「共同参画」2009年 7月号

「共同参画」2009年 7月号

取組事例ファイル/企業編

オムロン株式会社

個人の尊重”を目指して

当社では、経営指針の一つとして“個人の尊重”を掲げ、個人の成長、さらには企業の永続的発展へ向け、多様な人財が、国籍や性別、年齢などに関わりなく、それぞれの個性や能力を発揮して活躍する姿を目指しています。

この考え方のもと、就労人口減少への対応や男女共同参画社会の実現など企業を取り巻く環境の変化も踏まえ、女性の活躍促進や男性・女性双方の働き方の変革を課題とし、女性リーダ研修の実施や、育児休職制度や育児短時間勤務制度の法定を超える内容への充実や取得条件の柔軟化、不妊治療休職制度の導入など、育成面や環境面での整備を図ってきました。

企業内保育所を開設し、仕事と育児の両立を支援

仕事と育児の二者択一を迫られることなく、「安心して働き続けられる環境整備」として、2006年4月、当社初の企業内保育所を研究所近隣に開設し、翌年には京都本社横に2つ目の保育所を開設しました。現在、両保育所あわせて毎日約20名の利用があり、利用する従業員からは、「働く妻もスムーズに仕事に復帰できました」「先生が親身になって育児へのアドバイスをくださるので安心して預けられます」などの声が届いています。

キャリア・リエントリー制度

また、「能力ある従業員の確保・活用」という企業側の想いと、「中長期的な視点で仕事と家庭を両立させるキャリア設計」という従業員ニーズへの対応に向け、「キャリア・リエントリー制度」の運用を2007年度から開始しました。この制度は、様々なライフイベントにより、働き続けることがかなわず退職した元社員に対し、当社で正社員としてのキャリア再開を可能とするもので、これまでの「働き続けられる環境整備」から一歩進めた制度となっています。

環境整備から職場風土や社員の意識変革へ

これらにより、2008年12月には“くるみん”マークを取得することができました。一方、女性自身の意識啓発や、女性が活躍できる職場風土醸成など、依然残る課題に対応すべく、2008年10月に社内各部署の女性社員を集め、「シャイン☆いきいき推進PJ」を設置しました。このPJでは、社内アンケートによる現状分析や課題抽出に基づき、女性自身、会社、職場(マネジメント)の3つの視点で今後取り組むべき打ち手の方向性を検討しました。さらに、女性同士のネットワーク作りや女性が早期にキャリアプランを描ける仕組み作り、女性の育成・活用に対するマネージャ層の意識向上への働きかけなどに着手しています。

今後も、社会課題への対応、従業員ニーズの充足の両面から、女性の活躍機会拡大、ワーク・ライフ・バランスの浸透・実現に取り組んでいきます。

(人財センタ勤労部)

 当社では、経営指針の一つとして“個人の尊重”を掲げ、個人の成長、さらには企業の永続的発展へ向け、多様な人財が、国籍や性別、年齢などに関わりなく、それぞれの個性や能力を発揮して活躍する姿を目指しています。

会社概要 オムロン株式会社 本社所在地:京都府京都市 創業:1933年

従業員数(2009年5月末現在):5,783名(内訳:男性4,651名・女性1,132名)