「共同参画」2010年 6月号

「共同参画」2010年 6月号

特集

大学における男女共同参画の取組
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

男女共同参画社会を実現するためには、男女がともに個性や能力を発揮することが必要であり、教育・学習の果たす役割は極めて重要である。近年、大学における男女共同参画推進の重要性が認識されつつあり、推進体制を整える大学も増えつつある。一方、大学における女性教員の割合は未だに低い状況にある。

■ 男女共同参画の現状 ■

男女共同参画社会の実現は21世紀の最重要課題であり、男女がともに個性や能力を発揮するために、学校、家庭、地域、職場における教育・学習の果たす役割は極めて重要である。

内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」(平成21年10月)によると、それぞれの分野で男女の地位は平等になっていると思うか聞いたところ、「平等」と答えた者の割合は「学校教育の場」では68.1%となっており、他の分野に比べ最も高い割合になっている。

一方、政策・方針決定過程への女性の割合は緩やかに増加しているものの、水準は依然として低く、政府が定める「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度になるよう期待する。」という目標には遠く及ばないものがほとんどである。

大学の女性教員の割合も低い水準となっており、平成21年度学校基本調査によると、大学の本務者・講師以上について、国立大学では10.4%(4,630人)、公立大学では22.9%(2,174人)、私立大学では19.6%(15,032人)となっている。

各大学の女性教員の採用については、各大学の権限に基づき、自主的・自律的な人事の一環として行われるものであるが、国立大学協会は「2010年までに女性教員の割合を20%に引き上げる」という自主的な目標を掲げ、第2次男女共同参画基本計画にも記述されている。しかしながら、国立大学の女性教員の割合は公立大学、私立大学と比較すると依然として低くなっている。

  • 図1 大学における女性教員数
    図1 大学における女性教員数
  • 図2 大学における女性教員の割合
    図2 大学における女性教員の割合

■ 大学評価等を通じた取組促進 ■

大学における男女共同参画の推進のため、文部科学省においては、大学評価等を通じて、各大学の積極的な取組を促している。

国立大学法人評価については、男女共同参画基本計画等を踏まえ平成20年度以降に係る国立大学法人の年度評価及び中期目標期間評価の実施にあたり、法人が取り組む必要のある最小限の共通事項に関する観点として、「男女共同参画の推進に向けた取組が行われているか。」を新たに追加し、国立大学法人評価において積極的に評価することを明確にした。平成21年度に実施した平成20年度の業務の実績に関する評価においては、男女共同参画の推進に向けた取組を注目事項等として積極的に取り上げた。

また、すべての国公私立大学が対象とされる認証評価においても、男女共同参画基本計画等を踏まえた観点を認証評価基準の中に取り入れている。(独)大学評価・学位授与機構では、平成19年度以降の認証評価の実施にあたり、「大学の目的に応じて、教員組織の活動をより活性化するための適切な措置が講じられているか」という基本的な観点において、「性別のバランスへの配慮」の措置状況を新たに評価対象として追加している。

これらの動向も影響してか、国立大学法人については、中期目標・中期計画に男女共同参画に関する項目を入れるところが増えている。また、男女共同参画推進に向けた具体的な取組指針や計画等の策定、男女共同参画推進のための組織の設置等も進んでいる。

■ 女性研究者の活躍促進 ■

女性研究者の活躍は、今後、我が国が科学技術の分野において国際競争力を維持・強化する上でも、また、多様な視点・発想を取り入れた研究活動を活性化させる上でも重要である。

女性研究者については、我が国の研究者に占める女性の割合は、平成21年で13.0%と欧米諸国に比べ著しく低い割合にある。

このような背景の下、平成18年3月に閣議決定された「第3期科学技術基本計画」において女性研究者の活躍促進に関する政策が明示され、女性研究者の採用については、自然科学系全体として25%の数値目標が掲げられた。

平成22年度予算においては、文部科学省では女性研究者支援等として、以下の施策を講じている。

(1)特別研究員事業―RPD(リスタート・ポストドクター)

優れた研究者が、出産・子育てによる離職・研究中断後に、研究職への復帰がしやすいよう生活費相当額の「研究奨励金」及び研究費(科学研究費補助金)を給付する。

【平成18年度開始、120人(平成22年度)】

(2)女性研究者支援モデル育成(科学技術振興調整費)

大学や公的研究機関を対象として、研究環境の整備や意識改革など、女性研究者が研究と出産・育児等の両立や、その能力を十分に発揮しつつ研究活動を行える仕組み等を構築するモデルとなる優れた取組を支援する。

【平成18年度開始、55大学等が実施(平成18~22年度)】

(3)女性研究者養成システム改革加速(科学技術振興調整費)

特に女性研究者の採用割合等が低い分野である、理学系・工学系・農学系の研究を行う優れた女性研究者の養成を加速する取組を支援する。

【平成21年度開始、12大学が実施(平成21~22年度)】

(4)女子中高生の理系進路選択支援(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)

児童生徒の科学技術に関する興味・関心を高めるための取組支援の一環として、科学技術分野で活躍する女性研究者・技術者、大学生等と女子中高生の交流機会の提供を行うなど、女子中高生の理系進路選択支援を行う。

【平成18年度開始、平成21年度より(独)科学技術振興機構に移管】

  • 図3 女性研究者数及び比率の推移

    図3 女性研究者数及び比率の推移
  • 図4 各国における女性研究者の割合

    図4 各国における女性研究者の割合

取組事例(1) 北海道大学の男女共同参画に向けた女性教員増員に関する取組状況
人件費負担軽減をインセンティブとした大学女性教員採用促進のためのポジティブアクション

第3期科学技術基本計画の中に女性研究者活躍促進が「自然科学系全体で女性の採用 比率を25%にする」という数値目標付きで明記されたのを受け、平成18年から文部科学省科学技術振興調整費事業「女性研究者支援システム改革」が開始された。まず女性研究者活躍のための環境整備に重点を置く「女性研究者支援モデル育成」プログラムとして始まり、昨年度までに全国45機関で実施されてきている。この間、旧7帝大総長が揃って「男女共同参画に係る共同宣言文」を発表、「公正な評価に基づく女性研究者の積極的登用等を含めた施策に英知を絞り、その実施に向けて真摯に努力する」と明言している。平成21年度からは、モデル育成事業で整備された環境・意識改革を前提に、女性比率の際立って低い理学・工学・農学系分野における女性研究者定着に的を絞った「女性研究者養成システム改革加速」プログラムが5大学で始まった。

北海道大学では、平成18~20年度女性研究者支援モデル育成、21年度からは女性研究者養成システム改革加速を推進している。モデル育成と並行して平成18年度より実施してきた独自の女性教員採用促進策「ポジティブアクション北大方式」により女性教員増員に努めてきた。法人化後、教員人件費管理方式が従来の公務員型総定員管理から人件費総額管理に移行し、教員人件費が各部局管理分と、全学で戦略的に運用する全学運用分とに分けられたことに乗じて、女性教員を採用した部局に全学運用分から人件費を追加付与することで各部局に女性採用へのインセンティブを与え、無理のない女性教員採用促進を図った。この結果、3年間で46人の女性正規教員が採用され、北大の女性教員比率は7.0%から8.6%に上昇したが、人文・社会科学系の増員が目立ち、理工系の女性教員は期待通りには増えず、理工系へのインセンティブ強化を考えていたところ、ポジティブアクション北大方式に倣ったシステム改革加速プログラムが登場し、理・工・農学系で女性正規教員を新規採用すると振興調整費から300万円×3年間を人件費に充当できることになった。北大ではさらに全学運用経費を上乗せし、理・工・農学系部局が女性教員を積極的に採用できるように、また採用される女性教員には任期付き助教職でも最短8年間は北大に在籍でき、出産・育児等を経ても学内外でのステップアップを目指せるような計画を立てた。年間5名、5年間で25名の女性正規教員を採用予定で、昨年度5名、今年度2名のフレッシュで優秀な女性教員が既に着任しているが、かなり大幅な人件費負担軽減であるわりに部局は採用に慎重で、大学全体の人件費削減が厳しく進行する中での女性増員の難しさが浮き彫りになっている。

手っ取り早く女性を増やすには人件費/定員の中に「女性枠」を設定すればよいが、限られた教員ポストは男女を問わず優秀な研究者にオープンであるべきと考える。女性採用へのインセンティブも数年間の人件費軽減では後年度負担が気がかりでなかなか手が挙げられない状況では、確実な増員を「加速」するための女性枠設定も一定期間必要かもしれない。しかし、性急な数値目標達成に照準を合わせるのではなく、大学が科学技術の発展に貢献できるよりよい研究教育機関であろうとすることと整合性を持った女性教員の増員でなくては意味がない。多様性を担う人材として活躍が望まれる女性の採用促進のためのポジティブアクションを、いつまで、どこまで行うのか。本質的には、男女両者の意識改革、女性が継続的に活躍でき女性を安心して採用できる環境の整備、公募への女性応募者の増加、そして男女を問わず論文数等の機械的な研究業績比較ではなく教育指導能力を含めた大学教員としての総合的資質を見る選考に充分な時間・手間をかけることが、女性教員増員のポイントだと考えられる。研究だけでなく教育まで短期的成果・評価を求められる昨今、人事に費やす教員の時間・労力の確保も、当然であるのに難しい現状が大きな障害であるかもしれない。

【北海道大学】

http://www.hokudai.ac.jp/

取組事例(2) 東京学芸大学の取組―女性学長の誕生と男女共同参画の推進―

東京学芸大学では、平成17年10月、男女共同参画推進プロジェクトを発足させ、男女共同参画事業のための行動計画案を策定した上で、平成18年4月、役員会のもとに男女共同参画推進本部を設置した。プロジェクトの長であった村松泰子は平成22年4月から本学の学長となり、大学全体の運営の舵取りをしている。創基137年創立60年の本学の歴史の中で初めての女性学長であるとともに、男女共同参画の推進役の一角を担ってきた氏が学長となったことは、「男女共同参画」推進の象徴として注目を集めている。

こうして設置された男女共同参画推進本部(以下、推進本部)は、「人事、教育、研究その他すべての面での大学の男女共同参画を推進する」ことを目的に、基本方針として、(1)男女共同参画実現への率先した取組、(2)ジェンダーの視点を踏まえた教育・研究を推進、(3)大学運営の全ての領域での男女の均等な機会の保障、(4)子育てを含む生活と仕事や修学との両立を挙げ、以下のような取組を実施してきた。

まず、最も大きな成果として特筆すべきは、保育園の設置である。推進本部では、平成18~19年にかけて、保育所に対する学内のニーズや教職員の認識を調査したほか、他大学の保育園10施設を訪問し、その運営状況や設立経緯を視察した。そのうえで、保育園の運営は委託が中心であったため、委託による保育の可能性と財務関係を整理し、平成20年3月、保育所設置に関する具体的な企画案を役員会に提出した。役員会での決定には1年を要したが、平成21年4月、ついに保育園を設置する方針を確認し、保育所設置準備委員会が設けられた。同委員会では、保育園の建設場所の検討、設計の検討、委託業者の検討などを行い、平成22年4月1日、「学芸の森保育園」が開園した。建物の完成が遅れたため、当初は教職員の福利厚生施設を間借りしての開園となったが、4月1日現在、教職員のお子さん4名、学生のお子さん4名、地域のお子さん4名を迎えて保育が開始されている。

この他、推進本部では、次世代育成支援として、子育てに関する相談窓口の開設、子育て期にある大学教員の夜間授業の免除、トイレの改修や危険個所の改善などを提言・実施している。

また、教育研究における取組としては、第1に、OPGE(Office of Promoting Gender Equality at Tokyo Gakugei University)助成金制度を2007年度に創設した。これは、男女共同参画に関連した教育・研究をサポートするため、毎年総額80万円程度、助成件数2~3件に助成するもので、小学校の授業のあり方や教師のジェンダー認識に関わる研究など、本学ならではの研究が行われている。また、学内のトイレの改修や危険個所の改善など、上記した具体策に反映された研究報告もある。

教育研究の取組の第2に、大学で開講される授業についてである。推進本部では、男女共同参画やジェンダーに関する授業の実施状況を調査し、「ジェンダー」「性差別」「性役割」「性教育」「人権教育」などのキーワードを付与して、学生が検索できるシステムを考案した。また、推進本部を中心に、新たな授業も開講している。

雇用面における取組としては、主に、附属学校園を含む教職員の女性比率調査や意識調査を実施してきた。そして、教員公募に際して、男女共同参画の趣旨を踏まえる旨、応募要領に明記するようにした。また、応募者の女性比率が確認できるよう、システムの改善を実現した。雇用面での取組は、総じて穏健なものにとどまるが、新学長に女性を迎えた今期は、女性比率の向上に弾みをつけて行きたい。

この他、広報活動として、『OPGE通信』を季刊で発行し、他大学の保育園や女性研究者支援の状況、子育てや結婚に関する制度紹介、インタビュー記事などを掲載している。また、フォーラムを年2回のペースで開催しているほか、2年ごとに活動報告及び本学の現状を、『白書』としてまとめている。

  • 学芸の森保育園開所記念式典
    学芸の森保育園開所記念式典
  • 学芸の森保育園施設見学(ランチルーム)
    学芸の森保育園施設見学(ランチルーム)
  • 学芸の森保育園0・1歳児保育室内
    学芸の森保育園0・1歳児保育室内

【東京学芸大学】

http://www.u-gakugei.ac.jp/

取組事例(3) 日本大学の男女共同参画と女性研究者支援への取組

日本大学は、大学院22研究科、14学部、短期大学部、通信教育部などを擁し、学部・大学院学生数約8万名、付属高等学校25校・中学校15校その他を合わせると約9万8千名が在籍する、わが国では最大規模の私立総合大学である。これまでに約100万名余の卒業生を輩出し、社長の数が多いなど産業界への貢献度も大きい。

日本大学は、男の大学のイメージが強いが、実は大正9年より女子学生に門戸を開いている。これは、旧帝大などよりずっと早い時期で、多くの女子志願者があり、数十名が入学したと推測されている。現在では、学部学生の30%、大学院学生の25%は女子である。一方、専任教員女性比率は、女子学生の比率に比べてまだ低い状況にある。

本学は、国の施策や国内外の動向に従い、少しずつ男女共同参画体制整備を進めて来た。平成17年には、「子育て,就業に関する教職員アンケート」を行い、この結果を元に、「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画策定届を提出した。また、財団法人21世紀職業財団の「女性の活躍推進状況診断」を受けた。その後、ベビーシッター育児支援割引券交付制度や、育児休業取得中の通信教育講座終了受講者に対する受講料全額交付制度等を開始し、現在も継続している。一方、平成19年、本部研究委員会内に「男女研究者共同参画専門部会」を設置し、平成20年2月には、第一回日本大学男女研究者共同参画シンポジウムを開催した。また、同窓会組織である校友会にも、女性部門であるレディス桜門会が発足した。

平成20年度より、文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」(課題名:キャリアウェイ・ユニバーサル化日大モデル)に採択され、全学をあげての本格的な取り組みが始まった。およそ100名の教職員よりなる女性研究者支援推進ユニット内に、推進コアおよび6つのプロジェクトチーム(意識改革推進・IT支援推進・相談体制整備・キャリアウェイ整備・キャリアUP支援・WLB推進)が発足し、活動を開始した。推進コアは専任教員のコア長と職員、振興調整費で雇用した特任メンバーから成り、各チームと連携しながら、事業全体の総括と企画・推進、および事務的な作業を行っている。各チーム長は各学部の専任教員であるが、積極的に事業に参加し、プロジェクトの中核を担っている。ここが、本学事業の特徴のひとつであり、専任教職員と特任メンバーがチームワークよくアクティブに活動し、多くの企画を実施している。このネットワークは、事業終了後の活動継続に、大いに役立つと考えられる。

二番目の特徴は、本学は規模の大きな大学で学部の自立性が高いため、平成20年度は理工・生物資源・医をモデル学部とし、21年度には生産工・薬・歯をサブモデル学部へと拡充していったことである。学部毎に、意識改革講演会等を実施している。各学部にも男女共同参画委員会等が設置されたので、事業終了後の活動の中心として期待が持てる。

三番目の特徴は、多くの付属中・高等学校をもつ大学として、モデル校である豊山女子を初めとして、次世代育成キャリアウェイ整備に力を入れていることである。理工系の女子学生をふやすことはもちろん、将来設計を含めたキャリア教育を行い、OGや女性教員のロールモデル集を作成するなど、将来的に女性がキャリアを継続していくことができるように、教育と環境整備を行っている。

これらの活動の結果、平成22年度新規採用専任教員女性比率は、理工学部40.0% 生物資源科学部38.9%となり、申請時の数値目標各々20%および30%よりも高い結果を示した。また全学女性教員比率も、平成18年度以前の10%から増加し、平成21年には15%(理系13.7%)に達した。女性研究者の人数としては、過去4年間で158名増加している。

日本大学の取り組みを全国の私立大学に拡げ、男女共同参画および女性研究者支援のユニバーサル化を実現したいと考えている。

【日本大学】

http://www.nihon-u.ac.jp/

取組事例(4) 東海大学の男女共同参画とワーク・ライフ・バランス推進のための取組

■ 取組のスタート ■

東海大学がワーク・ライフ・バランス推進に向けて準備を始めたのは2005年8月であった。この月に学長室内で男女共同参画に向けた検討を開始した。その後2007年4月にワーク・ライフ・バランス準備会を発足、2008年2月には学長室ワーク・ライフ・バランス推進室を発足させている。

2008年7月には、文部科学省による「女性研究者支援モデル育成」プログラムに採択され、3カ年計画で「産学協働女性キャリア支援東海大学モデル」を推進している。

東海大学は創設時より「科学技術教育の推進による平和国家の建設」の理念にもとづき、産業界で活きるイノベーション人材の育成に力を注いできた総合大学であるが、2008年度時点で理工系の女性教員の比率は5%弱であった。本事業を実施することで、女性教員の働きやすさを整備し、増員を図り、日本の科学技術人材のさらなる確保につなげていこうと日々取り組んでいるところである。

■ 取組の5つの柱 ■

「産学協働女性キャリア支援東海大学モデル」では次の5項目を柱に体系的なサポートを行っている。

I )「女性研究者および次世代人材の産学協働型キャリアパス形成」として研究支援制度およびメンタリングシステムを確立すると同時に、産業界との人材交流を促進することで、女性研究者のキャリアパス形成を支援。

II )「ライフイベントに対応したワーク・ライフ・バランスの総合支援」として、ライフイベント支援制度の確立、出産・育児・介護等のライフイベントに対する支援体制を強化。

III)「ワーク・ライフ・バランスを考慮した勤務体制の見直し」として、在宅勤務制度やフレックス制度等の柔軟な勤務体制の導入、研究以外の業務負担軽減によりワーク・ライフ・バランスを推進。

IV )「学内の意識改革と啓発活動」として、セミナー・講演会や、幹部および教職員向け研修会による学内の意識改革と啓発活動を実施。

V )「学内外への情報発信活動」として、本計画の波及効果を意識し、各種メディアを使った学内外への情報発信活動を積極的に行う。

これらの取組は、当初湘南キャンパスをモデルとして実施し、現在は全国のキャンパスに支援体制を構築し、継続的に推進している。

■ 達成目標 ■

女性研究者の競争力の向上とともに、アカデミックおよび産業界への継続的な人材輩出を可能とするために、学長室内に設置したワーク・ライフ・バランス推進室が主導となって、本計画を確実に実施することが大事だと考えている。具体的には以下の目標を立て、それぞれ実行している。

・女性研究者の研究競争力をつけ、発表論文数、外部研究資金獲得額等を向上させることで、女性研究者のアカデミックキャリア形成および向上を支援する。

・講演会、セミナー開催等による、産業界との共同研究人材交流と導入を積極的に行う。

・女性が働きやすい職場環境を構築することで、女性研究者の増員を図る。平成22年度までに全新規雇用教員中の女性比率30%、理工系の女性研究者比率7%を達成する。さらに平成30年度までに、理工系の女性研究者比率を15%まで引き上げることを長期的な目標とする。

東海大学モデルは、女性研究者支援の取組を、日本全国に広がる約10のキャンパスで地域性を活かしつつ展開をしていくものである。この本学ならではのモデルは、地域性や支援体制の規模において他に類を見ないものであり、その波及効果は大きいと考えている。

なおモデル事業終了後も研究者、さらには職員の支援体制を長期的・継続的かつ「当たり前のもの」として、維持・発展させていく所存である。

  • 東海大学学長室ワーク・ライフ・バランス 推進室支援ルームのメンバー
    東海大学学長室ワーク・ライフ・バランス 推進室支援ルームのメンバー
  • 女性研究者のためのランチ交流会
    女性研究者のためのランチ交流会

【東海大学】

http://www.wlb.u-tokai.ac.jp/