「共同参画」2011年 10月号
取組事例ファイル/団体編
日本青年団協議会
青年団の女性活動
I.組織及び青年団の概要
日本青年団協議会(以下、日青協)は全国各地に存在する地域青年団の全国組織である。
青年団とは、地域を基盤にした若者の集団である。その町に暮らす若者であれば、職業や政治信条、宗教などの違いに関わらず、誰でも入れる青年の集まりである。
青年団の目的は、一言でいえば、「青年の生活を高める」ことである。青年団は、若者の夢や希望を実現するために地域を活動のステージとしている。
活動は、学習活動、リーダー研修、文化・スポーツ活動の推進、子どもたちとの地域活動、平和の実現に向けた取り組みや国際交流、日本青年団新聞の編集・発行等を行っている。
II.日青協の女性活動の歴史
青年団では男女共同参画について、「女性(女子)活動」という呼び名で、女性の地位向上をかかげ、結成当初からこの問題に取り組んできた。
1950年代の農村における貧困の克服と生活の改善をめざした「生活改善運動」から始まり、母性保護の観点から「合成洗剤追放運動」や、結婚のあり方や合理化にスポットを当てた「結婚式改善運動」などいくつもの運動に取り組んできた。1995年に北京で開催された、「世界女性会議」には、日本の地域社会の「あととり問題」を提起した。
2000年以降は、ジェンダーフリーに力点をおき、性にとらわれた生き方からの脱却がテーマとなった。近年は、一時期にくらべ女性活動は弱まっているものの、これまでの長きにわたる取り組みの蓄積にたった視点で学習に務めている。
こうした研修会や運動を通じて、地域の青年たちに気づきと学びの場を提供するにとどまらず、その後の生き方にも多大な影響を与えてきた。
研修会で男女平等について語り合う
地域青年団の女性活動集会
III.役職に性別の上限
日青協は、このような学びと運動の到達点にたち、執行役員が一方の性に偏らないよう、役職の定数に性別における上限を定めている。また、各加盟団体から選出される理事についても、男女1名ずつとし、女性が活躍する機会を積極的につくりだしている。
IV.初の女性会長誕生
日青協は、今年結成60周年を迎えている。これまで女性活動に取り組んできた、日青協の59年間、女性会長は生まれなかった。しかし、この節目の年に、日青協史上初の女性会長が誕生した。
60年の歴史を刻んできた日青協は、今年度山中ちあき会長という初の女性会長を得たことで、歴史に新しいページを加えた。今年度は新会長のもと、女性活動も他の運動も新たなスタートを切っている。
初の女性会長山中ちあき新会長
1951年に結成。現在、全国に43の加盟道府県団がある。
地域青年団の活動は、スポーツ活動や、伝統芸能の継承やお祭りや盆踊りを仕切ったり、ボランティア活動をしたり、活動は多岐にわたる。町や村のために地域づくりに取り組んだり、平和運動に参加したり、また社会問題(男女平等問題など)に目を向けた活動も展開。メンバーは勤労青年が中心であり、自身の成長や地域活性化のために活動を進めている。