「共同参画」2009年 12月号

「共同参画」2009年 12月号

取組事例ファイル/企業編

パナソニック電工株式会社 すべての社員がともに、多様性(個性・特長)を発揮してイキイキ活躍するために!

当社では2004年に「女性躍進推進室」を発足。2005年、社内女性6名による社長提言プロジェクトをきっかけに活動を本格化しました。そのプロジェクトからの提言内容に対し、社長はすぐにその場で意思決定。女性躍進推進室を社長直轄の組織にすることと、専任担当者を社内公募することが決まりました。社長が陣頭に立つことで、女性躍進活動の意義や内容などが社内へ急速に浸透しました。

さまざまな視点や立場が、『真・お客様主義』(経営ビジョン)をより価値あるものに

2008年4月「女性躍進活動」を進化させて「ダイバーシティ推進活動」と改称。活動領域に「外国人」「障がい者」という視点を加え、ダイバーシティ活動の3本柱として取り組んでいます。「女性の視点」「外国人の考え方」「障がい者の立場」を商品開発や事業戦略に取り入れること、そして全社員がそれらを実践することは、より質の高い『真・お客様主義』の提供につながるものと考えています。当社におけるダイバーシティ推進は単なる社会福祉ではなく“成長に向けた企業戦略”です。属性によらず、誰もが自分や相手の特長を理解し、活かしあえる会社風土を目指して活動を進めています。

具体的には、ダイバーシティ・アドバイザリー・コミッティメンバー(役員12名)を中心とした経営層とダイバーシティ推進室(13名)が全社の視点から活動推進。今年度は女性リーダー育成を目的とした「女性リーダー育成研修」「メンター制度」、外国人社員を対象とした「ビジネス日本語研修」、「手話教室の定期開催」などに注力しています。それに加え、地区ダイバーシティ推進委員会(全国29箇所、労使約300名)が設置され、各事業所の課題に応じたボトムアップ活動に取り組んでいます。

ものをつくる前に人をつくる

~経営の根幹は人にあり~

当社は「ものをつくる前に人をつくる」という創業以来の考え方の元、人材育成に非常に力を入れている会社です。キャリア開発支援はもちろんのこと、ワーク・ライフ・バランス支援の仕組みも充実しています。単体社員における男女の平均勤続年数の差は2008年度で1.9年(男性20.2年、女性18.3年)。また、育児・介護の休業制度は毎年約200名の社員が利用しており、女性社員の半数以上が出産・育児経験者。男性社員が配偶者出産休暇(~5日)を取得する習慣も定着してきており、男女ともに働き続けやすい会社と言えるのではないでしょうか。

おかげさまで近年では社外の方から高い評価をいただくこともありますが、課長以上の管理職における女性比率が1%台など、取組むべき課題は数多く残されています。いただいた評価に恥じないよう、今後もダイバーシティ推進活動を積極的に展開して参ります。

(ダイバーシティ推進室)

社内開催のダイバーシティフォーラムにて 社内開催のダイバーシティフォーラムにて

社内開催のダイバーシティフォーラムにて 「ダイバーシティブックレット」を全社員へ配布

会社概要/パナソニック電工株式会社(Panasonic Electric Works Co., Ltd.)

●創業:1918年3月(大正7年)●設立:1935年12月(昭和10年)●本社所在地:大阪府門真市大字門真1048番地●資本金:1,485億円●従業員数:連結56,848名、単体12,240名●事業概要:住宅設備から電子部品まで扱う「生活快適空間」創造メーカー●HP:http://panasonic-denko.co.jp/