「共同参画」2011年 8月号
行政施策トピックス
「パープルダイヤル-性暴力・DV相談電話-」の結果について
○「パープルダイヤル-性暴力・DV相談電話」について
平成21年度の配偶者暴力相談支援センターに対する配偶者からの暴力に関する相談件数は7万件を超え、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律が施行されて以降、2倍以上に増加するなど、その被害の深刻さが明らかになっています。一方で、内閣府の調査によると、配偶者からの暴力について相談できる窓口を知らない方や、その被害をどこ(だれ)にも相談していない方も多くいます。また、同調査によると、20歳以上の女性のうち7.3%が異性から無理やりに性交された経験があるにもかかわらず、そのうち約6割の人が、その被害をどこ(だれ)にも相談していません。
このような状況を踏まえ、相談窓口を周知し、どこにも相談できずに苦しむ被害者を減らすことを目的として、内閣府では、平成22年度補正予算により、平成23年2月8日(火)から3月27日(日)までの48日間、「パープルダイヤル-性暴力・DV相談電話-」を開設し、電話相談を行いました。
パープルダイヤルでは、配偶者からの暴力だけでなく、性暴力による被害や男性からの相談に対応するとともに、外国人からの相談にも6か国語(英語、タガログ語、タイ語、中国語、韓国語、スペイン語)による対応を行いました。また、原則24時間(男性相談は平日11時から23時、土日祝日12時から23時(外国語対応は毎日9時から21時))の無料で相談を受け付け、潜在化している被害者に相談を促し、期間中、約2万件の相談対応を行いました。
○女性相談者向け回線
女性相談者向け回線には、配偶者からの暴力に関する相談が8,970件寄せられました。相談者の年齢は、30代が最も多く、10代から70代まで幅広い世代から相談があり、約3割の人が10年間以上暴力を受けているという深刻な状況にありました。
○急性期の性暴力被害女性向け回線
被害にあってから約1年以内の性暴力被害女性向けの回線には「強姦・強制わいせつ」に関する相談が540件寄せられました。相談者の年齢は、30代以下が半数以上を占めており、他の相談と比べて若年層の割合が高い傾向となっています。
また、「強姦・強制わいせつ」の相談の約6割が「知っている人」からの被害についての相談であり、「知らない人」からの割合を上回りました。
○男性相談者向け回線
男性相談者向け回線には、配偶者からの暴力に関する相談が312件、その他、日常生活に関する不安、問題、悩みなどについての相談が1,066件寄せられました。
○外国人相談者向け回線
外国人相談者向け回線には、配偶者からの暴力に関する相談が307件、その他、在日外国人として日本で暮らす中での様々な悩みについての相談が572件寄せられました。
また、東日本大震災発生後には「震災のストレスで配偶者の暴力がひどくなった」、「地震や停電の暗闇により過去の性暴力被害を思い出して苦しい」などの相談も寄せられました。
■各種相談窓口
- 被災地域の相談窓口
http://www.gender.go.jp/pdf/saigai_07.pdf - 配偶者からの暴力(DV)
DV相談ナビ:0570-0-55210 - 女性に対する人権侵害の相談窓口
女性の人権ホットライン:0570-070-810