「共同参画」2011年 12月号

「共同参画」2011年 12月号

特集

APEC 女性と経済活動
内閣府男女共同参画局総務課

昨年日本で実施されたAPECの女性関連会合に引き続き、米国で開催された今年のAPECでも女性の経済参画の促進について活発な議論が行われました。

APECと女性

APEC(アジア太平洋経済協力)は太平洋を取り囲む21の国と地域(注1)の経済協力枠組みです。世界のおよそ半分のGDP、人口、貿易額を占めており、活発な貿易・投資をエンジンとして世界の成長をリードしています。

昨年は日本がAPEC議長エコノミー(注2)を務め、APECの様々な課題を議論する大臣会合等が日本各地で開催され、その内容の集大成が11月のAPEC首脳会議(横浜市)で首脳宣言として発表されました。

APECでは女性の経済活動を取り巻く課題も重要事項として議論されています。

昨年の日本では3つの女性関連会合が一連の流れとして開催されました。民間を主体とする女性リーダーズネットワーク(WLN)会合、政府の女性問題政策担当者がWLNでの議論も踏まえて取組を議論する男女共同参画担当者ネットワーク会合、特に女性の起業に注目した女性起業家サミットです。

2011年はアメリカが議長となり、今まで別々に行っていた民間主体の会合と政府関係者会合を統合し、官民合同で議論する「APEC女性と経済サミット」を開催しました。

注1) オーストラリア、ブルネイ、カナダ、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、米国、中国、中国香港、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、パプア・ニューギニア、チリ、ペルー、ロシア、ベトナム

注2) APECには、多種多様な国と地域が参加しているため、APECメンバーの国・地域を指す場合には「エコノミー」と呼んでいます。

〇APEC女性と経済サミット(WES)

2011年9月13日(水)~16日(金)に米国カリフォルニア州サンフランシスコ市で開催されました。女性の

1)資本へのアクセス

2)市場へのアクセス

3)能力技能形成

4)女性のリーダーシップの向上

のテーマを中心に、基調講演、全体会議、分科会、女性と経済パートナーシップ会合、ハイレベル政策対話会合が開催され、各エコノミーの官民の代表やUN Women等国際機関が経済成長のために女性の経済活動への参画強化にいかに取り組むかを議論し、本サミットの「宣言」を採択しました。同サミットの主な内容を以下に紹介します。

APECの会議の様子
APECの会議の様子

○9月13日 女性と経済パートナーシップ会合(PPWE)

官民合同で上記の4つのテーマを議論し、9月16日に採択される予定の宣言に基づき、各エコノミー別の行動計画を策定することを決めました。日本からは(株)資生堂アキレス美知子執行役員、NHK国谷裕子キャスター、大塚製薬(株)笠章子常務執行役員広報部長、内閣府武川恵子官房審議官(男女共同参画担当)、経済産業省五嶋賢二官房審議官(国際地域政策局担当)、外務省経済局森川徹APEC室長が出席しました。

○9月15日 開会挨拶「経済成長推進:繁栄への道」

「経済成長推進:繁栄への道」と題した開会挨拶において、日本から横浜市林文子市長がスピーカーとして登壇しました。

○9月15日 イノベーター表彰

革新的な技術の開発や、女性達の経済参画を促進した功績のある女性が各エコノミーから2名ずつ表彰されました。日本からは(株)東芝研究開発センターマルチメディアラボラトリー福島理恵子主任研究員、(株)コラボラボ横田響子代表取締役が選ばれました。

○9月16日 クリントン国務長官基調講演

米国のクリントン国務長官は基調講演で「女性の経済参画を拡大し、女性の効率と生産性を高めることによって、APECエコノミーの競争力と成長に非常に大きな好影響がもたらされる。女性の参画は進んでいるものの、指導的な役割についている女性はまだ少ないという課題がある。また、資本や市場への女性のアクセスに対する障害が存在している。障害が取り除かれ、女性の潜在的能力が発揮されることが経済発展につながる。」と強調しました。そして、本サミットでの宣言に基づき、着実な取組を進めるという強い意思を表明しました。

(原文はhttp://www.state.gov/secretary/rm/2011/09/172605.htmでご覧になれます。)

スピーチをするクリントン米国務長官
スピーチをするクリントン米国務長官

○9月16日 ハイレベル政策対話会合(HLPD)

APEC域内の女性と経済に関する幅広い分野の閣僚クラス(外務、貿易、中小企業、雇用、女性担当等)と企業のCEOクラスの人達が一堂に会し、女性の経済参画の促進について議論し、APEC女性と経済サミットの「宣言」を採択しました。本宣言では「APECエコノミーは、女性の可能性を最大限に引出し、女性の才能を活用し、また女性の経済活動への完全参加を阻害する壁を取り除き、経済成長に向けての女性の貢献の最大化を目指すための具体的な措置をとる。まず資本へのアクセス、市場へのアクセス、能力技能形成、女性のリーダーシップの4つの優先課題に焦点をあて、APECエコノミーとしてジェンダー問題に本格的に取り組むことを表明する。」としています。(「宣言」概要参照)

ハイレベル政策対話会合で議長を務めるクリントン米国務長官
ハイレベル政策対話会合で議長を務めるクリントン米国務長官

日本からは中塚一宏内閣府副大臣(日本政府首席代表)、中野譲外務大臣政務官、林文子横浜市長、内永ゆか子ベルリッツコーポレーション代表取締役会長兼社長兼CEO、笠章子大塚製薬(株)常務執行役員広報部長が出席しました。中塚副大臣からは「男女共同参画を担当する副大臣として、経済政策等を担う部署が真剣に女性の経済活動支援のために取り組むよう日本政府内のジェンダー主流化、ダイバーシティに尽力する。」「2020年までに指導的立場に女性が占める割合を30%にするという我が国の目標達成に向けた努力を加速する。」「金融担当副大臣も務めているので、資金へのアクセスについて宣言案に盛り込まれている事項について全面的に支持する。女性の起業等支援のための金融包摂に関する国際取組に積極的に参加する。」等発言しました。(副大臣発言を始め、今年のAPEC女性と経済サミットについてはhttp://www.gender.go.jp/apec/wes.html でご覧になれます。)

日本政府首席代表として発言する中塚内閣府副大臣
日本政府首席代表として発言する中塚内閣府副大臣

クリントン米国務長官と今後の連携を確認
クリントン米国務長官と今後の連携を確認

UN Women バチェレ事務局長と今後の協力を確認
UN Women バチェレ事務局長と今後の協力を確認

APEC 女性と経済に関するハイレベル政策対話「宣言」(概要)

(内閣府仮訳)

我々APECの閣僚等は2011年9月16日、クリントン米国国務長官議長の下サンフランシスコで会合。

昨年11月、横浜において、APEC首脳は、地域経済において女性の潜在能力が依然として活用されていないと認識。ジェンダー平等は経済社会発展の鍵。APEC首脳は、資金、教育、訓練、雇用、技術及び保健制度への女性のアクセスを改善するという意志を表明。

本年以降、APECエコノミーは、女性の可能性を最大限に引き出し、女性の才能を活用し、経済成長に向けて女性の貢献を最大化するために具体的な行動をとる。女性の経済的エンパワーメントの支援は、APEC首脳の成長戦略を遂行する上で重要な要素。

企業と政府における経済に関する全てのレベルでの女性の積極的な参画は、良好な社会的・環境的利益ももたらす。APECエコノミーにおける女性の経済的機会を拡大するため、具体的な行動と政策の実施、法律や規制の改善が必要。また、「APEC女性と経済の政策パートナーシップ」の設立を歓迎。

課題に対処するため、我々は政府関係者に以下のことを求める。

1 資本へのアクセス

● 相続、夫婦の共有財産、動産及び不動産の所有権等に関する女性の法的地位の検証

● 女性起業家のための、金融サービスへのより広範なアクセスの促進

● 少額融資を含めた中小企業の融資プログラムの一覧表の作成、活用の検証

● 女性が経営する中小企業の資本アクセス能力改善に関する、政府による好事例の共有、検証

● 中小企業とそのファイナンスに関する性別データ収集についてのOECD等の関与への協力

2 市場へのアクセス

● 女性経営者・起業家の直面する規制等の障壁を取り除く、政府等のプログラムの検証

● ビジネス関係と流通経路へのアクセスを支援する、女性のネットワーク等の検証

3 能力技能形成

● 女性の能力及び女性がスキルを身につけることを阻害する差別的慣行の排除

● 政府による女性の起業家相談や訓練機会を支援する好事例の共有及び検証

● 中小企業の支援プログラムにジェンダーの分析を組み入れることによる理解促進

● 女性経営者の研修にあたり、各エコノミーのIT技術利用の好事例の共有

● 小規模及び零細企業における女性のビジネスモデルの共有

4 女性のリーダーシップ

● 次世代の女性のリーダーの後押し

● 経済成長・企業の競争力に対するジェンダー多様性イニシアティブの効果の共有、意識向上

● 女性のエンパワーメントのための施策を促進することにより得られる経済的利益の広報

● 農村及び先住民の女性、社会的企業の公平な参加の促進、機会へのアクセスの増大

● 女性起業家やビジネスリーダーの地位向上のためのモデル化

● ABACメンバーへの女性の参画促進(少なくても1人は女性とする)

● 取締役や政府における上級管理職の女性の数を増やすための、積極的アプローチと官民協働促進

2011年を超えて

今後のAPEC開催国が、更なるハイレベル・セッションを実施することを奨励。

日本からの民間出席者

林 文子 氏 横浜市長
林 文子 氏
横浜市長

今回のWESは、バービアー米国国際女性問題担当大使をはじめ昨年お会いした女性リーダー達と再会し、議論ができた素晴らしい機会でした。開会挨拶では、APEC2010のホストシティの市長として、APEC2011への橋渡しという大役を果たすことができたと思っています。

各エコノミーの女性リーダー達と意見を交わす中で、経済成長には女性の活躍が必要だということを再認識し、本市で今年度から取組んでいる女性起業家支援を着実に実行していく、との思いを新たにしました。また、クリントン国務長官の基調講演はとても力強く、このような影響力のあるスピーチを、日本の女性が直接受ける機会をぜひ作りたいと思います。

HLPDでの議論では、私が日頃から感じていたネットワーキング、ロールモデルやメンターの重要性を、各国の代表とともに確かめ合うこともできました。帰国後、働く女性のネットワーキングを行う「横浜国際女性ビジネス会議」を開催しましたが、定員を超えるご参加をいただき、確かなニーズを実感しています。今後とも、横浜の経済活性化のために、女性の経済参画に積極的に取組んでいきます。

内永 ゆか子 氏 (株)ベネッセホールディングス取締役副社長、ベルリッツコーポレーション代表取締役会長兼社長兼CEO、(NPO)J-Win理事長
内永 ゆか子 氏
(株)ベネッセホールディングス取締役副社長、ベルリッツコーポレーション代表取締役会長兼社長兼CEO、(NPO)J-Win理事長

今年のAPECにおける女性関連の会合は、昨年のWLNからは名称も構成も変わり、「2011 APEC 女性と経済サミット(WES)」として、9月にサンフランシスコで開催されました。WESは各エコノミー代表(官民)の参加人数が限定され、結果的に日本からは9人の民間人が参加、私もその一人としてハイレベル政策対話会合(HLPD)で発言する機会をいただきました。今回のサミットでは、あらためて「ダイバーシティ&インクルージョンが経済発展に欠かせないものである。」という認識の下、どの国も真剣に取り組んでいることを確信しました。特に、今回のWES実行委員長であるヒラリー・クリントン国務長官が、最終日のハイレベル会合においてゴールドマン・サックスの調査に基づいた数字を挙げて、「もし女性の就業・起業を妨げている様々な障害が取り除かれ、ジェンダーギャップが狭められれば、アメリカでは9%、ユーロ圏では13%、日本では16%のGDPの上昇が望める。」と述べたことが大変強く印象に残っています。日本もこれからもっと積極的に声を上げ、経済活性化における女性の貢献の可能性と、その為のダイバーシティ&インクルージョンの必然性について発信していくべきであることを痛感しました。

笠 章子 氏 大塚製薬(株)常務執行役員広報部長
笠 章子 氏
大塚製薬(株)常務執行役員広報部長

WESに民間出席者として、PPWEにおいては国谷さん、アキレスさんと3人で、またHLPDには林さん、内永さんと3人で出席しました。日本の女性の現状、プライベートセクターの現状を正直に伝えることで、日本のビジビリティーが作れ、ライブ感のあるセッションとなったと思います。その後、韓国、台湾、フィリピン、パプアニューギニアの方々など、お声を掛けていただき、良い交流を図ることができました。昨年の日本開催に引き続いての開催にもかかわらず、分科会は、日本からのパネリストが送り込めていないことが残念でした。政府は、もっと真剣に“Japan presentation”を考えるべきだと思います。

今回WESに参加して、世界の国々は、官民相互に女性の社会進出の具体策が検討、策定されていることが勉強になりました。大塚製薬は2020年、女性役員比率50%を目標としており、女性のネットワーク作りなどして、その達成を加速したいと思います。

アキレス 美知子 氏 (株)資生堂執行役員、(NPO)GEWEL理事
アキレス 美知子 氏
(株)資生堂執行役員、(NPO)GEWEL理事

今回印象深かったことは、各国代表の積極的な発言と真剣な姿勢です。PPWEから最後の分科会に至るまで、自国の状況を率直に語り、国ごとの違いを超えて問題意識を共有しました。また、クリントン国務長官を始め、多くのリーダーが具体的な数字をあげて、女性の力を活かすことがいかに経済を押し上げるかを力説していました。このような論理的アプローチは説得力があり、日本においても大変参考になります。

また、昨年のWLNとの違いも明確でした。WLNでは内閣府と民間中心の実行委員会が企画し、様々な女性リーダーのネットワークが構築されました。一方WESは政府主導で企画され、参加者限定で、各国の合意を得て提言を採択することを目標として運営されていました。それぞれ良い点はありますが、今後はWLNの自由度を残しつつ、WESの具体的提言を実現していくのが望ましい方向だと思います。

最後に、このような貴重な機会をいただいたことに感謝し、この経験を日本における女性活躍推進に活かしていきたいと思います。

国谷 裕子 氏 日本放送協会NHKクローズアップ現代キャスター
国谷 裕子 氏
日本放送協会NHKクローズアップ現代キャスター

参加者から喝采されたクリントン国務長官の基調講演のキーワードが21世紀は“Age of Participation”。女性をはじめすべての人が自分の潜在能力を活かしながら幸福を追求できる、その潮流を各国が作っていくことこそが経済成長につながるというメッセージがとても明解で印象深く感じました。

会議に出席するまではどちらかと言えば男女平等、機会均等の視点で女性の経済参画を捉えていましたが、今回のサンフランシスコでの会議に出席し、女性に期待されているのは今や経済を“牽引”することだと感じました。

これまでの経済モデルの行き詰まりに直面する先進国。女性たちが職場や社会で直面している障壁をそのままにする余裕はもはやないことが繰り返し強調され、また貧困に苦しむ途上国や新興国でも女性の経済活動を阻害している要因を取り除くことで競争力を高め、より強い社会を築くことにつながるとの枠組みで語られていたのが新鮮でした。

女性と経済の位置づけ方の本質的な変容や各国が積極的に打ち出している政策、そして会議で実感したうねりを私が関わるメディアの世界で伝えていきたいと思います。

福島 理恵子 氏 (株)東芝研究開発センターマルチメディアラボラトリー主任研究員
福島 理恵子 氏
(株)東芝研究開発センターマルチメディアラボラトリー主任研究員

WESで日本の女性イノベーターとして、開発した裸眼3Dテレビのデモを行うとともに表彰を受けてきました。今回初参加でしたが、特に印象深かったのは以下の二点です。

まず、クリントン長官のスピーチであった、女性の地位向上には法制度整備だけでなく人の意識や社会・文化を変えるという“Social will”が必要という意見です。自分自身、仕事と育児の両立のための諸制度に加え、年齢・性差と関係なく、やる気がある者に機会をくれる風土のお陰で、成長できました。

次に、プレナリー1での、“Ambition is important”(フェイスブック シェリル・サンドバーグCOO)、“Overcome fear, have courage”(インドネシア マリ・パンゲツ貿易大臣)という意見です。多くの場合は女性に対する思いやりから仕事の負荷を下げたりするのですが、そのために成長の機会を失うこともあると思います。仕事への意欲がある女性は、よりわかりやすく周囲に伝えたほうが良いでしょう。

日本ではロールモデルがいないと良く言われますが、WESで日本代表団始め多くの最前線で活躍する女性に出会えました。後輩女性研究者にこれまで以上に、自分の力を信じて取り組むよう勧めたいと思います。

横田 響子 氏 (株)コラボラボ代表取締役、女性社長.net編集長、J300主宰
横田 響子 氏
(株)コラボラボ代表取締役、女性社長.net編集長、J300主宰

WESは、企業内リーダー、政治家、起業家等が一同に会し、同じ目線で議論するところに魅力があります。日本では、同業者同分野といった同質的なメンバーが集うことが多く、議論が分断されている印象があります。その点WESではバックグラウンドをごちゃ混ぜにして議論ができるので大変価値があります。実際、立場が違っても、仕事と家庭の両立からマネジメントまで頑張る女性の課題は共通です。

今回日本代表団として参加させて頂き、日常接する機会が少ない方々ともじっくりお話できたことは大変な収穫でした。今後はこの経験も活かしながら、分野・業種を超えた交流の場を提供するハブとなりたいと思います。

私の会社「女性社長.net」では30代中心に女性起業家ネットワークを有していますが、そこから資金アクセス等の女性起業家特有の課題をすいあげながら、企業、政治、経済団体等と広く連携して経済に貢献したいと考えています。

貴島 清美 氏 (株)ディプロム代表取締役、中小企業家同友会全国協議会女性部副部長
貴島 清美 氏
(株)ディプロム代表取締役、中小企業家同友会全国協議会女性部副部長

民間起業家という立場で参加しました。各国においては、それぞれの文化的背景が大きく影響し、男性の暴力が日常茶飯事の国もあり、女性が教育をつけ、自立していくことの重要性を感じました。女性が起業するための、環境づくりや市場拡大には、国際レベルでのネットワークを持つことが、今後の経済発展につながるということ。また、持続可能な経済のために、想像力豊かで、地域経済に根を下ろした、女性のイノベーションこそが、大きな武器になり、これからの経済は女性がつくるという強い決意が感じられました。また、今回パネラーとして参加していた既婚女性の圧倒的環境は夫の理解があり、男性が家事に協力的であり、公的機関などの制度をうまく利用しているケースが見受けられました。世界の女性は賢くて強いです。

同友会では、学びと交流を通して、企業と地域の経済的基盤を作り、女性経営者を増やしていくこと、事業を維持発展させるために、産官学の連携を図り質の高い企業づくりを目指したいです。

澤田 順 氏 メトラー・トレド(株)科学機器プロダクトマネージメント部マネージャー、日本BPW連合会所属
澤田 順 氏
メトラー・トレド(株)科学機器プロダクトマネージメント部マネージャー、日本BPW連合会所属

今回のサミットには、米国国務長官ヒラリー・クリントンの強い後押しにより、「これからの経済発展は、女性の貢献なくしてあり得ない。」という大きなメッセージがありました。

会期中のセッションでは、“Vision 2020: a road map to success” や、“Creating empowering environments and developing young leaders”などが印象に残っています。女性の働く環境は改善しつつあるものの、未だ全体の半数を占める労働力の有効活用が出来ていないことを再認識し、これからの子供達の教育環境の整備、若い世代の教育訓練の充実が課題であると感じ入った次第です。

さて、今後我が国においては、誰がイニシアチブを取り、これらの活動の推進・実務をどのように担当し、いつまでに何を目標として、実行していくかが重要です。自分の立場から、できる限りの協力をしていきたいと考えています。