「共同参画」2010年 10月号

「共同参画」2010年 10月号

連載 その3

平成22年度 女性のライフプランニング支援総合推進事業
ワークショップの開催

文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

毎年、国立女性教育会館において、「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム(NWECフォーラム)」が開催されております。昨年に引き続き、このフォーラムにおいて、文部科学省提供による平成22年度女性のライフプランニング支援総合推進事業に関するワークショップを開催しました。

今回のワークショップは、「女性のライフプランニング支援~今後の展開とライフプランニング模擬講座~」と題し、ライフプランニング支援の必要性やあり方を考える場となりました。

ワークショップは、まず、最初に「女性のライフプランニング支援の必要性」をテーマに、女性のライフプランニング支援総合推進委員会座長であり、立教大学大学院特任教授でもある渡辺三枝子氏にご講義いただきました。

講義では、(1)女性の人生は、男性に比べて時代の影響を受けやすく、各自が自分なりのライフプランニングをするためには、固定的な考えや思い込みを乗り越えることが必要であること、(2)ライフプランニング支援の目標は、一人ひとりが、「ライフプランをする力と姿勢」を獲得することであって、知識や情報を得ることではないこと、(3)学習プログラムを作成するに当たっては、学習者自身が、自分と自分の周りの人との関係、社会との関係を考えられるようになり、前向きに自分の課題に向き合えるようになる「力」を育てるプログラムにする必要があること、などのお話がありました。

続いて、関西こども文化協会による「ライフプランニング手帳を使った模擬講座」を行いました。当協会では、昨年度、本事業において、「ライフプランニング手帳」を作成し、これを活用したワークショップを実施しております。今回は、活動報告と併せて、そのワークショップの一部を参加者の皆さんに体験していただきました。

その後、講義に引き続いて、渡辺三枝子氏のほか、女性のライフプランニング支援総合推進委員である、宿谷昇司特定非営利活動法人J-Win事務局長補佐、三輪建二お茶の水女子大学大学院教授に講評をしていただき、参加者との意見交換を行いました。

参加者のアンケート結果によると、ワークショップについて「有用だった」と約8割の人が回答しており、「つながりマップを書くことで、いろいろと気づきがあり、書いていて楽しかった」、「成り行き任せの生き方ではなく、ライフプランを持つことにより将来に希望が持てると思いました」という感想が寄せられました。

ワークショップに参加する以前から「女性のライフプランニング支援」という言葉を知っていたか、という質問に対しては、約6割の人が、「聞いたことはなかった」「聞いたことはあるが、内容はイメージできなかった」と答えていたことから、今回のワークショップが参加者にとって、女性のライフプランニング支援についての気づきの場となったと考えております。

(参考)

「女性のライフプランニング支援~今後の展開とライフプランニング模擬講座~」

○会場:国立女性教育会館(NWEC)

○日程:平成22年8月27日(金)

渡辺 三枝子氏 講義の様子
渡辺 三枝子氏 講義の様子