令和5年度女性のチャレンジ賞受賞者名簿

女性のチャレンジ賞(受賞者3名、受賞団体2先) (敬称略、五十音順)

氏名 石頭 悦

現職等 株式会社幸呼来Japan 代表取締役
推薦者 岩手県
活動概要

特別支援学校の生徒が作る裂き織に出会ったことをきっかけに活動を開始。のちに独自ブランドを立ち上げ、「盛岡さんさ踊り」の浴衣やメーカーから提供を受けた余り布を材料に、裂き織の技術を使って新しい裂き織生地やポーチ・テーブルウエア等の製品を製作し、販売している。「就労継続支援事業所」の認可を受けた後は、障害のあるスタッフを追加雇用し、地域の障害者施設との連携等も行い、障害者の働く場所づくりに貢献。

(表彰歴)

  • 2022年 岩手県男女共同参画社会づくりチャレンジ表彰
  • 2022年 「新しい東北」復興・創生の星顕彰 等

氏名 杉田 映理

現職等 大阪大学大学院人間科学研究科教授
推薦者 大阪大学
活動概要

月経のある人々のウェルビーイングの向上を目指した研究および実践を継続的に実施。月経対処の支援・教育をグローバルな視点から捉えるとともに、日本国内における生理用品のトイレ内での無償提供のしくみづくりを研究・実践している。独自に開発した生理用品無償提供用ディスペンサーを各所に導入し、利用者への調査等を通じて、月経のある人々に寄り添ったアプローチを探求。加えて、月経にまつわる社会課題がジェンダー平等の課題として理解されることを目指した啓発活動を行っている。

団体名 ちちぶエフエム株式会社

代表等 代表取締役 磯田 恵美
推薦者 埼玉県
活動概要

東日本大震災をきっかけに、災害時においても地域の情報を伝えるメディアの必要性を痛感した代表が、同郷の女性2名とともに開局。毎日生放送で交通情報や防災情報などを発信する他、地域住民の番組出演やイベント会場からのリポートなどを放送。有事の際には、災害協定などに基づきいち早く正確な情報を地域住民に届けている。地域住民の同社に対する評価は非常に高く、黒字化が難しいといわれるコミュニティ放送局において開局2年目から黒字を確保している。

氏名 津賀 薫

現職等 特定非営利活動法人タンデム自転車NONちゃん倶楽部 理事長
推薦者 愛媛県
活動概要

タンデム自転車を活用して障害者の持つ隠れた可能性を引き出すとともに、新たな夢を持つきっかけを創出することを目指す団体の代表。2015年から「愛媛県障がい者しまなみサイクリング大会」を開催し、障害者とボランティアとの交流を図るとともに、障害者の社会参加及び自立促進に努めている。他県でのイベントの実施等、活動の範囲も広げており、今後もタンデム自転車の普及や障害者の更なる可能性の創出に寄与することが期待されている。

(表彰歴)

  • 2018年 文部科学大臣表彰〔障害者の生涯学習支援活動〕
  • 2020年 国土交通大臣表彰〔自転車活用推進功績者表彰〔団体〕〕等

団体名 NPO法人無戸籍の人を支援する会

代表等 代表理事 市川 真由美
推薦者 国際ソロプチミスト奈良
活動概要

無戸籍の人とその家族を対象とした相談対応、戸籍取得の支援、戸籍取得後の就職活動をはじめとする自立生活の支援など、無戸籍に起因した課題を抱える人に対する支援活動を行う団体。これまでに4名の就籍、11名の住民票取得1名の国籍取得を実現。代表の市川氏は自身の仕事もある中、各地の市役所・法務局・家庭裁判所などを何度も訪問するなど伴走支援を全国各地で行い、講演会活動にも取り組んでいる。近年メディア等で取り上げられ周知されつつあり、少しずつ支援の輪も広がっている。

(表彰歴)

  • 2022年 国際ソロプチミストクラブ賞受賞
  • 2022年 奈良県「あしたのなら表彰」特別賞受賞
  • 2022年 シチズン オブ・ザ・イヤー受賞

女性のチャレンジ支援賞(受賞者2名、受賞団体1先) (敬称略、五十音順)

氏名 川口 映子

現職等 産後ケア やわらかい風 代表
推薦者 鳥取県
活動概要

日本の妊産婦の主な死亡原因が自死であることを知り、産後のメンタルケアの必要性を強く感じて2016年に産後ケア施設を開設。同氏の思いに共感したスタッフや大勢のボランティアが集まり、これまで約3,600組の母子と向き合ってきた。全国初の試みである、子どもの夜泣きに悩む母親のための宿泊支援「赤ちゃん夜泣き保険 すやりんこ」や、妊娠についての悩みや不安を抱えている女性が無料・匿名で相談できる「とっとり妊娠SOS」など、独自の取組を展開。

団体名 特定非営利活動法人 こどもサポートにっこ・にこ

代表等 理事長 小畑  たるみ
推薦者 大分県
活動概要

母親が安心して働くことができるよう、子どもたちが安全に育つ場所が必要という想いから、母親たち自身が自主活動を開始。その後子育て支援の輪を地域全体へ広げるため、総合的な子育て支援を行う同団体を設立。自治体、地域社会と協働した子ども向けの体験活動、独居高齢者と子どもたちの交流事業、出産直後の家庭や地域に居場所のない家庭への訪問・支援事業などを展開している。その他、民間助成金を活用し、子どもの居場所となる常設施設を運営している。

(表彰歴)

  • 2012年 大分県女性のチャレンジ賞 受賞

氏名 野村 恭子

現職等 秋田大学大学院医学系研究科教授
推薦者 秋田大学
活動概要

自身も医師として医療に従事する傍ら、我が国の医学界における男女の就労格差について多数の研究を行い学術面で貢献した。2007年には全国私立医科大学卒業生調査をもとに、女性医師の方が男性医師よりも労働時間が短く、性別役割分業がキャリア構築に負担となっている実態を明らかにした。大学の女性医師研究者支援事業の立ち上げ、学会、医師会、医学会連合等、男女共同参画の推進と若手の人材育成に日々、尽力している。

(表彰歴)

  • 2007年 帝京大学医学部長(藤井)賞
  • 2022年 秋田大学医学部教員活動評価優秀教員表彰
  • 2023年 日本衛生学会優秀論文賞  等

女性のチャレンジ賞特別部門賞「国際的なチャレンジ」(受賞者3名) (敬称略、五十音順)

氏名 菊地 君与

現職等 九州大学 講師
推薦者 九州大学
活動概要

低・中所得国の農村部等医療人材が不足する地域においても母子が妊娠期から出産後までの継続ケアを受けられるよう、ICTを活用した可動式クリニック(PHC)による遠隔健診を実施。検査キット、トリアージ・アプリ、通信端末を搭載したもので、専門家らとの協力で開発。バングラデシュ農村地区では300組以上の母子に対し遠隔での健診とケアを提供。治療緊急性の高い母子を速やかに医師へとつなぐことで、合併症リスクの早期発見、乳児の疾病予防や栄養状態のモニタリングを可能とした。

(表彰歴)

  • 2017年 アジア太平洋公衆衛生学術連合国際会議Outstanding Oral Presentation Award受賞

氏名 黒﨑 伸子

現職等 黒﨑医院 院長
推薦者 長崎県
活動概要

2001年以降、「国境なき医師団」の人道的医療援助活動に外科医として計11回派遣され、2010~2015年には「国境なき医師団日本」会長を務めた。また、日本BPW連合会会長やBPW長崎クラブ会長を務めるなど、国際BPWと連携を図りながら、女性の社会的地位向上等を目指し精力的に活動。2002年BPW世界大会では、東アジアサブリージョナルコーディネーターに任命。2007年・2008年には国連総会日本政府代表顧問として第3委員会に出席。2010年には国連・女性の地位委員会に日本政府代表団として出席。

(表彰歴)

  • 2016年 公益社団法人日本女医会「日本女医会吉岡彌生賞」
  • 2016年 津田塾大学「津田梅子賞」

氏名 高橋 しづこ

現職等 東京大学大学院医学系研究科非常勤講師
推薦者 一般
活動概要

子供向けのコロナウィルスの説明を目的として描いた絵本『せかいがかぜをひいたから』は、医療従事者が感染した場合の偏見や差別、同僚医師の感染による死亡等の経験を受け、同氏が使命感を持って働く医療従事者の一人として執筆したものであり、日本語以外の14か国語に翻訳された。その他、2021年に「性教育の本」をピューロランド・国連と共同して作成。また、子供への遺伝教育が足りないことを問題視し、受精卵から始まる「遺伝学の絵本」をアメリカのアーティストと作成中。