「共同参画」2011年 2月号

「共同参画」2011年 2月号

取組事例ファイル/企業編

日産自動車株式会社

ダイバーシティを経営戦略に

ダイバーシティは、日産とお客さまをつなぐ“橋”

日産はダイバーシティ(多様性)を重要な経営戦略のひとつと位置づけています。2004年10月には、その主導的な役割を果たす組織として「ダイバーシティディベロップメントオフィス」を日本に設立。海外地域とも連携し、「多様性を尊重し、持続的な成長を目指す」という共通のゴールに向かって、さまざまな取り組みを行っています。また、各部門の代表役員がメンバーとなる「ダイバーシティステアリングコミッティ」では、ダイバーシティ推進に関する方針を決定しています。

1.女性のキャリア開発支援

日産では性別にかかわらず活躍できる環境づくりとして、女性のキャリア開発支援に取り組んでいます。

一人ひとりの状況に合ったキャリア形成が可能となるよう、女性キャリアアドバイザーを配置しているほか、人事部門と協働し必要な能力開発研修、女性同士のネットワークイベントなどを実施しています。また、社内イントラネットでは、さまざまな領域で活躍する女性社員のインタビューをロールモデルとして紹介しています。

製造現場では、男性と比べて体格が小さく、力の弱い女性も活躍できるよう、エルゴノミクス(人間工学)を推進。誰もが働きやすい製造ラインづくりに取り組んでいます。

キャリアアドバイザーを配置し女性社員との面談を実施
キャリアアドバイザーを配置し女性社員との面談を実施

2.ワーク・ライフ・バランスの支援

社員による仕事と育児・介護の両立を支援するため、幅広い働き方が可能な制度を導入しています。

「結婚」「配偶者出産」「育児」「介護」「不妊治療」を理由とした休暇「ファミリーサポート休暇」、育児・介護のための就業時間短縮制度や在宅勤務制度、テクニカルセンター内託児所(まーちらんど)の設置など、性別を問わず利用できるさまざまな支援制度を行っています。

また社内SNSに仕事と育児を両立する社員コミュニティを開設。300名以上の男女社員が登録し、育児と両立をテーマに議論が行われています。

「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画についても、取り組み達成が認められ、子育て支援に積極的に取り組む企業として認定を受けています。

社内託児所 まーちらんど
社内託児所 まーちらんど

3.ダイバーシティマインドの醸成

社内イントラネットに役員のダイバーシティへの意見や体験記事などのメッセージを掲載し、社員のダイバーシティマインドの醸成を図っています。

また、マネージメント層への研修「ダイバーシティワークショップ」では、日産におけるダイバーシティの重要性や、多様な人財を活かすことを学び、どのようにビジネスに役立てていくかを考えることで、組織におけるダイバーシティの浸透を図っています。

更に、『性別』だけでなく、ルノーとの提携以降、「クロスカルチャー」にも取り組み、「ダイバーシティ」の更なる定着を図っています。

(ダイバーシティ ディベロップメント オフィス)

社内イントラネットとメールマガジンによるダイバーシティ情報の発信
社内イントラネットとメールマガジンによるダイバーシティ情報の発信

会社概要/日産自動車株式会社

●1933年12月設立。従業員数30,718名(連結:175,766名)。

日産は社員、お客さま、販売会社、パートナー、株主の方々、そして社会全体との信頼関係を築き、人々の生活を豊かにするというビジョンの実現を目指し、今後も求められる価値の提供を行っていきます。