「共同参画」2011年 11月号

「共同参画」2011年 11月号

行政施策トピックス


東日本大震災復興シンポジウム in 岩手
~震災復興をめざす男女共同参画社会~

内閣府男女共同参画局総務課

平成23年10月22日(土)、岩手県盛岡市いわて県民情報交流センター・アイーナホールにおいて「東日本大震災復興シンポジウム in 岩手」が内閣府、岩手県、岩手県男女共同参画センターの共催により行われました。岩手県を中心とした東北、関東、東海地方等から400人余りの方々が参加し、岩手県では、25の市町村から、片道3時間かけて沿岸部からも多くの方が参加しました。

野崎智恵子岩手県男女共同参画センター長の開会宣言でスタートし、内閣府から岡島敦子内閣府男女共同参画局長により蓮舫男女共同参画担当大臣のメッセージが披露され、続いて岩手県から達増拓也知事(代読:工藤孝男岩手県環境生活部長)から挨拶がありました。谷藤裕明盛岡市長は来賓挨拶の中で「震災後7か月が経過し、これからますます女性や生活者の視点が必要になってくる」と述べました。

第一部では「東日本大震災津波からの復興に向けて」と題して平山健一岩手県東日本大震災津波復興委員会委員より現地報告が行われました。多くの写真やデータで岩手県の津波による被害の大きさを示し、全世界からの支援と緊急復興について話をしました。また岩手県の復興計画について具体案を説明し、復旧・復興に向けてスピードアップと確実な財源の確保、まずは水産業の復興と地域の安全対策と海が育んだ文化とコミュニティの継承が重要であり、地域の人々の絆と意欲が再建の礎となっていると結びました。

現状報告を行う平山委員
現状報告を行う平山委員

続いて、清原桂子兵庫県理事より「なぜ震災復興に女性の視点と参画が必要なのか」と題して基調講演が行われました。阪神・淡路大震災の経験から家族と地域の重要性、しごとを通した仲間づくり、民と官による協働、普段からやっていることの大切さについて話をしました。復興基金の仕組みや復興基金事業例、また、女性の視点・生活者の視点からの生活復興について多くの取組事例を具体的に説明しました。

基調講演中の清原理事
基調講演中の清原理事

午後からの第二部では「被災者一人ひとりの復興を実現するために」と題し、亀井千枝子岩手県福祉総合相談センター児童女性部長をコーディネーターとしてパネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

パネリストの佐賀敏子山田町立山田南小学校校長は、今一番大事なことは子供の心のサポートであり、子供に関わる行事や授業をしっかりやることで子供と学校、学校と保護者・地域のつながりを深めたいと述べました。平賀圭子NPO法人参画プランニング・いわて理事長は、震災後の女性支援を通し、女性が生き生きしている地域は復興が早いと思われるので避難所の運営やこれからの復興対策に女性の参画が必要と述べました。盛合敏子岩手県漁協女性部連絡協議会会長は1955年に一人の人間として自らの人生設計を考える場づくりを目指して設立された漁協女性部の1日10円貯金活動や、今回の震災後の炊き出し等の活躍を紹介し、絆の強い組織ではあるが、市の復興計画等今後の方針決定の際に発言の場がなかったことが残念と話しました。湯浅誠内閣府参与、内閣官房社会的包摂推進室長は、避難所における聴覚に障害のある方々の状況から高齢者や子供など社会的に弱い立場にいる人たちのコミュニティづくりの難しさは日本全体の課題であると述べました。また仮設住宅において、日々の生活の中でちょっとした困ったことなどが相談できる工夫やそれをつないで解決していく人、場づくりの重要性を指摘しました。

日本赤十字社による募金とパネル展示
日本赤十字社による募金とパネル展示

「復活の狼煙ポスタープロジェクト」のパネル展示
「復活の狼煙ポスタープロジェクト」のパネル展示

復興ソングを歌うLAWBLOW
復興ソングを歌うLAWBLOW