「共同参画」2012年 6月号

「共同参画」2012年 6月号

行政施策トピックス3

ダイバーシティと女性活躍の推進~グローバル化時代の人材戦略~
「企業活力とダイバーシティ推進に関する研究会」報告書

経済産業省経済産業政策局経済社会政策室

経済産業省は、女性の活躍推進を中心としたダイバーシティの推進について「企業活力とダイバーシティ推進に関する研究会」(座長:山口一男 シカゴ大学教授)で検討を行い、本年3月にその内容を報告書としてまとめました。

【検討の経緯】

近隣アジア諸国との競争激化により我が国企業の競争力の低下が懸念される中、イノベーションによる高付加価値化を図るためには、多様な人材の能力を最大限発揮させ、企業利益につなげていくことが重要です。こうした中、女性の活躍推進は、ダイバーシティ推進の「試金石」であり、先進諸国の中で我が国の取組が遅れている分野であるとの問題意識から、その経営効果と今後の方策について検討を行いました。

【報告書の概要】

(ダイバーシティ推進の経営効果)

本報告書では、データ分析により、ダイバーシティ推進に積極的に取り組むことが企業利益につながることを示した上で※1、先進事例の研究を通じて、経営効果を類型化するとともに(図表参照)、経営効果につなげるための有効な取組のあり方※2をとりまとめました。

※1 WLBに対する取組と粗利益率の関連

育児介護支援や柔軟な職場環境推進に取り組む企業は、何もしない企業に比べ、粗利益率が2倍以上高い(シカゴ大学教授 山口一男氏)。

※2 有効なダイバーシティ推進の取組のあり方

・トップのコミットメント ・競争戦略としてのダイバーシティの位置づけの明確化 ・ワークライフバランスに配慮した多様で柔軟な働き方 ・職務の明確化等による“フェア”な人事評価制度 ・多様な人材を活用するための管理職のマネジメント改革 等

(ダイバーシティ推進の普及促進のために重点的に取り組むべき施策)

○企業におけるダイバーシティ推進の取組について「見える化」するための情報開示の仕組みの構築

○ダイバーシティ推進を企業利益につなげるための具体的ノウハウに関するベストプラクティスの蓄積と発信  等

今後、これらの具体的方策を通じて女性活躍の推進に取り組んでいきたいと考えています。報告書の詳細は経済産業省のHPをご参照下さい。

http://www.meti.go.jp/press/2011/03/20120301003/20120301003.html

図表 事例分析にみるダイバーシティ推進の経営効果
図表 事例分析にみるダイバーシティ推進の経営効果