「共同参画」2012年 7月号

「共同参画」2012年 7月号

巻頭言

3.11直後に福島県の避難所を訪れた時のことである。男性のリーダーは「仲良くやってますよ」と自信満々だったが、その言葉と裏腹に女性たちは「着替えるにも、洗濯物を干すにも場所がない」と訴えた。常日頃からの男性と女性の感覚のずれが顕在化し、性別役割分担が強まってさえいた。

復興にあたっても、誰もが暮らしやすい地域社会を目指すのであれば、子育て、健康、福祉、教育、環境などの視点を踏まえた計画を策定すべきであり、その際、もっとも生活の場に近い女性の参画は不可欠である。意思決定の場で女性が果たす役割は限りなく大きい。

国際的には、性別、年齢、障害の有無など、社会的差別や格差を解消することによって、災害に強い地域社会を作る考え方、つまり「災害リスクの削減」が主流である。関東地方で今後懸念される地震を始め、自然災害に早急に備えるべきことが国策として求められている。それは急ぎ男女共同参画社会を実現することに他ならない。それが災害に強い国づくりへの道であると確信する。

ジャーナリスト、前千葉県知事、元参議院議員 堂本 暁子
ジャーナリスト、前千葉県知事、元参議院議員
堂本 暁子

主な予定

9月29日 男女共同参画宣言都市奨励事業(山口県山陽小野田市)
10月19日 男女共同参画フォーラム(長野県)
10月25日 男女共同参画フォーラム(愛媛県)
11月10日 男女共同参画フォーラム(神奈川県)
11月12日~25日 女性に対する暴力をなくす運動(主唱:男女共同参画推進本部)
(11月25日 女性に対する暴力撤廃国際日)
11月17日 男女共同参画宣言都市奨励事業(福井県坂井市)
11月18日 男女共同参画宣言都市奨励事業(茨城県土浦市)