「共同参画」2008年 4・5月号

「共同参画」2008年 4・5月号

特集/仕事と生活の調和の推進 Part1

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)とは  内閣府男女共同参画局調査課

なぜ、今、仕事と生活の調和が必要か

人々の希望は、今、多様化しています。例えば、子育てしながら仕事をしたい、キャリアアップのために勉強しながら仕事をしたい、親を介護しながら仕事をしたい、ボランティアや趣味ができる時間を確保しながら仕事をしたいなど、人生のあらゆる段階や、各々の事情や活動領域によって様々です。

最近の世論調査等によると、夫は外で働き妻は家庭を守るべきであるという考え方に過半数の人が反対しており、また、男性においても、仕事と家事やプライベートを両立したいと希望している人が多い状況になっています。

しかし、現実には、男性にあっては、仕事優先となり、家事・育児、地域活動など仕事以外の活動に思うように関わることができず、女性にあっては、家庭責任が重く、特に育児期において働きたくとも働いていない方が多い状況です。さらに、長時間労働が健康や生活に悪影響を及ぼします。

こうした問題を解消し、老若男女あらゆる人々が、人生の各段階において様々な活動を自分の希望するバランスで実現でき、「仕事の充実」と「仕事以外の生活の充実」の好循環を生む社会の実現が必要となっています。

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の考え方

仕事と生活の調和は社会・企業にとっても不可欠

仕事と生活の両方を大事にすることは、社会や企業にとっても重要です。社会にとっては、多様な人材の能力発揮、生産性の高い効率的な働き方への転換、子育てしやすい環境づくり、働く人の地域活動への参画という観点から、また、企業にとっては、社員の満足度や意欲の向上、優秀な人の獲得・定着や、多様な人々を活かして競争力を強化する観点からも不可欠です。個々の企業や組織にとって、将来の成長・発展につながる「明日への投資」となる観点から、必要不可欠なことと言えます。

仕事と生活の調和の実現に向けて

平成19年12月18日に「官民トップ会議」により「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定されました。これらにおいて、仕事と生活の調和の推進により、1.就労による経済的自立が可能な社会、2.健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、3.多様な働き方・生き方が選択できる社会を目指すこととしています。また、就業率、週60時間以上の雇用者割合、短時間勤務を選択できる事業所の割合、第1子出産前後の女性の継続就業率等に関する14の数値目標も設定しています。

このような社会を目指す取組により、男女ともに働きやすい職場環境や男性の家庭生活への参画などが実現し、男女共同参画社会につながります。

仕事と生活の調和の実現に向けて

仕事と生活の調和が実現した社会とは、

「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」です。

(出典:「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(平成19年12月 官民トップ会議決定)より)