「共同参画」2012年 2月号

「共同参画」2012年 2月号

連載 その2

国立女性教育会館における「大学職員のための男女共同参画推進研修」について
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

文部科学省が所管している独立行政法人国立女性教育会館では、年間多くの研修を実施しております。今回は12月に行われました「大学職員のための男女共同参画推進研修」について報告いたします。

1 本研修の趣旨

男女共同参画社会の実現は、国、地方公共団体、国民すべてに共通に課せられた責務であり、高等教育機関としての大学においても、その一翼を担うことを求められております。

近年、大学は、地域再生の重要な担い手として位置付けられ、重要な役割を担っています。こうした中、科学技術・学術分野についても、我が国が国際競争力を維持・強化し、多様な視点や発想を取り入れた研究活動を活性化するためには、男女を問わず多様な研究者を質・量とも育成・確保していくことが必要とされるのではないでしょうか。

そこで、本研修は、大学において男女共同参画が推進されるよう、大学の意思決定組織に所属する教職員等を対象とした研修であり、昨年に引き続き2年目の取組となります。

2 本研修の概要

(1)日時:平成23年12月8日(木)~9日(金)

(2)場所:国立女性教育会館

(3)参加者:大学・研究機関・高等専門学校等の意思決定組織に所属する教職員88名

(4)内容

はじめに、国立女性教育会館内海理事長の講義「大学における男女共同参画を推進するためには」及び、板倉文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課長から「女性研究者の現状と女性研究者支援」の主な施策について説明を受けました。そして、久保沖縄科学技術大学院大学副学長(前国立女性教育会館理事)のコーディネートのもと、参加者一人ひとりが課題を整理し、今日の政策課題、国の動向やポイントについて理解を深めました。その後は、「韓国における女性研究者政策について」(Heisook

LEE梨花女子大学教授)、「女性の活躍推進・WLB推進と大学の役割」(山口一男シカゴ大学教授)、「ドイツの女性研究者政策」(バーバラ・ホルトスドイツ日本研究所副所長)の各講義を受け、諸外国とも比較しながら、大学・組織における男女共同参画について深く考えました。

また、企業内ベストプラクティス事例として、NECソフト株式会社と石堂硝子株式会社の報告を通じ、女性が活躍する先進的な企業のこれまでの取組や考え方を学び、大学組織内の男女共同参画推進の大きなヒントを得ました。

分科会は『男女共同参画意識を学内に浸透させるために』『大学におけるワーク・ライフ・バランス』『女性研究力・アップ』の3つに分かれ、討議やグループワークを通し、参加者が自組織で生かせる実践的な意見交換ができました。

(5)参加者の声

参加者の満足度・有用度も高く、「普段知ることのできない企業内部の取組を学べて有意義だった。」「他機関の事例を知ることができた。」「ネットワークを広げることができ今後に役立てたい。」等の意見が寄せられました。

3 終わりに

国立女性教育会館では、引き続き、大学内への男女共同参画の浸透、ワーク・ライフ・バランス、女性研究者比率の増加等に向けて、大学職員のための男女共同参画推進研修を行います。多くの大学からの参加者をお待ちしています。

関係省庁説明と課題整理
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韓国における女性研究者政策について
韓国における女性研究者政策について

女性の活躍推進・WLB推進と大学の役割
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コース別ワークショップ:男女共同参画意識を学内に浸透させるために
コース別ワークショップ:男女共同参画意識を学内に浸透させるために

ベストプラクティス研究
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