「共同参画」2012年 6月号
取組事例ファイル/企業編
有限会社 フジカワ
『マザーワークによるワークライフバランスの実践』
現在、有限会社フジカワには、従業員4名(経営者含む)とマザーワーカー13名(非正規雇用)が働いています。また、関連企業にはマザーワーカー5名が働いています。
*有限会社フジカワにて、5月以降に2名増員予定
12年前、小さな会社には、余程条件がよくないと人が集まらないという悩みを抱えて仕事をしていました。では、どのような条件であれば人件費を抑えて雇用出来るのか?小さな企業にとっては、人件費は会社を維持出来るか、出来ないかのとても重要なポイントですので、そこは外すことが出来ない企業側の条件でした。そのような中で周りの子育て中の女性の声にヒントがありました。
子育てをしながら働く女性の悩みは、「子供が病気の時は休みたい」、「幼稚園や学校行事のときは休みたい」という声です。ただ、会社に迷惑をかけたくないという気持ちから、仕事を継続していくのが難しい女性が多かったです。
では、有限会社フジカワとして出来ることは何か?と考え、企業理念の大前提に「子育てを応援します」と掲げ、子育て中の女性を基盤とした会社作りを始めました。
短時間雇用、ローテーションでの勤務体系、一つの業務を複数人でシェア、子供が病気の時等は自宅でのテレワークを導入し、子育てと家庭生活・仕事を両立出来るワークライフバランスに取り組んできました。それが、多様な働き方の一つ「マザーワーク」という働き方の始まりです。
女性が無理なく働くことができ、また活躍出来る環境を作っただけで、企業としては新たな事業展開を図ることも出来ました。また、女性の力を最大限に引き出すために、男性従業員の理解と応援があったからこそ取り組み続けることも出来ました。
週一回の全員参加のミーティングでは、すべての従業員が仲間のためにお客様のためにと、気持ちを一つにして業務に取り組めるように、心を豊かにするための勉強会も実施しています。
「マザーワーク」は、子育てを応援するためだけの働き方ではなく、子育てが一段落した頃に多くの方に訪れる介護にも対応した働き方でもあります。
女性が家庭生活で多くの役割を担うであろう子育てと介護。この二つを無理なく過ごすためにもこの働き方を定着させることが、私共の使命だと考えています。
マザーワークを始めてから10年も経った頃、従業員さんから感謝状をいただきました。子供に寂しい思いをさせることなく働き続けられたことへの感謝の気持ちでした。
現在、マザーワーク導入企業を増やすという目標のために、セミナー活動等に取り組んでいます。また、企業としてマザーワークを広めるために活動をするだけではなく、一般社団法人マザーワークマネジメントを立ち上げ、地域への啓蒙活動にも取り組んでいます。
今はまだ認知度が低い「マザーワーク」ですが、誰が聞いても知っている「マザーワーク」となるように、従業員一同で取り組んで参ります。
表彰状
全員集合