「共同参画」2011年 1月号

「共同参画」2011年 1月号

連載 その3

新潟大学における女性研究者支援・男女共同参画への取組
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

新潟大学では、「新潟大学男女共同参画宣言」を発表し、全学をあげて男女共同参画の推進に取り組んでいます。以下、主な取組を紹介します。

○「新大シッター」による保育支援

所定の研修を修了した本学在学生が、大学から認可と称号(新大シッター)を受け、やむを得ず土日にも研究等に従事する研究者のお子さんを、大学内のプレイルームで一時的に預かり保育を行う制度で、これまでに55名の新大シッターが誕生しました。この制度は、研究者への支援ということだけではなく、新大シッターとなった学生が、その研究者をロールモデルとして自分のキャリアデザインを考える機会になっています。

○研究補助者による両立支援

子育て中の女性研究者に研究補助者を配置し、育児のため研究等に従事できない時間の研究を補助し育児との両立を支援しています。これまでにのべ20名の研究者への支援を行い、研究・生活の両面でよい成果や効果がみられています。

○新潟大学人材バンクの設立

育児や介護、体調不良等により教員がその業務を遂行できない場合に、教育・研究の代替や補助ができる人材をすぐに確保できるよう「人材バンク」を整備し、さまざまな分野の人材を広く募集しています。

○メンターによる支援

研究者としてのキャリア形成や、その際の結婚、子育て、介護等のライフイベントとの両立について、先輩研究者(メンター)から、学部や専門の枠を超えて性別を問わず助言を受けることができる制度です。平成22年には、メンターのサポートにより、女性教員1名が妊娠・出産し職場復帰することができました。

○「サイエンス・セミナー」の実施

次世代の女性研究者の育成を目的に、女性大学院生が主体的に関わる出前授業「サイエンス・セミナー」を新潟県内の中学校や高校を中心に実施しています。

このセミナーは、女子中高生の科学への興味関心を喚起する機会となるだけでなく、講師となった女性大学院生にとっても、自身の研究の意義を再認識する機会となりキャリア形成の一助になっています。

○「セカンド・スタート制度」

この制度は事務系職員を対象にして、出産、育児、介護、配偶者の転勤など育児休業や他の制度でもカバーできない事情で退職を余儀なくされても、再び本学で働く意思のある職員には、一定の期間職場復帰の機会を設けた制度です。本制度を活用して、1名の女性職員が職場復帰をしています。

○「短時間勤務の非常勤医師雇用制度」

出産や育児のため退職した附属病院の女性医師の職場復帰に向けた勤務環境を整備するため、平成18年度から短時間勤務の非常勤医師雇用制度を導入しています。この制度を活用し、現場を一旦離れた女性医師も、育児と仕事を両立させながらキャリアを継続し活躍しています。

今後も新潟大学は、教職員および学生が性別に関係なく個性と能力を十分に発揮できる環境をこれまで以上に整備し、教育と研究を通じて地域や世界の着実な発展に貢献していきます。

新潟大学女性研究者支援室

TEL:025-262-7570

URL:http://www.niigata-u.ac.jp/joseishien/