「共同参画」2011年 6月号

「共同参画」2011年 6月号

行政施策トピックス

平成23年度における第3次男女共同参画基本計画関係予算について
内閣府男女共同参画局調査課

1.平成23年度関係予算の総額

平成23年度における第3次男女共同参画基本計画関係の政府予算(当初予算)(※1)は、6兆7,325億であり、22年度の当初予算から、6,211億円(10.2%)の増額となっています。これは、子ども手当(中学校修了までの児童を対象に、所得制限なく3歳未満の子ども一人につき月額2万円、3歳以上中学校修了までの子ども一人につき月額1万3,000円を支給)に、2兆1,200億円が計上されていること(※2)が主な要因です。分野ごとの内訳で見ると、「高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備」が総額の43.8%を、「男女の仕事と生活の調和」が総額の43.2%を占めています。

※1 「男女共同参画推進の見地から当面特に留意すべき事項」とされている予算。第3次男女共同参画基本計画の推進に関係する施策から、「国民年金及び厚生年金保険(国庫負担)」と「特定障害者に対する特別障害給付金」を除いたものの予算の合計。また、平成23年度第1次補正予算による増減は反映していません。

※2 子ども手当については、当初予算成立後に、暫定的に9月までは、これまでと同じ月額1万3,000円を支給する内容の法案が成立し、引き続き同額が支給されることとなりました。

2.平成23年度予算の主な新規・拡充等の項目(1.の記載事項以外)

●保護者の多様なニーズに応じた保育サービスの提供

待機児童解消策の推進など保育サービスの充実(4,100億円)や、総合的な放課後児童対策の推進など。

●ひとり親家庭の総合的な自立支援の推進

母子家庭等への対策として、母子家庭等の自立を促進するため、技能取得等に必要な資金の貸付けによる経済的支援や母子家庭等の自立を推進するため、地域の実情に応じた就業支援・生活支援の事業等を推進する。(1,855億円)

●母子保健医療対策の充実

不妊に悩む方への特定治療支援として、医療保険が適用されず、高額の治療費がかかる配偶者間の不妊治療に要する費用の一部を助成し、経済的負担の軽減を図る。(95億円)

●女性研究者への研究活動支援

女性研究者がその能力を最大限に発揮できるようにするため、大学や公的研究機関を対象としてコーディネーターや、出産・子育て期間中の研究活動を支える研究・実験を補助する者等の雇用経費の支援等、女性研究者が出産・子育て等と研究を両立するための環境整備を行う取組を推進する。(10億円)

3.内閣府男女共同参画局の予算

内閣府男女共同参画局の平成23年度予算は、3億6,300万円で、前年度から1億200万円の減額となっています。これは、平成22年度限りの事業として2010APEC女性リーダーズネットワーク(WLN)会合があったこと等によるものです。平成23年度予算の主要事項としては、配偶者からの暴力等の被害者支援の強化促進等、女性に対する暴力の根絶に向けた取組の強化のため8,800万円を、WLN会合の成果も踏まえた男女共同参画推進連携会議の開催及びその全国的ネットワークを活用したセミナー等の開催等、女性の活躍の促進に係る方策のため5,000万円を、それぞれ計上しています。

平成23年度 第3次男女共同参画基本計画関係予算額(総括表)
(男女共同参画の推進の見地から当面特に留意すべき事項)

平成23年度 第3次男女共同参画基本計画関係予算額(総括表)(男女共同参画の推進の見地から当面特に留意すべき事項)