「共同参画」2011年 7月号

「共同参画」2011年 7月号

行政施策トピックス

東日本大震災の被災者を支援する女性達
内閣府男女共同参画局推進課

3月11日(金)の東日本大震災発生後、内閣府男女共同参画局は、宮城県にある政府現地対策本部に職員を派遣しています。派遣された職員は現地調査や避難所等で活動されている方々との意見交換会を通じ、被災地における女性のニーズの把握等に努めています。

被災者の生活支援のために活動されている女性とお会いする機会もあります。その中から、本稿では、陸上自衛隊霞目駐屯地にてお話を伺った増強東北方面航空隊女性自衛官「GOYO-LADIES」、「女性に配慮した避難所等での支援等に関する情報交換会」にてお話しを伺った女性警察官、NPO法人イコールネット仙台の取組について紹介します。

○被災地における増強東北方面航空隊「GOYO-LADIES」の活動

増強東北方面航空隊が、陸路で物資が届けられない地域への物資輸送を行った際、ある避難所の女性が、男性隊員に女性用品を要望しました。これを聞いた増強東北方面航空隊長荒関1佐が、女性のニーズは女性隊員に担当させることが適当であると判断したことで、女性隊員による女性への物品要望の聞き取りと女性へ物品を直接手渡す「GOYO-LADIES」が始まりました。

3月18日から20日までの3日間、活動は続けられました。その後は、「GOYO-LADIES」の活動がきっかけとなり、各方面の自衛隊で女性隊員による同様の活動が行われています。

避難所にいる女性からは、女性用品、ウェットティッシュ(殺菌タイプ、ノンアルコールタイプ)、重ね着衣類(気候に合わせて調節しやすい上下別々に着衣可能なもの)、リップクリーム、ハンドクリーム等の物品について、中にはサイズ等の細かい点での要望もあったとのこと。物資の少ない中で霞目駐屯地及び仙台駐屯地(陸曹の親睦会)や友人を通じて必要な物資を集め、対応されたとのことでした。

○女性警察官の活動

全国の女性警察官が岩手県、宮城県、福島県の避難所を訪問しています。例えば、宮城県警では、派遣された女性警察官(最大時44名)が、10日交替の体制で宮城県内の津波被災地域の避難所訪問を行っていました。

女性警察官は、被災者が相談しやすい環境をつくるとともに避難所の秩序維持を目的として活動していました。避難所の方々からは、警察官が避難所にいることで防犯の面でも安心感があり、生活に関する悩みを聞いてもらうことで精神的に落ち着くことができるといった声が聞かれました。

○NPO法人イコールネット仙台の活動

女性が主体となって運営しているNPO法人イコールネット仙台は、(財)せんだい男女共同参画財団と協力し、主に、宮城県仙台市で、洗濯を通じ、女性たちのニーズを掘り起こし支援することを目的に被災女性の洗濯代行(せんたくネット)を実施しています。

他の人に洗濯を依頼することに抵抗がある人も多く、初めのうちはタオルなどの洗濯代行から始まるとのことですが、何度も被災者のもとを訪れて話を聞くことで、下着を預かるまでの信頼を得ているとのことでした。

  • GOYO-LADIES(1)
    GOYO-LADIES(1)
  • GOYO-LADIES(2)
    GOYO-LADIES(2)
  • GOYO-LADIES(3)
    GOYO-LADIES(3)
  • 警視庁「きずな隊」
    警視庁「きずな隊」
  • 埼玉県警察
    埼玉県警察
  • 愛知県警察
    愛知県警察