「共同参画」2012年 12月号

「共同参画」2012年 12月号

取組事例ファイル/企業編

リコーITソリューションズ株式会社

弊社は、システムインテグレーション事業、ITサービス事業、組込みソフトウェア事業を手がけるIT企業です。IT企業にとって、人材は経営資源そのものであり、優秀な人材の確保が重要な経営課題です。そこで重要になるのが、人口の半分を占める「女性」の活躍推進です。

しかし弊社では、女性社員の定着率が低く、また管理職やプロジェクト・マネージャーへの登用も十分に進んでいないなどの問題を抱えていました。そこで、女性の管理職への登用促進や女性社員自身のキャリア意識の改革、仕事と育児の両立支援などを目的に、2010年度に「ダイバーシティ推進委員会」を立ち上げ、以下のような施策を展開しています。

施策1.女性社員のキャリアアップ支援

1)女性管理職育成プログラム

女性管理職を育成するため、管理職候補者を選定して、候補者ごとに3か年育成プランを立案し、集中的に教育する施策です。各候補者には教育責任者(管理職の上司)が1名つき、育成プラン立案をおこなったうえで、責任持って教育・指導にあたります。また、経営トップによる育成状況の進捗状況レビューを行うことで、育成施策を確実に展開できるような仕組みを導入しています。

2)若手女性向けキャリアデザイン研修

入社6~8年目の女性社員を対象に、キャリア意識改革を目的とした研修です。結婚や出産といったライフイベントを意識しつつ、それらを乗り越えて働き続けるための長期的キャリアプランを考えるプログラムになっています。

施策2.女性社員と上司のコミュニケーション活性化

1)育児休職者と上司のコミュニケーション支援プログラム

育児休職者がスムーズに職場復帰ができるように、休職前後に三者面談(休職者本人・上司・人事担当)を実施しています。また、復職予定者を対象に「復職支援セミナー」を実施し、復職に向けた準備や心構えに関する、様々な情報提供を行っています。

2)上司向け「コミュニケーションガイド」

育児休職者がスムーズに職場復帰するために、上司に必要なマネジメントの指針を「コミュニケーションガイド」としてまとめ、社内で公開しています。

施策3.ダイバーシティ&ワークライフ・マネジメント(WLM)の啓発

1)WLM啓発イベント

ダイバーシティやWLMをテーマとした社内イベントを企画し開催しています。2011年は、「SE(システム・エンジニア)のワークライフ・マネジメント」と題し、社内のイクメン社員によるWLMの講演や、仕事と育児の両立をテーマとしたパネルディスカッションを実施しました。

2)ロールモデルの育成と紹介

イベントに登壇したイクメン社員をはじめ、WLMのロールモデル社員の紹介記事を、社内報等で紹介しています。

ダイバーシティ推進には、トップダウンで実行力のある体制が不可欠です。そのため、「ダイバーシティ推進委員会」は社長直轄の組織とし、委員は各部門の責任のある立場の人(部長以上)が指名されています。このような体制により、「2014年度期初までに、女性管理職比率10%(※女性の中の管理職比率)」という目標に向け、活動を推進しています。


働き続けるための長期プランを自ら考える:キャリアデザイン研修


育児休職中の社員が子供連れで参加:復職支援セミナー


イクメンSEがWLMの極意を伝授:WLM啓発イベント

リコーITソリューションズ株式会社

設立年月日:1982年10月5日

代表取締役社長執行役員:田中 則雄(たなか のりお)

従業員数:1,376名(2012年4月1日現在)

事業内容:システムインテグレーション事業、ITサービス事業、組込みソフトウェア事業