「共同参画」2011年 8月号

「共同参画」2011年 8月号

特集

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、
女性のチャレンジ賞、
男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
内閣府男女共同参画局総務課

6月27日、総理大臣官邸において、与謝野男女共同参画担当大臣の出席のもと、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰の表彰式が行われました。

本年度の受賞者は以下の皆様です。(50音順・敬称略)

<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰>

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。

阿部 康子 元山形市女性団体連絡協議会 会長 (山形県)
阿部 康子
元山形市女性団体連絡協議会
会長
(山形県)

山形市婦人団体連絡協議会の設立に尽力、10年にわたり副会長・会長を歴任、団体の充実を図るとともに、提案・提言のできる自立した女性を目指し、文部省女性支援事業、山形市女性の施策推進協議会などの委員会活動にも積極的に取組まれました。

平成10年には、山形市男女共同参画都市宣言の宣言文作成部会長として男女共同参画社会の推進に寄与されました。さらに、高齢化率が高い山形では、介護が女性の大きな課題であることを重視し、在宅福祉サービス事業所の開設・運営に携わるなど、大きな役割を果たされました。

石田尾 博夫 鹿児島県男女共同参画審議会 会長 (鹿児島県)
石田尾 博夫
鹿児島県男女共同参画審議会
会長
(鹿児島県)

かごしまハーモニープラン推進懇話会委員として、広く県民の意見を聞きながら、条例の制定に向けての取組を進め、「鹿児島県男女共同参画推進条例」の制定に尽力されました。

鹿児島県男女共同参画審議会会長として、「鹿児島県男女共同参画基本計画」の策定に尽力されました。

また、鹿児島県男女共同参画アドバイザーとして、各種団体の研修会などにおいて、男女共同参画について分かりやすく講話を行われるなど、広く県民への広報・啓発に貢献されました。

加藤 エミ子 元全国酪農青年女性会議 副委員長 (宮崎県)
加藤 エミ子
元全国酪農青年女性会議
副委員長
(宮崎県)

永年にわたり、小林市酪農青年女性部会長を務められるとともに、西諸県地区、宮崎県、九州及び全国酪農青年女性会議の委員長等を歴任し、県内及び全国の酪農女性農業者の経営参画・女性の地位向上に尽力されました。

女性ネットワークの形成に尽力され、西諸県地区農村女性会議を設立、農村女性の役割の適正評価・地位向上の気運醸成など地域の男女共同参画の推進に寄与されました。

宮崎県農山漁村女性会議委員として、農山漁村における政策方針決定過程への女性登用の推進を行政・関係団体に働きかけるなど、男女共同参画社会の推進に貢献されました。

近藤 恵子 全国女性シェルターネット 共同代表 (北海道)
近藤 恵子
特定非営利活動法人全国女性シェルターネット
共同代表
(北海道)

北海道で最初に民間シェルター「女のスペース・おん」を設立し、配偶者暴力被害者の相談対応をはじめ、一時保護、自立支援に取り組むほか、自治体と連携した取組を進め、地域における配偶者暴力被害者の支援体制づくりに尽力されました。

「全国女性シェルターネット」の設立にも尽力し、配偶者暴力被害者団体の全国規模のネットワーク化を図り、女性に対する暴力の根絶を目指す活動に精力的に取り組まれました。

北海道男女平等参画審議会専門部会長として「第2次北海道配偶者暴力防止及び被害者保護・支援に関する基本計画」の策定等に尽力されたほか、札幌市男女共同参画審議会委員等を歴任し、男女共同参画の推進に貢献されました。

齊藤 尚子 元山梨県女性団体協議会 副会長 (山梨県)
齊籐 尚子
元山梨県女性団体協議会
副会長
(山梨県)

山梨県女性団体協議会副会長として、男女共同参画社会の実現を目標とし、県、市町村並びに関係団体との協働事業を企画立案し、県下の女性の地位向上と社会参加の促進に積極的に取り組まれました。

地域においても、長年にわたり南アルプス市ハーモニープラン推進会議会長を務め、同市の男女共同参画計画策定やその推進に尽力されるとともに、市民目線にたった提言を行ったことにより、条例の制定や、男女共同参画都市宣言に結びつくなど、地域に根ざした男女共同参画の推進に寄与しています。

袖井 孝子 お茶の水女子大学 名誉教授 (東京都)
袖井 孝子 お茶の水女子大学
名誉教授
(東京都)

内閣府男女共同参画推進連携会議議長として、社会のあらゆる分野における男女共同参画社会の実現に向けての取組に尽力されました。

また、内閣府男女共同参画会議議員として、「男女共同参画基本計画(第2次)」の策定や「女性の参画加速プログラム」の取りまとめなどに貢献されました。

さらに、基本問題専門調査会会長として、男女共同参画の基本的な考え方にかかわりが深い課題についての調査検討を行い、「地域における男女共同参画のあり方」の取りまとめなどに貢献されました。

高島 進子 兵庫県男女共同参画審議会 会長 (兵庫県)
高島 進子
兵庫県男女共同参画審議会
会長
(兵庫県)

21世紀をめざすひょうごの婦人しあわせプラン策定懇話会委員として、「新ひょうごの女性しあわせプラン」の策定に携わるとともに、兵庫県女性施策推進委員会委員として、「新ひょうごの女性しあわせプラン後期実施計画」や「ひょうご男女共同参画プラン」の策定に尽力されました。

兵庫県男女共同参画審議会副会長・会長として、「ひょうご男女共同参画プラン21後期実施計画」や「新ひょうご男女共同参画プラン21」の策定に尽力されました。

兵庫県内各市の男女共同参画計画や配偶者暴力対策基本計画の策定、男女共同参画社会づくり条例の制定に携わるなど、兵庫県の男女共同参画社会の実現のために大きな役割を果たされました。

福代 俊子 元JA全国女性組織協議会 会長 (島根県)
福代 俊子
元JA全国女性組織協議会
会長
(島根県)

農業に従事しながら、出雲市農協女性部役員、JAしまね女性組織協議会会長として、農村に暮らす女性の社会参加を率先して進められるとともに、食と農の重要性への理解を深めるための取組にも尽力されました。

JA全国女性組織協議会会長として、女性の理事等役員、総代、正組合員の数値目標を全国・島根の両JA大会議案に盛り込むなど、組織内における女性の参画に尽力されました。

島根県男女共同参画行政推進会議議長として、「島根県男女共同参画推進条例」の制定にあたり、中心的な役割を担うなど、男女共同参画社会の推進に貢献されました。

矢澤 澄子 元埼玉県男女共同参画審議会 会長 (埼玉県)
矢澤 澄子
元埼玉県男女共同参画審議会
会長
(埼玉県)

埼玉県女性センター(仮称)基本構想検討委員会委員長・起草委員として、その在り方、機能についての検討を行うなど、埼玉県男女共同参画推進センターの設立に尽力されました。

また、3期6年間にわたり、埼玉県男女共同参画審議会会長として、「埼玉県男女共同参画推進プラン2010」の策定に尽力され、さらに、さいたま市男女共同参画推進協議会会長として、「さいたま市男女共同参画のまちづくり条例」、「さいたま市男女共同参画のまちづくりプラン」及び「さいたま市配偶者等からの暴力防止及び被害者支援基本計画」の策定にも尽力されるなど、埼玉県の男女共同参画社会の実現のために大きな役割を果たされました。

<女性のチャレンジ賞>

女性のチャレンジ賞は、起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジすることで輝いている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する団体・グループを男女共同参画担当大臣から顕彰し、チャレンジの身近なモデルを示すこと等によって男女共同参画社会の実現のための気運を高めることを目的として、平成16年度から実施しています。

(1)女性のチャレンジ賞 4件

性暴力救援センター・大阪(SACHICO) (代表:加藤治子) (大阪府)
性暴力救援センター・大阪(SACHICO)
(代表:加藤治子)
(大阪府)

全国初の性暴力被害者への24時間・総合的支援センター

性暴力救援センター・大阪(SACHICO)は、全国で初めての24時間体制で性暴力被害者を総合的に支援するためのワンストップセンターとして、2010年4月発足した。医療面、心理面、司法面などで支援を行っており、誰にも相談できずに孤立しやすい性暴力被害者に寄り添い、被害者が回復して自立できるために必要な支援を提供している。また、被害者の希望にもとづき、加害者の捜査に協力したり、採取した証拠を提供したりすることにより、結果として、被疑者検挙に繋がるなど、警察捜査にも協力している。

帆足 キヨ 吉野食品有限会社 代表取締役社長 (大分県)
帆足 キヨ
吉野食品有限会社
代表取締役社長
(大分県)

郷土料理「鶏めし」を全国に販売
地域の味の伝承と活性化に貢献

大分市吉野地区の婦人会は、米消費拡大運動の一環として、「鶏めし」作りに取り組み、昭和63年には、帆足キヨ氏が中心となり、女性12名で「吉野鶏めし保存会」を設立した。大分の伝承料理を伝えるなどの食育活動を実践する一方で、食材と調理法へのこだわりから口コミでファンが広がり、製造販売部門を有限会社として立ち上げて、東京や大阪など大分県外にも販路を拡大、生産量を飛躍的に伸ばしている。また、社員の9割以上を吉野地区の住民が占め、地域の雇用と活性化にも大きな役割を果たすなど、農村女性による起業のロールモデルとなっている。

宗片 惠美子 特定非営利活動法人イコールネット仙台 代表理事 (宮城県)
宗片 惠美子
特定非営利活動法人イコールネット仙台
代表理事
(宮城県)

女性の視点から防災に尽力。被災女性支援のため「せんたくネット」等の取組を進める

平成15年に男女共同参画の推進を目的としたNPO法人イコールネット仙台を設立。平成20年には、震災被災者へのインタビューや仙台市内の女性へのアンケートを行い、「災害時における女性のニーズ調査」の報告書をまとめ、女性の視点からの課題を浮き彫りにした。また、東日本大震災に当たり、洗濯や干し場所に困る避難所女性のため、「せんたくネット」を組織し、無料で洗濯を引き受けるとともに、その機会に悩み相談やニーズ把握を行っている。また、「震災体験を語るサロン」を実施し、心のケアにつなげるなど、被災女性支援のため、多様な活動を積極的に行っている。

山下 由美 JAえひめ南女性部 津島支部長 (愛媛県)
山下 由美
JAえひめ南女性部
津島支部長
(愛媛県)

農業経営、六次産業起業、若手女性ネットワークづくり、国際貢献などで幅広く大活躍

非農家出身の山下由美氏は、農家の女性として何か出来ることがないかと考え、除草剤、化学肥料は一切使わない農法に取り組み、今では全生産量を直接消費者に販売している。また、経営改善計画を作成して、自ら認定農業者となるなど、農村地域に根強い固定的な役割分担意識にとらわれない挑戦を続けている。さらに、JAえひめ南女性部内の若妻グループ結成、中国四国地区初のフレッシュミズ交流会の開催、企業グループの結成、手作りの米粉パン工房の運営など、組織活動でも活躍するとともに、JICA短期専門家としてタイに派遣されるなど、国際貢献にも努める。

(2)女性のチャレンジ支援賞 1件

湖南広域消防局 (消防局長:岩佐卓實) (滋賀県)
湖南広域消防局
(消防局長:岩佐卓實)
(滋賀県)

女性消防士の採用・活躍を積極的に支援

湖南広域消防局は、全国で初めて女性隊員だけの人命救出チームを結成しており、また、災害現場において、男女共に特殊業務に取り組むことができるよう、組織として積極的に支援している。特に、女性患者への対応において、デリカシーの問題等から女性救急救命士による処置が重要であり、採用を徐々に増やしている。さらに、平成13年以降の庁舎建設では、消防署に女性専用エリアを設け、更衣、トイレ、入浴、仮眠などの機能施設を充実させ、女性消防士が働きやすい勤務環境の整備を進めている。

(3)女性のチャレンジ賞 特別部門賞 3件
(平成23年度の特別部門は「地域を変える女性の力」)

木織 雅子 特定非営利活動法人工房おのみち帆布 理事長 (広島県)
木織 雅子
特定非営利活動法人工房おのみち帆布
理事長
(広島県)

伝統産品「尾道帆布」を使い小物を製造。新たな地域資源を見出し、活性化に貢献

広島県中小企業家同友会尾道支部女性部で行った尾道市の伝統産品「尾道帆布」の工場見学を契機に、帆布の可能性に気づき、小物の製造販売活動を開始。10年を経過した現在では、商店街に店舗兼工房兼展示スペースを構えるまでになっている。また、休耕田等を活用して帆布の材料の綿栽培を行う「しまなみコットンロードプロジェクト」を進めるとともに、果樹の枝や鉄粉などこれまで捨てられていた地域の資源を染色材料として商品化に成功している。しまなみ海道沿線の企業や団体と連携して、活動の幅を広げ、地域の活性化や雇用の創出に貢献している。

特定非営利活動法人吉備野工房ちみち (理事長:加藤せい子) (岡山県)
特定非営利活動法人吉備野工房ちみち
(理事長:加藤せい子)
(岡山県)

地域の歴史文化・魅力を再発見・PRする事業を、女性の視点をいかしながら実施

多くの遺跡が残る歴史文化の豊かな岡山県総社市で、古墳、お寺、グルメなどの地域資源を題材に、歩きながら地域の人が講師となって体験プログラムを行う「みちくさ小道」事業を実施。プログラム名やパンフレットデザイン等で、女性ならではの視点を生かし、見慣れた風景も新鮮にうつるような工夫をこらすとともに、子どもにとっても住みやすいまちづくりを目指している。活動を通じて、地元の人も地域の魅力を再発見し行動を始めるとともに、地域の特産品づくりやサービスに携わっている人の活動の連携を進めることで、総社市全体の活性化、元気づくりにつながっている。

横田 純子 特定非営利活動法人素材広場 理事長 (福島県)
横田 純子
特定非営利活動法人素材広場
理事長
(福島県)

地域の「素材」や「魅力」を見出し、人々をつなげることで、地域経済の活性化

特定非営利活動法人「素材広場」を立ち上げ、「地産地消」の理念の下、地元福島の農産品や工芸品等の生産者・生産文化の情報を発信し、また、生産者と旅館・販売所等との提携を進めることで、観光関係事業の発展と福島の地域価値の再発見に貢献している。また、活動を通じて、幅広い地域・年代の人たちを結ぶネットワークの中心的な役割を担っている。さらに、東日本大震災の支援にも地元企業とともにいち早く取り組み、多数のおにぎりをつくり、県内の避難所へ送り届けるなど、被災者だけでなく、支援にあたる県民をも勇気づける行動を率先して行っている。

<男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰>

河合 英紀 (奈良県)
河合 英紀
(奈良県)

「ポジティブ・アクション」(積極的改善措置) の理解を求め、取組を促すためのキャッチフレーズを募集し、応募総数1,992点の中から、審査の結果、河合英紀さんの作品「チャンスを分かち、未来を拓こう」を最優秀賞として、与謝野大臣から表彰しました。