「共同参画」2012年 7月号

「共同参画」2012年 7月号

行政施策トピックス2

「男女間における暴力に関する調査(平成23年度調査)」について
内閣府男女共同参画局推進課

内閣府では、男女間における暴力に関する実態を把握するため、3年毎に調査を実施しています。今回の調査では、平成23年11月~12月にかけ、全国20歳以上の男女5,000人を対象に無作為抽出によるアンケート調査を実施しました。3,293人(女性1,751人、男性1,542人)から回答がありました。

今回の調査と前回(平成20年度)の調査を比較してみると、配偶者からの暴力を受けたことが「何度もあった」と回答した人が、前回の調査では女性10.8%、男性2.9%、今回の調査では女性10.6%、男性3.3%となっており、被害状況に大きな変化は見られず、依然として被害が深刻な実態にあることが確認されました。

調査結果の概要は次のとおりです。調査結果の全文は、男女共同参画局ホームページ(http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/h24_boryoku_cyousa.html)でご覧になれます。

1.配偶者からの被害経験

・女性の10.6%、男性の3.3%が何度も被害を受けている

・被害を受けた女性の41.4%はどこにも相談していない

●配偶者(事実婚や別居中の夫婦も含む)から、「なぐったり、けったり、物を投げつけたり、突き飛ばしたりするなどの身体に対する暴行を受けた(以下、“身体的暴行”)」、「人格を否定するような暴言や交友関係を細かく監視するなどの精神的な嫌がらせを受けた、あるいは、自分もしくは自分の家族に危害が加えられるのではないかと恐怖を感じるような脅迫を受けた(以下、“心理的攻撃”)」、「いやがっているのに性的な行為を強要された(以下、“性的強要”)」のいずれかの被害を受けたことがある人は、女性32.9%、男性18.3%となっている。(図1)

(図1)配偶者からの被害経験

●“身体的暴行”“心理的攻撃”“性的強要”のいずれかの被害を「何度もあった」という人は、女性10.6%、男性3.3%となっている。

●過去5年間に被害を受けた人の、被害の相談の有無をみると、「だれにも(どこにも)相談しなかった」が女性41.4%、男性76.1%となっている。

2.交際相手からの被害経験

・女性の13.7%、男性の5.8%に被害経験

●10歳代から20歳代のときの交際相手(後に配偶者となった相手以外。以下、「交際相手」)から、“身体的暴行”“心理的攻撃”“性的強要”のいずれかの被害を受けたことがある人は、女性13.7%、男性5.8%となっている。(図2)

(図2)交際相手からの被害経験

●交際相手から被害があった人の、被害の相談の有無をみると、「だれにも(どこにも)相談しなかった」が女性34.2%、男性66.7%となっている。

●交際相手からの被害による生活上の変化について、女性が生活上の変化を受けることが多く、55.5%に生活上の変化があった。

3.異性から無理やりに性交された経験(女性のみ)

・被害経験は7.7%

●これまでに異性から無理やりに性交された経験を聞いたところ、「1回あった」が4.1%、「2回以上あった」が3.5%で、被害経験のある人は7.7%となっている。(図3)

(図3)異性から無理やりに性交された経験(女性のみ)

●異性から無理やりに性交されたことがあった人に、加害者との面識の有無を聞いたところ、「よく知っている人」が61.9%、「顔見知り程度の人」が14.9%で、面識のあった人は76.9%となっている。

●異性から無理やりに性交されたことがあった人の、被害の相談の有無をみると、「だれにも(どこにも)相談しなかった」が67.9%となっている。