「共同参画」2013年 3月号

「共同参画」2013年 3月号

取組事例ファイル/団体編

JA全国女性組織協議会

1.JA全国女性協とは

JA全国女性組織協議会は、農村女性の社会的・経済的地位の向上などを目的に昭和26年に設立された60年余りの歴史をもつ団体です。市町村段階にあるJA女性組織の全国組織であり、会員は706組織、66万人です。

2.さまざまな活動を展開!

JA女性組織は、設立当初は農家組合員家族の女性が中心でしたが、現在は農家の女性だけでなく、女性なら誰でも参加できる開かれた組織です。JAをよりどころとする女性組織という特質を活かし、「食」や「農」を活動の中心とし、「地域」に根ざした活動を展開しています。

東日本大震災の際は、被災地に近いJA女性組織が炊き出しや物資の支援を行ったほか、全国統一の取り組みとしてミサンガやアームウォーマーをつくってその材料費の一部を被災地への寄付金として贈呈しました。昨年は、「東北復興応援の旅」として福島県の被災地を訪れ、記念植樹などにも取り組みました。

JA全国女性協「東北復興応援の旅」で記念植樹に取り組む皆さん
JA全国女性協「東北復興応援の旅」で記念植樹に取り組む皆さん

また、平成25~27年度を対象とするJA女性次期3カ年計画では、「JA女性 心ひとつに 今をつむぎ 次代へつなごう!」をテーマに、引き続き復興支援活動に取り組むことを決定しています。

次期3カ年計画ではこの他、JA女性組織活動をより知ってもらうための情報発信や若い世代の仲間づくりに重点をおくとともに、JAとのパートナーシップを強化しJAへの参画をすすめることとしています。

3.JAとのパートナーシップ強化を通じた女性参画の推進

JAグループでは、女性の経営参画について数値目標掲げており、JA女性組織もこの数値目標実現のために連携して取り組んでいます。数値目標は、正組合員25%以上、総代10%以上、理事等2名以上です。この目標は、平成12年から掲げて取り組んでおり、少しずつではありますが参画がすすんできました。現在は、正組合員19.2%、総代6.5%、理事等969人(1.36人/JA)となっています。とりわけ、役員については政策的な後押しもあり、まもなく1000人を超える見込みです。JA女性組織経験者が理事として登用される場合も多く、日頃から地域に根ざした活動に取り組んできたリーダーがJA役員となることで、JA女性組織や地域の女性の声をJAへつなぐパイプ役としての役割も期待されています。

JAの女性参画の推移

そこで、年に1回JA全国女性役員等研修会を開催し、女性役員相互の研鑽を図っています。夜の部の交流会では、誰からともなく踊りの輪ができることもしばしばで、学ぶだけでなく楽しんで仲良くなるという女性のパワー実感します。

JA全国女性役員等研修会。開会あいさつをする瀬良全国女性協会長。
JA全国女性役員等研修会。開会あいさつをする瀬良全国女性協会長。

この他、JA全国女性協では、女性正組合員が多く増加した組織の表彰や女性参画パンフレットの作成などを通して女性参画の取組を推進しています。

JA女性参画パンフレット(平成22年はJA役職員用、23・24年はJA組合員や女性組織メンバー用作成)
JA女性参画パンフレット(平成22年はJA役職員用、23・24年はJA組合員や女性組織メンバー用作成)

女性が農業従事者の半分を占める現状をふまえれば、JAにおける女性参画は十分な数字ではありません。参画をどんどんすすめ、JAにおいて女性パワーを発揮していきたいと思います。

「JA女性組織」の全国組織

設立:昭和26年に全国農協婦人団体連絡協議会として発足。

会員:全国46都道府県、706組織、メンバー総数662千人。20歳代から80歳代まで幅広いメンバーが活動し、地産地消運動(直売所、農産加工、学校給食等への食材供給)、食農教育活動(農業体験、伝統料理・地産地消料理講習会)、共同購入、健康管理活動、生活文化活動(趣味・教養)、子育て支援、助け合い活動など様々。