「共同参画」2010年 9月号

「共同参画」2010年 9月号

取組事例ファイル/自治体編

福岡市

「男女共同参画社会の実現に向けて」

福岡市では、「福岡市男女共同参画基本計画」(計画期間:平成18年度~平成22年度)に基づき、様々な取組を行っています。その中から福岡市の特色ある取組を紹介します。

「地域における男女共同参画の推進」

福岡市では、小学校区ごとに設置された公民館を拠点として、最も身近な暮らしの場である地域における啓発活動を進めてきました。

まず、市内5区(現在は7区)の行政区単位の組織づくりが昭和55年に始まり、より市民に密着した小学校区単位の組織づくりが平成元年からスタートしました。現在、143団体、約4,100名の会員が住民を対象とした学習会や会員の研修会、広報紙の発行など、校区の実情に応じた自主的な活動を行っています。学習や実践活動を通じて女性自身が力をつけ、地域のリーダーとして日常活動や意思決定の場に参画し、男女がともに課題解決に取り組む地域づくりを推進しています。

また、各校区の代表者が集まる定例会を各区で開催するなど、それぞれの活動について情報交換を行うことにより、校区間の連携を図っています。さらに、各区の代表者も定期的に集まり、区間の情報交換を行うとともに、各区の活動について市長に報告する懇談の場を設け、地域における男女共同参画の推進に活かしています。

  • 地域における男女共同参画の推進体制
    地域における男女共同参画の推進体制
  • 各区男女共同参画協議会・連絡会と市長との懇談会
    各区男女共同参画協議会・連絡会と市長との懇談会

「ワーク・ライフ・バランスの推進」

福岡市では、企業をはじめとして広くワーク・ライフ・バランスを普及・促進するため、庁内横断組織を設置し、関係部署が連携して取組を進めています。

平成19年度から、市内の中小企業を対象に、次世代育成支援対策推進法で定められた一般事業主行動計画の策定を支援する事業を実施しています。平成21年度からは、NPO法人との共働で、企業の要望に応じた出前講座を実施しています。平成22年3月には、市民・企業・団体と共にワーク・ライフ・バランスの推進に取り組むため「福岡市ワーク・ライフ・バランス推進都市宣言」を行いました。

平成22年度の取組としては、女性の活躍促進やワーク・ライフ・バランスの推進に率先して取り組んでいる企業の経営者を招き、講談師 神田紅氏とのトーク講演会を行います。さらに、希望する企業に対しては、行動計画策定のノウハウを提供するセミナーを実施します。今後とも、同宣言の周知に努めるとともに、長時間労働の見直しや男性の育児休業の取得促進など、企業等への働きかけを進めます。

「若年層へのDV予防啓発」

福岡市では、DVの未然防止を図るため、教育委員会と連携して、平成19年度にモデル校として2校の市立高校生を対象としたデートDV防止研修を開始しました。平成20年度からは全市立高校に対象を広げて研修を実施しています。受講後のアンケートでは、「こういうことがDVにあたるとは思っていなかった」「友達が悩んでいたら相談にのってあげたい」などの感想が多く寄せられ、生徒から大きな反響がありました。今後も若年層への予防啓発を含め、DV施策の一層の充実に努めていきます。

(市民局男女共同参画課)

福岡市概要/ 福岡市は、大都市としての魅力と博多湾に代表される美しい自然とを併せ持ち、長い歴史の中で培われた伝統・文化に恵まれた、独自の個性と魅力を持つ都市です。金印、元寇防塁に代表される歴史や、山笠やどんたく、福岡アジアマンスなどの祭り、玄界灘の海の幸をはじめとしたグルメなど、多様な魅力を備えています。また、アジアの玄関口として、アジアと日本をつなぐ国際都市としての一面もあります。