「共同参画」2009年 4月号

「共同参画」2009年 4月号

行政施策トピックス 3

諸外国の政治分野に関する ポジティブ・アクション事例 内閣府男女共同参画局推進課

内閣府では、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大に関する今後の取組に資することを目的として、平成19年度に引き続き、「諸外国における政策・方針決定過程への女性の参画に関する調査」を行いました。

今年度調査の対象国は、オランダ、ノルウェー、シンガポール、アメリカ合衆国です。

今回は、本調査より、政治分野におけるポジティブ・アクションについて紹介します。

オランダ

オランダの下院女性議員比率は1971年の4%から2006年11月選挙後には39.3%へと飛躍的に上昇しました。

オランダでは、主要政党における政党規約にもとづくジッパー制(選挙の際の比例代表制名簿に男女を交互に掲載する方式)の採用や、各政党が議員となる候補者を勧誘するスカウト制の下、積極的な女性の勧誘などが実施されています。

また、現連立政権下で主要政党である労働党は、党員が議院内閣制で大臣に就任する際にも、厳格なクォータ制を採っており、女性政治家の党内の役職などへの積極登用が女性有権者の支持につながっています。

ノルウェー

1974年に自由党が初めて党組織における自主的なクォータ制を導入し、1975年に左派社会党が候補者リストのクォータ制を導入して以降、女性の政治参画を促進推進してきました。現在は、保守党と進歩党以外のすべての党が何らかの形でクォータ制を取り入れているほか、自由党および左派社会党では、候補者リストのジッパー制も取り入れています。

シンガポール

女性の政治参画を促進するための特別の法制度をもっていませんが、女性議員比率はこの10年間で急速に伸び、2008年には23名(24.5%)となりました。

その背景には、グループ選挙区制度という最大得票政党が選挙区の議席を全て独占する仕組みの下で、与党が女性候補者を立てていることや、大統領任命議員の存在(9名中5名が女性)があります。

アメリカ合衆国

アメリカの選挙制度は、両院ともに小選挙区制であるため、比例選挙制のようなジッパー制度は存在しません。

これにかわってアメリカで重要な役割を果たしているのは、選挙において女性候補者支援を目的とする、いわゆる“女性政治活動委員会(Women's PAC)”です。中でも「エミリーズ・リスト(EMILY's List)」や「ウィッシュ・リスト(WISH List)」、「全国女性政治コーカス(National Women's Political Caucus)」などが有名です。

これらは、資金援助のみならず、若い女性を対象としたリーダーシップ研修なども行っています。

なお、政治分野以外の調査結果等その他詳細については、以下のホームページをご参照ください。

http://www.gender.go.jp/resarch/kenkyu/sekkyoku/h20shogaikoku.html