「共同参画」2008年 9月号
行政施策トピックス/国の施策紹介 TOPICS Part1
企業が仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に取り組むメリットについて(上) 内閣府男女共同参画局調査課
「企業が仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に取り組むメリット」の内容について、今月号と次号の2回に分けて紹介いたします。今回は、両立支援や柔軟な働き方の促進に取り組んだ場合について、また、女性従業員が出産した際に退職する場合と継続就業する場合のコストの比較について取り上げます。
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現には、働く場としての企業の理解や取組の促進が欠かせません。このため、男女共同参画会議仕事と生活の調和専門調査会では、仕事と生活の調和に向けた企業の取組を一層推進し、従業員のモチベーションや企業の活力向上につなげるべく、17社の企業インタビューで得られた企業の取組情報や定量的なコスト情報等を整理し、「企業が仕事と生活の調和に取り組むメリット」として本年4月に公表しました。
具体的には、「両立支援や柔軟な働き方の促進」、「業務の効率化や長時間労働の是正」、「従業員の心身の健康保持」の3つ観点から整理しています。今月号では「両立支援や柔軟な働き方の促進」を取り上げます。
「両立支援や柔軟な働き方の促進」の観点からは、従業員のニーズに応えたきめ細かな短時間制度を設けたことにより、子どもを持つ女性従業員の定着率が向上したといった意見もありました。その他にも次のような多様なメリットがもたらされてます。
次に、女性従業員が出産した際に退職をする場合と継続就業する場合のコストをみます。従業員が出産を機に退職し人員を補充すると、中途採用者の採用・研修経費等がかかるため(ケースA)、同じ従業員が就業を継続し、育児休業を取得・短時間勤務を行う方(ケースB)が、企業にとってコストがかかりません。それに加え、それまで培われた従業員の知識や経験の損失を防ぐことができます。