「共同参画」2011年 10月号

「共同参画」2011年 10月号

取組事例ファイル/企業編

六花亭製菓株式会社

人材の確保は女性の活用から

六花亭製菓は商品とサービスの品質に強いこだわりを持って取組んでいる会社です。おいしいお菓子の製造や質の高い接客をするためには、担い手の心身が共に健康であることに加えて、充分な技術やノウハウの習得が不可欠ですが、その習得には時間がかかります。女性の場合、折角質の高い菓子職人や販売員に成長しても結婚・出産を機に退職されると優秀な人材の流出となり、勿体無いと考えていました。そこで、我が社では次世代支援育成法が成立した際に、すぐに一般企業行動計画を策定し、平成19年には次世代認定(くるみん)マークを取得し、子育てにやさしい企業に認定されています。

また、平成22年には有給休暇100%完全取得を22年間連続達成と女性従業員の両立支援が評価され、日本生産性本部が主催する『次世代のための民間運動~ワーク・ライフ・バランス推進会議~』で第4回ワーク・ライフ・バランス大賞を受賞しました。

<女性人材確保の取組み>

具体的な取組みとしてはトップダウンで社員を指名し、出産後の職場復帰をサポートするための社内託児施設設置プロジェクトを推進し、平成18年には保母は全員が従業員で構成される社内託児施設『ごろすけ保育園』を立ち上げました。従業員ボランティアによる楽器演奏など、家族主義的な全社をあげてのサポートの下、食育にもこだわるなど六花亭らしい特色のある保育園として運営しています。現在、園児数も徐々に増加し約40人の園児が広い保育園ホール内や園庭を元気に走り回っています。

ごろすけ外観
ごろすけ外観

保育園
保育園

<法遵守による体制整備>

一方、法の趣旨に基づいて育児休業後の短時間勤務制度、子の介護休暇制度など就業規則の見直しを行い、社内における育児休業の取得は当たり前のこととして、日常化を実現しました。このことは『平成22年度版子ども子育て白書』のコラムでも『企業における先進的取組事例』として取り上げられました。

<両立支援体制の成果と意義>

このような子育て支援による両立支援体制を作ったことで、とても意義深いのは、子どもを保育園に預けて仕事をしている『お母さん従業員』の中から、月間の優秀社員である『今月の人』の受賞者が何人も出ていることです。技術やノウハウを持っている優秀な『お母さん従業員』が辞めないで一生懸命仕事に取組んでくれていることが、この保育園の存在意義を一層際立たせてくれています。

表彰されるお母さん
表彰されるお母さん

<共同参画の今後の課題>

現在、一般企業行動計画の第一項目に男性の育児休暇取得奨励を上げ取組んでいます。具体的には、社内報で活用例を周知するなど啓発を実施し、妻女の出産時にはピンポイント情報として制度の説明を必須事項としています。この課題は、今後も継続して取組んで行きます。

<今後の取組み>

今後もCS(カスタマー・サティスファクション)以前にES(エンプロイー・サティスファクション)を優先する企業方針の下、従業員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスの充実による働き易い職場実現を通して、男女共同参画の推進に取組んで行きます。

会社概要/六花亭製菓株式会社

1933年創業。従業員数1,321人。帯広に本社を置き和洋菓子製造販売及び美術館運営を行う。1968年に日本初のホワイトチョコレート発売。1977年に『帯広千秋庵』から『六花亭』に商号変更。これを記念して発売した『マルセイバターサンド』は主力商品としてロングセラー。基本方針の『おいしいお菓子を作ろう たのしいお買物の店を作ろう みんなのゆたかな生活を作ろう そして成長しよう』が企業活動の原点。