「共同参画」2008年 4・5月号

「共同参画」2008年 4・5月号

取組事例ファイル/その1 企業編

日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 東京都

取組事例ファイルでは、企業、自治体、地域の取組の好事例を紹介していきます。

取組の背景

同社は、品質・信頼性・納期確保が求められ、様々な顧客先での仕事が多いという特徴のある業務の中、2003~2004年にかけて、トラブルプロジェクトの多発、長時間残業者の増加、経営業績の不振、退職者の増加といった問題を抱えていました。このような状況を打破すべく抜本的な改革が必要との考えのもと、全社改革運動の5つの活動(図表1)の1つである「活気ある職場づくり」を推進するにはワーク・ライフ・バランスの実現に向けての取組は必須事項とされました。

そして、ワーク・ライフ・バランスを実現するために、社内でワーキンググループを立ち上げ、制度、労働時間、健康管理、コミュニケーション、地域貢献に関する5本の柱を掲げました(図表2)。

図表1、図表2

取組事例

主な事例を紹介しますと、まず、労働時間については、トラブルプロジェクトと長時間残業の相関が高いことから、残業削減に取り組み、「21時ルール」(図表3)を導入し、全社内に広めました。また、部下が長時間労働とならないように管理できたかを管理職の評価要素としました。

これらの取組の成果として、ルール導入から3年間で、月平均残業時間と月平均100時間以上残業者数を削減することができました(図表4)。

また、健康管理では、糖尿病・高血圧等の予防のため、健康診断の数値を基準に「残業禁止」、「就業禁止」等の就業制限措置を導入するほか、メンタル対策、産業医講話の階層別実施などを行っています。

5本の柱の他の取組にも尽力した結果、全体の退職者の減少や女性総合職採用数が倍増するなどの効果も表れています。

図表3、図表4

第1回ワーク・ライフ・バランス大賞「組織内活動」表彰受賞

上記の5本の柱の取組や、ワーキング・グループの立ち上げなどが評価され、同社は、2007年11月に、財団法人社会経済生産性本部の「第1回ワーク・ライフ・バランス大賞『組織内活動』表彰」を受賞しました。

日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社
東京都品川区 従業員約5,000人