「共同参画」2012年 10月号

「共同参画」2012年 10月号

特集4

女性警察官の採用・登用の拡大について
警察庁長官官房人事課

少子化社会の進展に伴い、警察官採用試験受験者の減少が懸念されるなか、警察官の質を確保するため、また、女性警察官の能力を十分に発揮する機会を確保し、組織を活性化するため、警察では、能力・適性等を有する女性警察官の積極的な採用・登用の一層の拡大に取り組んでいます。

(1)女性警察官の現状

(1) 採用の拡大

警察では、女性警察官の採用に積極的に取り組んでいます。平成14年度以降、毎年1,000人を超える女性警察官が採用されており、女性警察官数は年々増加しています。23年度には約1,200人(新規採用者総数に占める比率は10.9%)が採用され、24年4月1日現在、全国の都道府県警察には、女性警察官約1万7,700人が勤務しており、警察官に占める女性警察官の割合は6.8%となっています。

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意欲と能力のある女性を採用するため、各都道府県警察では、女性警察官を就職説明会に派遣するなど、女性を対象とした採用募集活動を積極的に行っており、また、警察庁では、女性警察官採用募集パンフレットを作成するなど、各都道府県警察の活動を支援しています。

(2) 登用の拡大

女性警察官の幹部への登用も進んでいます。都道府県警察で採用され、警部以上の階級にある女性警察官は、24年4月1日現在、224人であり、警察署長を始め、警察署の刑事課長等にも登用されています。

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職域については、従来は、女性警察官の多くが交通部門に配置されていましたが、現在は、他の職域に配置される女性警察官の割合が増加しています。また、女性が被害者となる性犯罪や配偶者からの暴力事案等において、捜査や被害者支援に女性警察官の能力や特性がいかされているほか、暴力団対策、警衛・警護等を含め、全ての分野にその職域が拡大しています。

(3) 女性警察官が働きやすい職場環境づくり

警察では、女性警察官の採用・登用の拡大に伴い、交番に女性用仮眠施設を整備したり、ベビーシッターを利用する際の補助を導入したりするなど、女性が働きやすい職場環境づくりを推進しています。

(2)採用・登用のより一層の拡大に向けた取組

警察庁では、平成23年2月、警察官の質の確保と男女共同参画社会の実現等のため、都道府県警察に対して、女性警察官の採用・登用の拡大に向けた計画を策定するよう指示しました。これを受けて、23年12月までに全ての都道府県警察において、定員に占める女性警察官の割合を35年4月時点で約10%(全国平均)とすることなどを盛り込んだ計画が策定されました。

計画では、具体的な取組事項として、採用の拡大に向けた取組のほか、

○ 女性警察官の交番への配置拡大といった登用の拡大に向けた取組

○ 性犯罪捜査、女性被留置者の処遇その他の女性警察官が従事することが多い業務に関する教養の充実といった執行力の確保に向けた取組

○ 女性警察官にとって使いやすい装備資機材や施設等の整備といった女性警察官が働きやすい職場環境づくりに向けた取組

等が盛り込まれています。

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