「共同参画」2009年 11月号

「共同参画」2009年 11月号

行政施策トピックス1

女性に対する暴力に
関する国際会議
内閣府男女共同参画局推進課

9月9日・10日に、ローマで「女性に対する暴力に関する国際会議」が開催されました。この会議は、本年のG8の議長国であるイタリアが開催するテーマ別会合の1つです。イタリアの機会均等大臣が主催し、G8参加国のほか、ヨーロッパ、アフリカ、中東などからの大勢の参加者も含め、200名程度の会議となりました。

1)出席者

G8参加国では、主催国イタリアからは冒頭大統領、外務大臣からご挨拶があったほか、機会均等担当大臣が、閣僚級ではイギリスから女性・平等担当副大臣、カナダから前法務大臣兼司法長官が出席しました。日本からは、男女共同参画担当大臣の代理で外務省の上田人権人道担当大使が出席しました。

またG8参加国以外からも、例えばスペインから平等担当大臣や、アフリカ諸国からも関係大臣が十数名参加しました。

2)議題

2日間にわたって、8つの議題を議論しました。各議題ごとに、あらかじめ決められていた5~6名の発言者が現状や課題等を話し、司会がそれを総括するというスタイルで、各議題それぞれ約1時間半程度議論されました。

各議題の発言者は、閣僚等の政府関係者のほか、国会議員、ジャーナリスト、研究者、裁判官、民間支援団体の方々など多岐にわたっていました。

議題(仮訳)

第1セッション 証言者たち

1 ドメスティック・バイオレンス

2 レイプ、暴力、嫌がらせ及びストーカー行為

3 教育へのアクセス

第2セッション 挑戦に立ち向かう

1 多文化家族:誰が結果を引き受けるのか

2 統合を支える柱

3 国際機関と国際法の役割

第3セッション 将来への投資

1 女児:奪われる児童期

2 女性性器切除(FGM)

3) ハイレベル円卓会合

上記2)の各議題の後、ハイレベル円卓会合が行われました。

アフリカ諸国からは、G8で初めて暴力問題を取り上げたことに対する評価や、各国における深刻な現状や取組の紹介がなされたほか、日本からは、女性に対する暴力に関する国連「人間の安全保障基金」を通じた支援の概要などを紹介しました。1時間半程度の意見交換の後、とりまとめ文書案が配布されました。

4) とりまとめ文書(議長国の責任によるとりまとめ)

 とりまとめ文書の内容について、議長国イタリアが概要を説明して会議は終了しました。とりまとめ文書(仮訳)の概要は次のとおりです。

・女性に対するいかなる暴力も、基本的人権の侵害であり、加害行為は犯罪。

・平和のためにもさまざまな場面での女性の活躍が必要。そのためには男性の役割も不可欠。

・女性のエンパワーメントは、発展や社会の安定のために不可欠。

それぞれの政府が、人権や男女間の平等を保護するために、政治的・法制的事項や教育において女性や女児の権利の保護推進を盛り込んでいくべき。