等を行う。

(2) 女性のライフ・ステージに対応した活躍支援

妊娠・出産・子育て期における継続就業に向けた支援として、育児休業中・復職後の能力アップに取り組む企業への助成制度の創設や中小企業における育休復帰支援プラン(仮称)の策定支援、次世代育成支援対策推進法の延長・強化の検討、男性の家事・育児等への参画促進等を進める。再就職等に向けた支援として、大学・専門学校等における社会人の学び直しプログラムの提供、女性の起業等を促進するための資金調達や経営ノウハウの支援等を行う。

(3) 男女が共に仕事と子育て・生活を両立できる環境の整備

仕事と子育ての両立支援のほか、長時間労働の抑制や多様で柔軟な働き方の促進等のワーク・ライフ・バランスを推進するため、場所や時間にとらわれない働き方であるテレワークの普及に向けた新たなモデル確立のための実証事業、労働時間法制の総合的な議論等雇用環境の整備を進める。子育てに係る社会基盤の整備を行う観点から、待機児童解消加速化プランを展開する。

これを受け、成長戦略(※3)においては、「出産・子育て等による離職を減少させるとともに、指導的地位に占める女性の割合の増加を図り、女性の中に眠る高い能力を十分に開花させ、活躍できるようにすることは、成長戦略の中核である。」として、上記施策が盛り込まれました。我が国で、女性の活躍の重要性が経済政策との関係でこれほど注目を集めるのは初めてといってよいでしょう。

今後は、女性にも男性にも全ての人々にチャンスがあり活躍できる社会を目指し、関係省庁が連携して着実に施策を推進していきます。

※3:成長戦略の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

若者・女性活躍推進フォーラム提言の概要