仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会(第13回)議事録

  • 日時: 平成20年3月18日(火) 10:00~12:00
  • 場所: 永田町合同庁舎第1共用会議室

(出席委員)

佐藤
会長
植本
委員
岡島
委員
勝間
委員
紀陸
委員
小室
委員
武石
委員
永木
委員
羽入
委員
牧野
委員

(議事次第)

  1. 開会
  2. 「仕事と生活の調和」実現度指標について
  3. 企業が仕事と生活の調和に取り組むメリットについて
  4. その他
  5. 閉会
佐藤会長
まだ遅れていらっしゃる方もいますが、時間ですので、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会の第13回会合を始めさせていただきます。
 本日もお手元の資料に従いまして、議事を進めさせていただきます。
 それでは、まず最初の議題ですけれども、仕事と生活の調和実現度指標について事務局で最終版をつくっていただいていますので、それについて御説明いただいて御意見を伺えればと思います。それでは、説明をよろしくお願いします。
神田調査課長
それでは、お手元の資料1と資料2です。まず資料1で、でき上がりの数字を見ていただきまして、次いで資料2で作成の方法について前回御議論いただいたことを思い出していただきながら、どのようにしたいかというのを御説明したいと思います。
 まず初めに、経緯が書いてございますが、そこについては省略させていただきます。
 「2.『仕事と生活の調和』実現度指標について」は概要、個人の実現度と官民による環境の整備状況を把握するものであるというものと、目的、特徴について3つ挙げています。
 第1は、仕事と仕事以外の暮らし全般についてを把握するものであるということ。第2は、環境整備の状況についても把握しているということ、第3は、働く人のみならず、無業、高齢者を含めた幅広い人たちを対象にしているということでございます。また、最後に考え方として、個人の希望がかなうことをもって調和が図られるという考え方のもとで、希望の方向性を確認した上で進展度合いを測定するという基本的な考え方を追加しております。
 4番目に指標の体系、これは御存じですので省略をさせていただきますが、イメージのところではその一部のイメージがわかるように図表化をさせていただいています。
 「3.結果の概要」ですけれども、まず、個人の実現度指標について5分野で見ています。これは前回御説明したように、2002年を100としまして1997~2006年の10年間の推移を総体的に時系列で見ていくというものです。
 仕事・働き方について見ますと、1999年まではほぼ横ばいだったんですけれども、その後改善が明らかになって、緩やかではあるものの徐々に改善してきているということがわかります。
 また、家庭生活についても改善している傾向が見られると思います。
 一方、地域・社会活動ですが、2002年まではほぼ横ばいだったんですが、その後状況が悪化してきているという言いぶりにさせていただいています。
 学習、趣味・娯楽も2001年に掛けては改善していたんですけれども、その後はややわずかながら悪化しているということでございます。
 また、健康・休養については、2002年に掛けて悪化傾向にあったんですけれども、その後は横ばいで推移をしているという表現になっております。
 環境整備指標の方ですが、これも同様に2002年を基準年としまして10年間の推移を見ています。2002年まではおおむね横ばいで推移、その後は急速に上昇し、官民の取組による環境整備が進みつつあることを示しているというものです。
 これにつきまして、前回御議論いただいた点を幾つか後ほど算出の結果をお見せしますので、ここでは3つの社会の姿というものを3分の1ずつで合成したものが書いてございます。
 5分野の推移の内訳が(3)として書いてあります。仕事・働き方から見ていくんですけれども、これは次の5ページの図を見ていただきたいと思います。目盛りの説明がなくて不十分なんですが、1本折れ線グラフがあります。これは先ほど御説明した仕事・働き方の推移と同じものが書いてあります。これが右側の目盛りになります。先ほどの2002年を100として1997年が97.9、2006年が101というものです。それを1997年を起点としたときに、トレンドとしてこの場合は改善傾向で上がっているわけですが、それは何が原因で上がっているのかというものを3つの要因に分けて示したものです。これを見ていただきますと、横の線「柔軟に働き方を選択できるか」というところが押し上げ要因としてかなり寄与していることがおわかりいただけるかと思います。また「多様な主体が希望に応じて働けるか」、女性、高齢者が労働市場に出ているかということですが、これは2000年まではマイナスだったんですが、その後はプラスで伸びてきているということがわかります。
 また「過重な負担となったり、生活が維持できないような働き方をしていないか」、これは2002年ぐらいまでは押し上げ要因でよかったんですが、その後はほぼ横ばいでそれほど大きく改善していないということがおわかりいただけると思います。
 6ページに、それを更に小項目レベルで分けたものがございます。これは、今と同じ3つで分けたものを更に2つずつ分けていますので、全部で6層の積み上げグラフになっています。文章の方で御説明しますが、先ほどの「柔軟な働き方を選択できるか」が、かなり大きく改善してきたわけですが、これは主に待遇面での公平性が保たれているか、これが大きく改善しているということがわかります。それに加えまして、育児休業制度の利用者の増加等を反映して、個人が人生の各段階における希望に応じて、柔軟に働き方を選択できているかというのが押し上げ要因として働いているということです。
 また「多様な主体が希望に応じて働けるか」というものが上がってきているわけですけれども、これもその中で「女性や高齢者等も含めた多様な人の参画」というものが、女性の就業の増加によって押し上げられているということがわかります。上から3つ目の層が2004年ぐらいから徐々に大きくなっておりますが、女性の就業が増加しているということが反映されています。
 また、次の「女性が出産・育児に影響なく就業できているか」については、2001~2002年に掛けて押し上げ要因に転じたんですけれども、その後は一進一退で推移しており、近年改善は見られないというものです。ここはやはり子どもがいる・いないによって女性の就業が違っている、育児によって妨げられているという状況が近年余り改善していないということを反映しています。
 また「過重な負担となったり」というところは、一番下が改善傾向に見られるんですが、これはフリーター数が減少しているということがプラスに寄与しています。その一方で、通勤時間の増加などがございまして、下から2つ目の層「仕事のための拘束時間が過度に長くなっていないか」というものが押し下げ要因として働いていまして、全体では一進一退の横ばいという状況になっているということを書かせていただいています。
 次に、家庭生活について御説明したいと思います。7ページのグラフを見ていただきまして、やはりこれも先ほどと同じグラフのつくりになっています。家庭生活は改善傾向にあるわけですが、全体を押し上げているのは「家庭内での男女の家事・育児等への関わり方はどうか」というところです。これは文章にも書いてございますように、男性の家事・育児等へのかかわりが増加したこと、男性育児参加が進んでいることがプラスです。
 一方で、下になっておりますのが、やはり親子の対話が十分にとれていないという意識が押し下げているということで、マイナスに働いている部分もあります。全体では相殺されてプラスになっているという状況です。
 また、地域・社会活動につきましては悪化してきているわけです。これは、文章にも書いていますように、ボランティア活動についてはほとんど変化は見られないんですけれども、交際・付き合いなどが希薄になっていることを反映して、2つともマイナスの要因できいているということです。特に、交際・付き合いに費やす時間がすべての世代において低下していることが大きく寄与しています。ここについては、前回も御議論いただきましたので、今日は後ほど別のデータもお見せしたいと思います。
 4つ目の学習、趣味・娯楽ですけれども、これも2001年までは改善傾向にありましたが、その後緩やかに悪化です。これも無業者で学習・研究を行う人が減少しているということです。無業者といっても高齢者に限らず、すべての世代で減少しているということです。無業者ですので、この辺をどう考えるかというのが一つ難しいところではあります。
 また、最後の健康・休養も、押し下げ要因でマイナスできいてきまして、このところは横ばいです。これも「休養のための時間はあるか」というのはプラスにきいているんですが、それが「仕事を通じて心身の健康を害することはないか」ということで、労災などの件数も増えているということを反映しまして、マイナスできいているということで、全体では近年横ばいになっているというような推移でございます。
 基本的に概要としては、今の時系列のグラフとその中身を要因分解したものということで考えたいと思います。
 また、参考資料としては、行動指針で盛り込まれました全体の詳細版とそれぞれの指標の指数、ここまでをつけて公表してはどうかと思っています。
 あと、環境整備指標については3つありますが、これは資料上のもので後ほど前回の議論を踏まえて御説明したいと思います。
 資料2で、作成方法について御報告したいと思います。
 「1.作業の流れ」は、前回御説明したものと変わっていません。前回の議論を踏まえてこうしたいというところには下線を引いておりますので、そこを見ていただければと思います。
 まず、一つ欠損値の処理という問題がありました。つまり、2時点間のデータはあるけれども、その間の年のデータがない場合、このグラフで言いますと一番下ですが、黒いところのデータはあるけれども、間の4年ないし3年間がないという場合。これは、単純に実数の場合は幾何平均にして同じ伸び率で結ぶようにしたいと思います。前回、移動平均等幾つかテクニカルな推計をしようという話もありましたが、やはりどうしても説明が難しくなってしまいますので、ここはシンプルな方がいいということではないかと思いまして、今回改めて単純にやる方法を御提案させていただいています。
 また、指標がそろわない場合、全期間の数値がそろわない場合は特に御議論にはなっていませんけれども、そういう場合どうなるかというのを御説明したいと思います。
 例えば、上の方のグラフ、2002年より後のデータしかない場合、特に70~75というのが一つの例としてあるわけですが、それを2004年から急につながなければいけないという場合は、2004年のほかの指標の水準に合わせて、そこから伸び率だけを使って接続していくと。2004年以降はその数字を足していくと。影響としては2005年以降の合成指標に出てくるということでございます。その逆は同じです。
 また、最近時点の数値の欠損値がある場合、直近の数値がないというものです。これはどうするかといいますと、ここはあえて過去の単純平均で伸ばしたりするようなことはせずに、ここで切ってしまうと。そうすると、どうするかということですが、黒いところがそれまでの上と下の折れ線グラフの合成指標、50%に達したときの指標だったんですが、その後はある指標で、ある一つの項目の指標がなくても、その上の上位概念の数値で全体を平行移動してつなげると。要するに何をしているかというと、その数値のないものもあえてどう仮定をしているかと言われれば、上位の指数の伸びを想定して、同じで伸びていると。関連性の強いもので伸ばしているという扱いにしたいと思います。そうすることによって、直近のものについては補外を行わない。また、出てくれば、それはその時点で最新のものを入れていくという。景気動向指数がこういうつくり方をして、あえて市場に対する変なメッセージを送らないということで、あるものだけでつくっておりますけれども、それと同じ考え方にさせていただきたいと思います。
 最後の総合化は御議論をいただきました。何かというと、環境整備指標について先ほどの資料1の後ろで見ていただくとわかるように、指標が項目によって随分ばらつきがございますので、全部の構成要素を単純に足し上げていいのかというものでございました。
 資料2の6ページを見ていただきたいと思います。一つこうさせていただければという御提案は、環境整備指標の中が3つの社会に大きく分けられるということで、3つの社会を3分の1ずつにして、その中の項目で1つあるものはそれ全部を使うし、2つあるものは2分の1。更に、その項目の中に含まれる構成要素は単純に平均するというものです。
 それでつくりましたのが7ページの一番上になります。真ん中は、一番右側に5つの項目がありますが、これを2分の1ずつにしたもの。3つの社会というものは無視して、項目を重視したもの。これは前回出させていただいたものです。一番下にありますのは、項目を関係なく単純に合計したものです。
 なぜこのような差が出るかといいますと、特に一番下と上の差が大きいわけですが、やはり就労による経済的自立あるいは健康で豊かな生活のための時間、この構成要素の数が少ないものですから、これを3分の1ずつにすると、そこのウエートが大きくなります。一番上の経済的自立については、例えば、公共職業安定所で休職者がどれだけ就業できたか、かなり景気の影響を受ける部分ですので、そこが大きくなるということで、2002年までの雇用情勢を反映しまして、そこがマイナスにきいていますのでマイナスないし横ばいの部分が増える。
 一番下は、そういうものもある一指標としてカウントされますので、どうしても保育ですとか企業の取組のウエートが高くなりますので、トレンドとしてこうなるということです。
 指標作成の価値観という意味では、3つの社会がどうなるかというのが行動指針検証という意味では一つの思想としてございますので、ここは御提案ですけれども、一番上の3つの社会を3分の1ずつにして、その中を更に分けるという方式でどうかということでございます。
 一番上と真ん中の差、特に2001年、2002年で差が出ていますけれども、これも先ほど申しました職安の就業率の差がちょっと大きく出ているものと、そうでないものとの差です。
 資料3は賃金格差のところで、指標の中では主に2つの大きな賃金格差を入れています。正社員と非正規の問題。また、正社員の中の男女の差です。これにつきましても、正社員の賃金、非正社員の賃金は産業が違ったり、どういう産業に正社員が多いか、あるいは勤続年数が違ったり、学歴が違ったり、業種が違ったりいろいろございます。そういういろいろな属性をコントロールして、正社員とそれ以外、その効果だけを取り出したもの。また、男女についてもいろいろな属性を調整して、ジェンダーだけの違いを取り出したものを推計して使っていますので、それを参考として御用意しました。
 ここで推計式を書いてありますが、2ページ以降のパラメーターが拡大しているか縮小しているかということで指数をつくりました。これは2005年と2006年しかデータがとれませんので、今回は余り大きな影響は受けませんので、今回この属性を調整するという方法で書いていきたいと思います。これは行動指針を策定するときに、各方面の方々と調整させていただくことになっていますので、当面この方式を使って毎年更新させていただきますので、その都度調整をさせていただきたいと思います。
 資料4は、前回、交際・付き合いが本当に減っているのかという話がございまして、別のものでフォローをさせていただいたものです。これは国民生活白書からとったものですけれども、「近隣関係は希薄になっている」というタイトルになっています。ほぼ5年ごとにアンケート調査を基につくっているものです。2000年と2007年は同じ調査ですので比較できますけれども、「よく行き来している」と「ある程度行き来している」というものがトレンドとしては減っていると。2時点間だけですが減少していることがおわかりいただけるかと思います。
 また、次のページの国民生活時間調査はNHKの研究所の調査です。社会参加と会話・交際、レジャー活動の3つに分けての5年間の推移です。平日、土曜日、日曜日で分けています。表の左側が行為者の比率とその行為者の時間。全体のところが行為している、していないにかかわらずの平均時間です。
 会話・交際を見ていただきますと、例えば平日ですと行動者率も減っていて、全体も減っていると。土曜日も日曜日も減っているということです。
 ボランティアを示す社会参加については、我々の統計でもほぼ横ばいですので、そういう意味ではNHKの調査と整合的になっているということでございます。
 私からは以上です。
佐藤会長
どうもありがとうございました。
 それでは、まずテクニカルな方で資料2で、この前議論のありましたデータがないところをどうするかで、一つは間が抜けているところは基本的につなげると。比率の場合と実数の場合で違いますけれども。あとは、下位のものがない場合は上位のトレンドに合わせると。
 もう一つ、環境整備指標のウエートの掛け方は6ページで、この前は2つ御提案させていただいたんですけれども、今回の仕事と生活の調和憲章の中で、ワーク・ライフ・バランスが実現できる社会というのは3つの大きな柱で支えられていると、「就労による経済的自立が可能な社会」「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」「多様な働き方・生き方が選択できる社会」という3つの説明でしたので、この3つをそれぞれ同じウエートでという方が説明のしやすさというのでどうか。それを7ページで見ると、5つに分けた場合とそれほど大きな違いがないということですので、事務局としては3分の1、3分の1、3分の1という提案です。
 まず、この点についていかがでしょうか。よろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
佐藤会長
そうであれば、資料1で提案していただいたものは、その計算自体については変えなくてよいと。あと、賃金のところは全体の行動指針をつくるときにウエートを掛けるという議論でしたので、これはこのようにさせていただきたいと思います。
 それでは、資料1に戻らせていただいて、そういう意味では数字自体のつくり方は確定したと。あとは、データの示し方とか解釈について御意見を伺えればと思います。一応、前回と基本的には構成は変わりませんけれども、見せ方の違いは、例えば5ページを見ていただきますと、すべて2002年がベースになっているんですが、トレンドを見るときに2002年の変化と、もう一つは1997年からの動きもわかるよう両方に目盛りが打ってあるというのが違いです。
 あと、文章の方はどういう要因が変化をもたらしたのか説明を少し入れていただいていますので、ここをどうするかというところです。こう書いたらどうかとか、これは誤解を招くとか両方あるかと思いますが、その辺は御自由に御意見を伺えればと思います。
 どこかで、あくまでもトレンドなので、絶対水準というのが何かわかる方がよさそうな気がします。当たり前のことですが。例えば、仕事と働き方がすごく伸びているけれども、これがほかに比べていい状態であるという意味ではないですよね。だから、それがどこかにあった方がいいかなと。しようがないんだけれども。
神田調査課長
総体的な過去とのトレンドであって、絶対的な評価ではないと。
佐藤会長
逆に言えば、それを書くとまた誤解を招くかもしれないけれども、ちょっと何かあった方がいいような気もするので御検討いただくと。読み方ですよね。どういう性格の指標なのかということをある程度客観的に書いたものが最初にあった方がいいかなと。
小室委員
これだけ読んでみると、そう思いますよね。何かよくなっているような。
佐藤会長
つまり、働き方の見直しと言いながら、これはもういいんじゃないかみたいな議論になると困るので。だから、その辺誤解がないようにした方がいいかなと思いますが、皆さんの御意見も含めて。
 まず、わかりにくい等の御質問でも結構です。一応、13ページまでが実現度指標の本体として公表されて、あとはテクニカルな資料になるわけですよね。計算の仕方とか。これはつくんですか。
神田調査課長
これも一応つけたいと思います。
佐藤会長
資料的な意味ですよね。ですから、本体としては13ページまでが実現度指標の解説でいいわけですね。
神田調査課長
そうです。参考としてつけますが、あくまでも参考です。
佐藤会長
テクニカルなものも勿論説明はつくという形になるそうです。あと行動指針も後ろにつくということはあると思います。
勝間委員
そうしますと、3ページ目のそれぞれがわずかながら改善しているとか、あるいは急速に上昇しているというのが説明の中で、もしできれば、どのような指標がよくなってとか、なぜとか、もう少し中身がないと「改善しています」だけだとわかりにくいと思います。
佐藤会長
それは5分野ごとの推移の次の段階で、更に中を分けたときに言及していただくと。
勝間委員
そうなんですけれども、一言二言でも。例えば、環境整備指標の方で「官民の取組による環境整備が進みつつある」というのだと。
佐藤会長
つまり、3ページの「3.結果の概要」に後ろで書いてあるものの幾つかを前に出したらということですか。特に大きなものについてという御提案ですね。
 地域・社会活動は先回、紀陸さんの御質問があったんですけれども、ボランティア活動などは増えているけれども、人と人との付き合いが希薄化しているのが引き下げていると、それはほかのデータでも出てきたという御説明です。
紀陸委員
ほかのデータというのは。
佐藤会長
資料4ですね。これは中では使っていないです。近所付き合い希薄というのは世論調査で、中で使っているデータではないと。
紀陸委員
資料1の8ページの記述がよくわからないですね。特に出だしの上の4行ですか。①と②は文章としてよくわからないと思いませんか。時間を示す何々と参加状況を示す何々と分けてみると。①は時間を示していて、②は参加状況を示しているものなんですか。だけれども、指標では細かいデータ、満足度や何かも調べているというのが入っていますよね。要するに、データとして何をとっているのかというのが、この中から余りうかがい知れないというか、もう少しそれがわかれば。要するに、文章の書きぶりだけなんですけれども、それをきちんとしていただけると。ボランティアなんて相当に若い人も増えているでしょうし、特にリタイア後は増えているんじゃないかと思いますが。
佐藤会長
ボランティアは増えています。
紀陸委員
だけれども、変化は見られないわけでしょう。2001年以降状況が悪化しているのは、ほかのものがあるんだと。ボランティアが全体を押し上げている要素というのは、もっとあるのではないかという感じがしてならないんですけれども。データが子細にとれないからという制約があるのでしょうが。
佐藤会長
一つの指標ではないので、ボランティアだけではないですね。上の指標では両方足した数字が出てくるので下げてしまうんですよね。ですから、ボランティアが上がっても、上の数字は上がらないということですよね。
神田調査課長
そうです、補正していますので。
佐藤会長
ですから、今回はあくまでもボランティア活動の推移を見るという数字をつくっているわけではないので、地域での人の社会のかかわり方なりを見ているので、そういう意味では総合指標だと考えていただかざるを得ない。
神田調査課長
ボランティアは、わずかながら上がっている指標も確かにありますけれども、全体としては横ばい。
 あと、確かに満足度も入っていますので、そこは時間を示すと。ちょっと正確性はないんですが、ここは単に括弧が並んでいるだけですと抽象的で何かわからないので、ここだけの文章である程度イメージがわかるように「時間」という言葉を付け加えさせていただきました。ただ、性格が間違っていれば「時間等」とか「時間や満足度」と入れてもいいかもしれません。
佐藤会長
時間だけではないからね。
 11ページの中項目・小項目の指標の名前がないんですね。「柔軟な働き方を選択」としてしまうのはいいけれども、名前がついていないんですね。
神田調査課長
そうなんです、ここは疑問系でやった方がわかりやすいということがございまして、疑問系なのでちょっと前と後ろに説明を置いたんですけれども、「に関する」でもいいですか。「示す」というのがおかしいのかもしれません。
佐藤会長
名前をつけてしまえばよかったんですね。「家族で過ごす時間」とかそういうふうにしてもよかったんだけれども。ちょっと指標としては変ですね。
神田調査課長
ただ、訴え掛けるというようなことかなと思います。
佐藤会長
その辺いかがですか。これはずっとそうですよね。でも、柔軟に働き方を選択できるかが伸びていますかとか、表現の仕方としては何か変な感じですね。
神田調査課長
もしあれでしたら体言止めで、余り違和感がないように変えますか。
佐藤会長
指標の名称はどうですか。新聞か何かに出るときに、ちょっと変な感じもしないでもないですね。ただ、今までそういう議論を余りしていなかったので。
 では、指標の名前でいい案があるかどうか御検討いただくということでいいですか。
 ほかには。
羽入委員
言葉の使い方全体として、ちょっと気になります。例えば、3ページの「3.結果の概要」ですが、グラフを見ていく際に「改善が明らか」という言葉を使うことに抵抗はないですけれども、地域・社会活動のパラグラフのところで「悪化している」というのがあります。悪化というのは価値判断を含めた表現の仕方で、これは全体的に悪化と本当に言い切っていいのかという気がします。「改善」「横ばい」「悪化」という3つの言葉で表現されていますけれども、「減少」とか「増加」という表現の方が、グラフを見る解釈としては適切なのではないかという気がします。
神田調査課長
ここはちょっと迷いましたのが、上に上がっているのが実現度が増しているのかどうか、普通にはわかりにくいのかなと思って、それである意味でわかりやすいようにということで「改善」と「状況の悪化」にしてしまったんですけれども、言葉がちょっときついのかなと。
羽入委員
その意図はよくわかりますけれども、そうすると、この調査会のスタンスからいって、これが善である、これが悪であるということをはっきりさせているということになりますので、そこまで言い切っていいのかがちょっと気になります。
神田調査課長
ある意味で指標をつくるというのはプラスマイナスで判断をしているので、評価するときにこれが上がるのはプラス、下がるのはマイナスと言っているので、ある意味で価値判断をしていることはしているんですけれども。
羽入委員
何をプラスとして、何をマイナスとするかという点はいいと思うけれども、それが本当に悪いかどうかを国民一般はどう評価するかは考えておいてもいいのではないかと思います。
永木委員
満足度が上がっているとか、下がっているという形の方が表現としてはいいのではないかと思いました。2002年を基準に100としているというところで、全指標を1か所に集めてしまうと、どうしても2002年が正しいんだという印象を与えてしまって、そこからよくなればいいし、悪くなれば悪だということになりますけれども、例えば、地域の活動にしても、その絶対的な時間ということについて横ばいというのはよくわかるんです。24時間しかない時間の配分なので、余り時間に変化はないと思うんですが、価値観の差で、例えば、もっと地域にかかわりたいという人が増えれば、満足度などは減っていくんですよね。その辺りの総体的な評価と絶対的な評価が入り交じった指標にならざるを得ない中で、悪化したというよりは、調和に対しての人の満足度が低くなったとか高くなったという表現の方がいいのではないかと思います。
植本委員
何となくこのコメントを見ていて、もやもや感がどうしてもぬぐえなくて、今おっしゃっている価値観的なものを判断として入れ過ぎても受け止め方、特に、数字の度合いを見ていても「改善をしてきている」という言葉がたくさんあるんですが、実感からほど遠いという受け止めでいけば、この指標そのものに対する信頼感もあるのではないかと思いました。それと、一方で、行動指針のところで掲げられている数値目標との関連でいけば、到達目標的なものがあって、そこに向けて改善していることとしての指標として誤解されかねない、逆に言えば。だから、余り客観指標として今こういう状態にありますということだけを示しているんですよと。だから、今おっしゃった2002年ということは単なる統計上の起点としてとっているだけですということがはっきりせず、そこからの変化を見ているだけで、実現度指標の実現の度合いを見ているだけで、ここまでくれば達成したということではないんですみたいなことがはっきりわかるような書きぶりをしていただけると、信頼感が深まるのではないかと思います。
神田調査課長
では、もうちょっと客観的な上がっているとか下がっているとかに。
佐藤会長
上昇とか低下かな。推移は間違いないわけで、100から99に減ったのが悪化かどうかというのは難しいから。増えても例えば、数値目標からすると低いと。そういう意味ではまだ改善しなくてはいけないんですよね。ですから、その辺は書きぶりをそういう形で。もともと実現度指標というのは目標ではないということでやっていますので、その辺工夫していただいて、そういう意味では、やはりこの指標は何なのかということはあった方がいいですね。例えば、なぜ2002年なのかとか、絶対水準を見ているのではなくて変化ですよと。これは書かれていますけれども、別に目標ではなくて、それはまた別に議論するということですね。
小室委員
2002年を100とするというのはグラフの中に入ってはいるんですけれども、言葉でやはりあった方がいいかなと思います。これがどうしてこうなっているのかということも必要ですが、そもそも2002年を100としていますという言葉を入れて、その前後の推移だけというのは言葉でも書かないと、ぱっと見ていいように利用してしまう人がいるのではないかというのが、ちょっと危惧されます。
佐藤会長
ある意味で、2002年というのはそれぞれの分野の絶対水準が当然違うんだけれども、同じところから始まって、みんな同じレベルでと。そうすると、働き方はすごく改善しているみたいなとらえ方もされるので、それは留意してメッセージが伝わるようにしていきましょう。
 ほかはいかがでしょうか。一つは、指標の名前を体言止めにするというようなことを工夫していただくことと、実現度指標はどういうものなのかということがわかるようにして、誤解を受けないように初めの方に書いていただくと。結果概要が多分一番注目されるので、変化についてもたらしたものは、後ろにあるものの中で重要なものを前に持ってくるというような検討をしていただくということかなと思いますが、そういうことでよろしいですか。
 それでは、今日委員の先生方に大事な御意見を出していただきましたので、それを踏まえた上で事務局で修正させていただいて、また皆さんに見ていただくという手順を踏みたいと思います。本指標は関係機関等への設問を経て皆さんに見ていただいてということになりますが、今月25日に公表したいということですので、よろしくお願いいたします。
 本指標については追って開催されるようになっています、官民トップ会議に連携推進評価部会というのができるそうで、そこで議論されるという手順のようです。行動指針の中に政策方針等について評価をやりなさいと書かれていまして、それで連携推進評価部会ができるそうです。ですから、そこで報告するという手順になるようです。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。企業が仕事と生活の調和に取り組むメリット等について事務局から御説明していただきます。よろしくお願いします。
栗田調査官
資料5、資料6、資料7とその後に参考とありますが、これらが企業が仕事と生活の調和に取り組むメリット関係の資料になります。本日は、資料5を中心に説明させていただきます。
 資料5につきましては、前回の専門調査会のときに構成を御紹介させていただきまして、それを文章に肉付けしたものを本日お配りさせていただいています。1ページから順に御説明します。
 まず最初に「1はじめに」とございますが、こちらは今回の企業のメリットを取りまとめるということが、全体の専門調査会の議論の中でどのような位置付けにあるのかといったことを書かせていただいております。昨年夏に取りまとめましたワーク・ライフ・バランス推進の基本的方向という取りまとめの中で、企業にとってワーク・ライフ・バランスに取り組むということが非常に重要であるので、そこを推進したいということが書かれていますので、そこを今一度議論したいといった経緯を書いてございます。
 2で、具体的に企業がワーク・ライフ・バランスに取り組む内容を御紹介しております。こちらは両立支援の促進ですとか、柔軟な働き方の促進といった取組の種類ごとに、ごく簡単にどういった取組があるのかということと、先進企業の取組状況、関連するコスト情報といったものをそれぞれ織り交ぜながら御紹介していくというスタイルをとらせていただいています。
 まず(1)両立支援の促進から入っておりますが、一番最初に企業の制度等にはどういったものがあるのかということで、休業制度ですとか、事業所内保育所の設置、経済的支援といったような一般的なものをごく簡単に触れてございます。
 次に、先進企業の取組に見る効果ということで、4つほど企業をピックアップして御紹介しております。
 まず、P&Gさんですが女性の登用ということで、ダイバーシティの一環としまして女性の採用・登用を推進するという形で、さまざまな取組をされているといった御紹介をしてございます。実際に利用できる環境整備を重視していて、面談をしたりとか、女性職員の離職率を管理職の人事評価項目にも入れているという取組をして、それによる効果を右矢印の後に書いてございます。多様性に富む従業員の定着が高まって、女性も増えているということで、女性社員の割合、それから、管理職相当に就いていらっしゃる方の比率も高いということが挙げられてございます。
 平和堂さんは、法定を超えた充実した育児介護休業制度等を導入していらっしゃるということで、取組としてはそういった内容を御紹介しています。効果としましては、退職者が大幅に減少したことと、今まで女性管理職の方がいらっしゃらなかったということなんですが、取組を始めてからそういった方も出てきたということを御紹介しております。
 松下電器さんは、短時間勤務制度で非常に従業員のニーズに応えたきめ細かな制度を設けていらっしゃるということで、一日1時間短縮ですか、2時間短縮、半日だけ勤務する、週2日勤務する、3日勤務するといったようなメニューを設けているという御紹介をさせていただいております。効果としましては、子どもを持つ女性従業員の定着率が向上したということで、女性から成る商品開発チームといったものを生かしまして、生活者としての視点を生かしたヒット商品なども開発されているといったことを挙げてございます。
 サタケさんは、事業所内保育所を設置しているということを御紹介させていただいております。こちらはCSRの観点からもいろいろな取組をしていらして、その中の一つとして事業所内保育所を設置していると。施設の年間運用コストは約700万円という御紹介、それから、育児休業取得者の3~4割の方が利用していらっしゃいます。効果としましては、保育先が確保されるということで、育児休業を早めに切り上げて復職される方が増えているという話と、報道等で取り上げられるということで企業のPR効果が大変高いということで、職員も自分の会社に対して誇りを持っていらっしゃるというお話を御紹介しております。
 関連するコスト情報ということで、先回の専門調査会のときにシミュレーション結果で御紹介したものを参考に計算をし直したものがございますが、女性の従業員が一人当たり出産時に辞めてしまって中途採用者を補充するというワーク・ライフ・バランスが整わないAのケースと、同じ場合にお辞めにならないで育児休業と短時間勤務をして就業を継続するBのケースのコスト比較をするという形で計算をしました。
 結論からまず申し上げますと、Aの辞めてしまわれるケースよりも、育児休業を取得して短時間勤務をするというBの方が、企業にとっては費用負担が少なくなるといったことでございます。
 どのような仮定を置いて計算したかということも含めまして、詳しいところをもう少し御紹介します。
 まず、Aでは女性の従業員、平均的な出産年齢が29歳で、そういった方ですと大卒の方が多いということなんですが、その方が退職されまして、3か月ぐらい後に退職者と同じ程度、人件費的にも同じ程度の中途採用者の方を補充すると。補充までは同僚の従業員が退職者の業務を残業で補うというのがAのケースでございます。
 次に、Bを2つに分けてございますが、B-1では、従業員が就業を継続しまして育休をとって短時間勤務を行うということですが、短時間勤務は一日2時間就業時間を短縮するという想定を置いています。育児休業期間、こちらは法定期間を参考に1年6週間、短時間勤務期間は比較的長めにとっておりまして3年間というところで、ここを任期付きの職員、有期雇用の方を採用するということで業務を補っていただくという形を想定しています。この有期雇用者の方は、短時間勤務の期間には足りない時間を補う短時間勤務を行うという想定を置いています。
 B-2の方も、同じように育児休業を取得して短時間勤務を行うわけですが、その期間中は代替要員を確保するということではなくて、同僚従業員が休業短時間勤務者の業務を残業で補うといった想定を置いております。実際には、同僚の従業員で代替するケースというのが過半を占めているというデータがございました。ただ、この場合、長時間労働が職場全体で恒常化していなくて、同僚の従業員も残業で業務を補えるような職場環境にあるということが前提としてまず必要になろうということになります。
 下に、従業員の規模ごとに計算した結果を載せてございます。従業員1,000人以上の企業の場合ということで、大企業を想定したものでAというところと、右側にB-1、B-2とそれぞれ数字を入れてございますが、簡単なコスト項目だけ御紹介いたします。
 まず、Aの方、辞めてしまうところですけれども、投入コストとしましては、辞めてしまった後、同僚は欠員を補充するまで業務代替をするということで、残業でやるということで生産性も0.8ぐらいまで下がるというコストが140万円。それから、中途採用者の採用ですとか、研修関係の経費、採用に10万円ぐらい掛かるのではないかという参考のデータがございましたので10万円、あとは中途採用者の方が採用されたときには生産性が0.7だったものが、平均すると4.5か月ぐらいで一人前になるというような企業インタビュー結果の数値を参考にさせていただきまして、業務を補う経費を計算した結果80万円ぐらいではないか。それから、中途採用者のお給料は、退職された方と同じぐらいのお給料ですとか賞与ですとか社会保険費として201万円ぐらい。逆に、節約できるコストもあるということでございますが、こちらは退職者にもともと支払うはずだった給与、賞与、社会保険料といったものが節約されるということで、全部を差し引きしますと、102万円程度掛かるという数字になってございます。
 この102万円という数字とワーク・ライフ・バランスの関係が整ったケースを数値上比較していくということでございますが、まず、B-1の代替要員を入れるというケースでございます。こちらの投入コストは、休業期間中の有期雇用者の給与を足し上げていきます。こちらが602万円ぐらい。それから、有期雇用の方も最初にお入りになってから中途採用者の方と同じように、業務生産性費が上がってくるまで4.5か月ぐらいは期間が掛かるという仮定を置いてございますので、その期間中は同僚の方が業務を補って差し上げるという形になります。それも残業で対応といった形で計算すると。それが42万円程度。それから、短時間勤務期間中の有期雇用者の人件費。こちらは、育児休業から復帰をされた方が、勘が戻るのに1か月ぐらいの時間が掛かるでしょうということを企業インタビュー結果でも参考に聞いてまいりましたので、最初の1か月だけはその業務を補ってもらうというところも含めた人件費でございます。こちらは419万円ぐらい。節約コストとしましては、それぞれ休業期間中、短期間勤務中の給与等といったものがございまして、全部を差し引きすると80万円程度のコストになります。
 B-2の方は、同僚による業務代替をするというケースでございますが、こちらも同じような形で投入コストですけれども、休業期間中の同僚による業務代替費、こちらは残業で対応するということで629万円ぐらいと。短時間勤務期間中も、同じように残業で業務代替をするところを計算しますと426万円ぐらい。節約コストがそれぞれ休業期間中、短時間勤務期間中の給与等ということで、差し引きをしますと83万ぐらいということです。
 結論を申し上げますと、Aが102万円、B-1が80万円、B-2が83万円ということですので、AよりもBの方、休業ですとか短時間勤務をとっていただいた方が、企業の負担するコストというのは少ないという結果になっております。
 ただ、文章の注に書いてございますが、B-2のケース、同僚従業員が残業で業務を代替するということですが、ここは企業が負担する費用を多く見積もってもAよりも費用負担が少ないということを示すために、あえて同僚従業員が残業で業務を補うということで試算しておりますが、本来ワーク・ライフ・バランスの実現の観点からは、業務効率化等を工夫して残業削減をしまして、同僚従業員も残業ということではなくて、所定労働時間内に業務を行うことが望ましいということになりますが、業務効率化に成功した場合には、更に企業の費用負担というのは残業代の追加で支払う分がなくなりますので、その分費用負担がもっと少なくなるということになろうかと思います。
 4ページにも図表が続いておりますけれども、全く同じ仮定で、100~999人の中規模の企業を想定して同じような計算をした場合の数字が並んでございます。
 同じくAの辞めてしまった場合には80万円、B-1有期雇用者で代替をする場合は72万円、B-2同僚従業員による業務代替は46万円ということで、結論としまして、いずれにしても辞めてしまわれるよりは、休業・短時間勤務をしていただいた方がコストが少ないという結果になっています。
 下の部分は、御参考までに小室委員に御協力をいただきまして、具体的にある企業の数字をいただいてきたものですが、従業員一人当たり採用・育成に必要となるコストにはどういったものがあるかということを参考情報として挙げてございます。
 この企業の場合には、採用してから丸3年というのは、企業にとってその人材はまだ一人前になっていないのでコストであるととらえていらっしゃるということでしたので、その3年間に掛かるコストを計上しております。コスト項目としては採用費が300万円、研修費が3年間で100万円、それから人件費、これは給料等ということですが1,300万円でございます。合計しますと3年間で1,700万円ぐらい掛かるという数字になってございます。
 ただ、いわゆる育成コストとしまして、こちらは今、新人研修等短期的なものを計上していますけれども、実際には先輩職員がさまざまなOJTを行うといったようなものは別途掛かってくるというところに留意は必要かと思っております。
 次に、事業所内保育施設の設置ですとか、運営に関するコスト情報の御紹介です。第一生命経済研究所さんの方で行いましたアンケート調査結果を御紹介させていただいています。
 図表の①開設費用ということでございますが、アンケートに答えていただいた方の平均データですけれども、新築をした場合には土地の取得と建設費用で5,500万円程度、改装・改築の場合には1,750万円程度費用が掛かったというデータがございます。そのほかに家具ですとか備品をそろえるのに、平均で420万円ぐらい掛かっているというデータがございます。
 ②運営費用でございますが、年間の運営費が平均的に20人ほどの子どもを見ているという施設のデータに計算し直すと1,900万円。そのうちの人件費が1,450万円程度で、消耗品やその他といったものが若干掛かってくるという形になります。開始・運営に関しては、21世紀職業財団等の助成金を利用すれば、その分企業の負担金額としては少なくなってくると思います。
 5ページの下の方に関連する助成制度ということで、一番下の3つは事業所内保育施設関係の助成制度ですけれども、それだけにこだわらず、いわゆる一般的な両立支援関係の助成制度の情報もこちらに一覧にして掲げてございます。
 6ページの(2)柔軟な働き方の促進ということでございますが、こちらはまず場所の観点、時間の観点から柔軟な働き方でどのような取組をしているかといったことをごく簡単に御紹介させていただきまして、その後に先進企業の取組に見る効果ということで、こちらでは2つ、松下電器さんと福島印刷さんの例を御紹介しております。
 松下電器さんでは、場所の観点から柔軟な働き方ということで、テレワークの推進を御紹介させていただきます。取組としまして、e-Workの推進をしていらっしゃるということで、この場合、先行してITインフラの整備を進めていたということで、新しく巨額なコストが掛かったということではなくて、e-Workの推進によって働く方の選択肢を増加したといったとらえ方をされているということです。ただし、従業員の方のアンケートを見ますと、上司等とのコミュニケーションですとか、業務管理方法について不安の声も聞かれるといったようなこともございます。効果としましては、通勤時間が短縮されるとか、いろいろなコスト削減になると。それから、業務の効率化等もあるといったことで、あとアンケート調査結果からは、仕事の効率が向上したということを、本人も上司も感じているといったようなことを御紹介させていただいています。
 福島印刷さんの方では、時間点の観点から柔軟な働き方の推進ということで、短時間勤務制度の御紹介なんですけれども、特徴的なのが取得理由を特に限定していないということでございまして、育児とか介護にかかわらず、病気、受験、家事都合などいろいろな取得理由で使えると。本人から、こういう理由で取得したいという申告があり承認されれば取得できるといった形の取組になっております。効果としては、いろいろな理由で活用できるということで、従業員の多様なニーズに幅広く応えられるということで、今後増えてくる看護ニーズですとか、従業員の自己啓発といったものにも対応が可能だということで、こういったことから従業員の定着や満足度、仕事の意欲の向上等につながってくるというメリットも出てくるのではないかということでございます。
 次に、7ページの(3)でございますが、こちらは長時間労働の是正ですとか業務の効率化といった御紹介をしてございます。
 まず、どのような取組があるかというところで、大きく残業の削減、業務の効率化とか生産性の向上等ということで削減するといったことですとか、あとは休暇取得の促進、これは目的を明示することによって促進していくというものと、連続した取得を促進するという2つのアプローチが特徴的でございました。
 それから、業務の見直し、分担の見直しといった形で効率化の取組といったようなものがあるということで、先進企業の取組としまして幾つか御紹介しております。
 まず、残業削減の取組としまして、日立ソフトさんと福島印刷さんの取組を紹介しております。
 日立ソフトさんの取組としましては、消灯時間の21時ルールといったものを設定するということで、まず、ある事業本部で自発的にそういった運動が始まって、それが成功したので全社的に広まったということだそうです。また、上司の評価要素として、部下が長時間労働にならないように管理できているのかといった取組も合わせてやっているということだそうです。
 福島印刷さんの方では、柔軟な所定労働時間を設定するということで、忙しい時期には長く、そうでない時期には短くと、3種類の所定労働時間を設定しまして、メリハリのある働き方を推進していらっしゃるということだそうです。
 また、異なる部署の間で業務運営をする場合には、この業務運営はポイントとか金額に換算してどのくらいに該当するのかといったことを示すことによって、従業員の生産性意識の向上を図っているといった取組をしていらっしゃるとのことです。
 効果としましては、日立ソフトさんの方では、残業時間の2割か削減されたということで、21時ルールということですけれども、21時まで残業している人が現在1割程度ということで、今後は20時ルールへの移行も検討しているとのことです。
 福島印刷さんにおいては、もともと数値目標を超勤の4割削減という目標を掲げておられたそうですけれども、その目標を無事達成したということだそうです。
 こういった長時間労働を是正するためには、業務の効率化が当然不可欠ということになりますけれども、残業が減ればその分コスト削減にもつながりますし、業務目標を変えずに取り組んでいけば生産性が向上することにもなるということで、生活時間に余裕が生まれて、いろいろなリスクが減って、従業員の満足度も上がるといったような効果が見られるということになります。
 次に、妙徳さんの例ですが、こちらは連続した年休取得の促進ということで、3か月に1回5日間の連続休暇の取得の義務付けをしているということで、義務付けているという意味で実効性の高い取組になるのではないかということでございます。効果としましては、義務付けをしている企業というのは少のうございますので、実効性が期待されるということ。あと、部下が上司と、上司は部下と仕事を両方で代替できるようになるといった効果が見られたということだそうです。
 それから、カミテさんですが、多能工の育成ですとか、むだ取りの実施といった取組をしていただいているということのようです。効果としましては、ほかの従業員の業務の見直しをその都度行ったりとか、若手の育成が進んだといったことが挙げられております。あと、職場の管理職ですとか従業員の意識改革にもつながりまして、業務をお互いに代替するというお互い様意識も醸成され、チームワークもよくなったということを紹介させていただいています。
 ここで関連するコスト情報を御紹介しております。残業が短縮されることによりまして、企業全体でどれくらいのコストが削減されるかということで、こちらは事業規模ごとに残業時間を従業員一人当たり一日30分短くすると、1年間でどれだけのコストが削減されるという試算をしてございます。従業員1,000人のところですと、一番下の太字の純削減コストというのが最終的な計算結果でございますが、3億円程度。従業員500人のところですと1億3,000万円程度。従業員50人規模ですと1,000万円程度という形になっています。
 ちなみにコスト計算の内訳としましては、削減できるコストとしては人件費、これは残業時間が減った分の残業代の支払いが減ったという人件費です。それから、関連しまして光熱費等も減る分があるでしょうというところです。あと、投入コストとしましては、そういった残業削減推進を担当する方の人件費も見ておいた方がいいだろうということで、そこも積んでございます。
 次に(4)従業員の心身の健康保持でございますが、まず、従業員の心身の健康保持が非常に大事だということに若干触れされていただきまして、代表的にはどのような取組をしていらっしゃるかということで、カウンセリングの実施ですとか健康づくりに対する支援、予防措置、治療への支援といったようなものを行っているところが多いということを御紹介しまして、後に、先進企業の取組を御紹介しております。
 日立ソフトさんの方では、就業制限による罹患率が減少したということで、健康診の結果に基づきまして一番厳しい場合では就業を禁止するというような措置を行っています。ただ、入院ですとか治療をするということで就業制限は解除されるけれども、3か月後にもう一度本人の状況を見て、改めて就業制限をするというような取組をしていらっしゃるということです。
 日本イーライリリーさんの方ではEAP(Employee Assistance Program)というものを導入しているということだそうでして、社員のいろいろな問題の発見、解決をサポートすると。当然、健康面、メンタル面も対象となるということですが、そういったことによって職場全体の生産性の向上につながるんだということで取り組んでおられるということです。年間60件程度利用されているということのようです。
 効果としましては、日立ソフトさんの方では、半年間で社員の罹患率が約7割にまで減ったと。
 日本イーライリリーさんにおいては、メンタル面等ではなくて育児相談等にも利用されているということで、複合的な効果が見られるということを御紹介しております。
 10ページは、関連するコスト情報ということですが、メンタル等の理由で休職者が1人出たことにより掛かるコストはどのくらいになるかということです。従業員規模としましては100~999人規模、中規模の企業において従業員の1人、メンタル面等で休職される方は30代後半が一番多いということですので、そういった方を想定しまして、休職期間も6か月程度というデータがございましたので、6か月休職した後に復職するということでございます。ただ、休職する前と後の3か月間も思うように働けないということで生産性が落ちるということが想定されますので、その期間も含めて周りの従業員が業務を補うということで、周りの従業員の業務代替が主たる費用ですけれども、計算した結果が571万円という形になります。ここのところは前後の期間3か月間というよりももっと掛かるのではないかというような、企業インタビューの中で聞いた話ではもっとコストが掛かりそうなケースもございましたが、少なくとも571万円程度は掛かるだろうという御紹介をさせていただいております。
 「3 企業が仕事と生活の調和に取り組むことによるメリット」、「4 企業における仕事と生活の調和推進の方法」につきまして、改めまして総括してございます。従業員の定着ですとか優秀な人材の確保といったもの、今まで既に御紹介したものをもう一度整理し直したということですので、説明は割愛させていただきます。人に対して効果が得られるというところと、コスト面でも効果がありますといったような話を11ページに掛けて項目を並べてあります。
 4の方で、こういったメリットを感じるためには、当然推進をしていくための方法論といったものも考えていかなくてはいけないということですが、企業ヒアリングの中では管理職ですとか、周囲の従業員の負担ですとか、不公平感の増大、働き方が柔軟化するということで、業務管理ですとか人事評価への困難化等を理由に、躊躇するような声というものも聞かれたところですので、そういった懸念を払拭していくということで、どういった方法がよろしいのかというところを整理してございます。
 ①としまして、まず業務運営を変えていくといったところから入っていくことが必要でしょうということで、効率的な働き方の促進を挙げてございます。時間を限られた経営資源ととらえまして、その範囲内で実現可能な仕事の付加価値の最大化を目指して、それぞれ企業の現場の管理職、個々の従業員が業務マネジメントに取り組んでいくということが大前提として必要ですよということを御説明させていただいています。
 その後に、管理職の意識、それからマネジメント能力の向上。それから、周囲の従業員の意識、能力の向上といったものが必要となってきますということを触れてございます。
 そういった業務運営の改善がなされて初めて②仕事と生活の調和に関する支援ができる職場づくり、制度がきいてくるということになりますけれども、そこで大事なこととしましては、トップの意識改革ですとか、リーダーシップ、経営戦略への位置付けといったものが重要になるということでございます。特に中小企業におきましては、経営トップのリーダーシップによって進む部分も大きいと企業インタビューで聞いてまいりましたし、経営戦略には大企業で積極的に位置付けて、取組を推進しているといったお話も伺ってきたところです。
 併せて、推進体制をきちんと引いて、旗振り役に推進してもらうというようなことが重要であろうということをその次に掲げてございます。
 それから、大事なこととしまして、人員ですとか時間管理、それから、人事評価をどうしていくかといったところをその次に掲げてございます。従業員が安心してその制度等を利用することができるためには、適正な人員、時間管理を行うとともに、人事評価制度といったものが公平感のあるものができているということが必要であろうということで、そういったことに関する情報提供なども重要であると。こちらは利用する本人だけでなく、当然業務を代替した周囲の従業員に対しても労力に見合った公正な評価を行うということが重要であろうということも触れてございます。
 最後に③でございますが、一つの企業で取り組むにも周囲の理解が必要となってこようと思いますので、顧客ですとか取引相手等の理解の促進を図っていくことが必要であるといったことで、工夫に関する記述を入れてございます。
 以上、雑ぱくな説明でございましたが、資料5の説明を終わらせていただきます。
佐藤会長
中間報告でも企業の働き方の見直しの取組というのはすごく大事だということで、企業は自主的に取り組むというのが前提ですけれども、いろいろな情報やもう一つはお金が掛かるんじゃないかという誤解もあるので、勿論掛かるものもあるわけですが、その辺も可能な限りコストについての情報ということで用意していただきました。
 それでは、わかりにくいところをもう少し説明をとか、ここはこういうことをということがあれば。特に3ページ、10ページのコスト計算のところについて先に御質問を受けた方がいいかなと思います。儲かるという意味ではなくて、辞めてしまうのと比較してということで出していただいていますけれども、これでわかるかどうかとか、あるいはどうやって計算しているのということがあれば、まずこの2つのコスト計算から御意見なり御質問を伺えればと思います。
 これは両方とも3年間という前提でやっているんですね。短時間だから3年間で積み上げていると考えていいんですね。
栗田調査官
はい。育児休業期間の1年6週間と、その後の短時間勤務の3年間を全部足し上げています。
佐藤会長
辞めた場合も3年間で当然計算するわけですね。
栗田調査官
足し引きでゼロになりますので、そこまで見ても一緒です。
佐藤会長
データはないんですが、メンタルヘルスの方は多分休職中も普通はかなり給与は払っているんですよね。それは入れていないんですね。
栗田調査官
はい。
佐藤会長
では、そこがわかるように、つまり、休職はどこから払っているかなんだけれども、ある時期までは普通給与は払うんですよ。だから、本当はもっと高くなってしまうんだけれども、その分は除いているとか書く方がいいかもしれない。ある時期になると健保から出たりするんだけれども、永木さん、そういうことでいいですか。初めの方は企業が8割とか給与を払っていますよね。だんだん下がってくるけれども、どこかで健保の方になるという感じですよね。そこは育児休業とちょっと違うので。
 あと、コストのところで言うと、4ページの下の参考ですが、考えてみると3年間育成だけやっているんじゃないんですよね、働いているんですよ。だから、貢献も当然しているので、1,700万円がコストではないんですよね。例えば、パート・アルバイトの3年ぐらいまでの給与分は引き算するかわからないけれども、年収300万円とか350万円ぐらいの仕事はしていると考えると、その分は引くということですよね。
栗田調査官
ここにつきましては、企業の方からお話を伺ったときには、3年間は一人前にならないのでコストですということなんですけれども、その内訳を聞きますと、最初の1年はやはり丸々コストとうちの企業はとらえていますと。2年目、3年目といくに従って、全部がコストではなくて貢献している部分も増えてきて、4年目になると一人前ですということですので、例えば、2年目だったら単純に考えれば給料の3分の1は貢献していると。3年目になると、3分の2は貢献しているというように計算してあげる方が丁寧かもしれないけれども、そこまでうちはまだ試算していませんということでしたので、今丸3年分の人件費を全部一斉に、300万円入れてしまっているんですが、そこを少し按分して、より細かな計算をしてあげるというやり方が……。
佐藤会長
私はそれが間違っているという意味ではなくて、やはりそれをそのまま載せてしまっていいかというだけの話なので、全然仕事をしないと言われてしまうとちょっとあれなので、そこは工夫していただいた方がいいですね。
栗田調査官
2年目、3年目は貢献部分が出てくるという形で向こうもとらえているということでしたので、御相談をいたします。
佐藤会長
1年目ゼロというのもどうかと思いますので、1年目は給与の2~3割とか3年目は5~6割とか、その辺は小室さんと相談して。
小室委員
途中で話には出ていたんですけれども、OJTの社員の費用は入れていないと書いていたんですが、逆にこれをちゃんと計算して差し引くという方が合理的かなと思います。入れていないから結局はもうちょっと掛かるんだけれどもというよりも、例えば年間500万円の給料なんだけれども、それでも500万円から貢献した分を差し引いて400万円をコストととらえるけれども、そのうちの200万円はOJTで掛かっているから差し引き200というぐらいで、3年間で1,300万円にもならなくても他社にはインパクトはそれなりにあると思うので、もう少し少なくてもいいのでという形で企業の中での実際の費用を聞き込んで減らしてもらった方が、よりインパクトがちゃんと出るかもしれないかなと思います。
栗田調査官
OJT等の費用は、なかなか内訳が出ないんですよとおっしゃられてしまって、今はこのような形になっていますが、また後ほど御相談させていただいて工夫したいと思います。
牧野委員
長時間労働のところで一つと、全体的なところでひとつあります。まず、長時間労働を短縮していくというところですが、会社の業務は減っていないわけですから、ある程度そこの考え方を変える、つまり短時間で時間管理をするようなトレーニングコストなどが発生してくることを考慮にいれる必要があると思います。ただ、急に仕事を短くしなさいと言われても、では、いったいどう対応していくのか、具体的な方法をトレーニングしていく必要があります。
 また、全体を通してなんですけれども、やはり何か組織を変えていくというときには、上層部のコミットメントというのが必要になってくると思うんです。その上層部がコミットメントをボランティアで発揮することを期待するのではなく、やはりそこには何らかの評価対象であったり、報奨制度があるべきだと思うんですよ。それが例えば長時間労働の改善を育成をすることによって評価されるというのが書いてありましたけれども、それが結果的に役員の報酬になったりするということも必要であると思います。すべてがコストだけではなくて、それをやることによってプラスの投資をすることによって拍車を掛ける、あるいはコミットメントを高めるというのを考慮していく必要があると思います。
佐藤会長
7ページの初めのところに書くということと、もしくは11~12ページを最初に持っていくというのはやり過ぎですか。先に出すと書きにくいですか。大枠みたいなものがある方が、今、牧野さんがおっしゃったことはかなり吸収できますよね。どうですか。
栗田調査官
今後ろに推進の方法というのを持ってきていますのが、どうしても今は取組の種類ごとということで両立支援策とかそういうふうに区分を入れているんですけれども、どこに区分できるのかというのがなかなか区分し切れないので、後ろにまとめて書いているんですね。業務効率化の話は確かに長時間労働是正のところに一番関わりは深いのかなと思うんですけれども。
佐藤会長
11~12ページを「はじめに」の後に持ってきてしまって、具体的な取組の前にというやり方もなくはないかなというような気もしないでもないですが。
小室委員
今の牧野さんのお話とかぶる部分なんですけれども、業務効率化に取り組んだ話自体がほとんど事例でないのが物足りないのかなと思うんですよね。電気を消した話までなので、業務効率化が必要という話は出ているんですが、どのような業務効率化なのかというような時間短縮の具体的な話、恐らくもう少し深く聞いたらやってはいるはずなんです。そういう話が1個、2個入るだけで、それは電気消すだけじゃだめだよな、業務はちゃんと効率化しているんだよなという例も入ってくることが重要かなと。
 あと、もう一つ、評価制度を変えた例が欲しいかなと思いました。今いろいろな企業さんで、ただ目標数値を書くだけでは、その数値を達成しようとしていたずらに時間を使ってしまうので、この営業成績を何時間で出してくださいというような評価項目にない部署でも、評価の中で何時間でという言葉を自主的に上司が入れさせる活動が始まっているんですが、そういう評価項目を変えたというような、例がなくてもそういう必要があるということが入ってきた方がいいかなと思いました。
佐藤会長
小室委員のおっしゃることはよくわかりますので、そうすると、7ページのところで多分今回ヒアリングしたのが全体として少ないんですよ、業務の改善をやっているのが。だから、どこでも例が少なくなってしまうので、今回ヒアリングしたところだけだと無理なので、ほかから引用するとかしないと、なかなかない。
栗田調査官
業務効率化に関する取組の紹介をしている部分は、日立ソフトさんですとか、福島印刷さん、あとカミテさんもそうなので、その記載に少し言葉を補うような形で工夫をしたいなというのが一つ。
 あと、評価項目の関係ですけれども、例えば、長時間労働を余りしないように部下を管理しているというのを評価項目に入れていますというような話は今、若干入れてはいるところです。
佐藤会長
では、その辺追加できれば追加していただくと。牧野さん、そういうのが入れば多少は違いますか。
牧野委員
そうですね、要は、コスト削減だけではなくて、取り組むことによってプラスメリットというのを出した方が良いと思います
佐藤会長
そうすると、8ページの残業削減によるコスト削減も、当然残業を減らせば減るんだけれども、前提として残業を減らせるような業務運営というのが見出しにある方がいいですね。中身は書いてあるんだけれども。減らせるような改革をしたら、残業が減るだけの部分でこれだけのということですよね。
栗田調査官
業務効率化を行うなどして残業短縮することによるというような、見出しにまではっきり書いておきます。その下の地の文には入れてあるんですが。
植本委員
3ページの短時間勤務の項なんですけれども、短時間勤務は3年間とあるんですが、短時間勤務の一日はどの設定になっているんですか。「当該職員は短時間勤務期間はその時間を補う短時間勤務を行う」となっているので、ダブルで人がいるという状態を想定しているということですよね。
栗田調査官
はい。
植本委員
そうすると、短時間勤務の有期雇用者の人件費の投入と、節約コストの期間中の給与になっているんですけれども、ダブルで本人が働いた分の賃金というのは短時間勤務中はどういう扱いになっているのか、この表だけではちょっとのみ込めないものですから。それと、表現が「任期付職員を任用する」とか、これは「女性従業員」と頭にあるので、多分そこは言葉を整理していただいた方がいいかなと思います。
栗田調査官
まず最初の御質問ですけれども、短時間勤務につきましては一日2時間短縮をするという想定で計算をしています。3ページの説明の中にきちんと書き込むような形にしたいと思います。一日2時間短縮をしまして、その短縮した分の御本人は給料がカットされるという形で節約コストに入っているということです。
 それから、有期雇用の方につきましては、同じく一日2時間分を代替するために働いていらっしゃると。もしかしたら、御本人が帰られた後の時間帯になるのかもしれませんが、一日単位で見ると2人の方が一つの業務を分けているという形になります。
佐藤会長
実態上は、一日2時間なんて普通はなかなか無理ですから、業務を編成して一日5時間で2日来ているような人がいるというようなことだと思います。
勝間委員
このコスト計算は多分1行ぐらいで言えると思うんですけれども、要は、再雇用コストを考えれば、現状維持でもいろいろな試算をしても十分賄えるよということで、儲かるというよりは、多分コスト的に不利ではないというのがキーメッセージだと思うんです。それを何か文章で入れた方がいいかなと思うんですが。
佐藤会長
今の勝間さんの御意見は非常に大事で、辞めて雇うよりも、いていただいた方が、メリットがあるという書き方をする必要はないんですよね。
栗田調査官
今は3ページの上で下線を引いている部分ですけれども、「従業員が出産を機に退職し人員を補充するより、育児休業を取得し短時間勤務を行う方が、企業にとって費用負担が少なくなる」という表現を使っていますが。
勝間委員
費用負担が少なくなるというよりは、どちらかというとコストが掛からないから熟練労働者がいた方がいいですよということがメリットだと思うので、これぐらいの差だと正直コスト面でのメリットというのはないと余り思うんですよ。逆に、損しないというのがキーメッセージだと思うんですが。
佐藤会長
だから、すごく損をするようなメッセージがあるから、そうではないというように。
勝間委員
得をするというより、損をしなくてプラスアルファがほかの収入面や熟練面で見込めるということだと思います。
栗田調査官
では、「コストが掛からない。」ぐらいの表現でしょうか。
佐藤会長
そうですね。では、また後で見ていただければと思います。
勝間委員
もう一点すみません、3ページの下線部分は、業務の補う話が来てしまって、こちらも下線が引いてあるので、ちょっとメッセージが濁るかなと思ったんです。上の方と下の方と下線部分が2か所に分かれていて。注の下の方は下線も必要かどうかと。大事なのは上の方で、費用負担が少なくなるというよりコストが掛からないので、熟練者を残せるというのが多分キーメッセージで、下の方は注としては必要ですが、下線は必要かなと思いました。
佐藤会長
B-2の説明は、どういう条件かだけ書いた方がいいかもしれないですね。わざわざこういう意味でB-2を入れたと言わなくても。B-2は短縮分を周りの同僚が残業でカバーした場合のケースですよね。
栗田調査官
わざわざここを書きましたのは、本来であれば業務効率化等を一緒に進めて、所定時間内に賄えるようになれば、企業側もコストが掛からなくなるし、従業員のワーク・ライフ・バランスの実現にとってもいいと。
佐藤会長
2時間短縮した分まで業務効率で吸収しちゃえという意見ですか。
栗田調査官
いえ、短縮した分周りの方が業務代替をするときに、残業で代替をするのではなくて、業務分担見直しですとか、効率化を図ってなるべく……。
佐藤会長
それは言う必要はないと思いますよ。
武石委員
それを言うと、短時間の人の仕事は要らないということになってしまうので。
佐藤会長
恒常的にやっているという前提で議論すればよくて、そういう意味では残業はその時点では当然発生するということでいいんじゃないですか。
神田調査課長
ただ、この点は、短時間勤務によってその分を残業でやることを前提に設定をするということで、ちょっと誤解を与えるのではないかと。
佐藤会長
だったら、B-2は落とした方がいいですよ。あるいは、短時間勤務が長いからちょっと問題なんですけれども、1年ぐらいであれば、もともとそんなに残業がなければ周りで少し残業が増えるぐらいは問題ないわけだから、日ごろから残業がたくさんあったら困りますよ。基本的には残業がそれほどないという職場であれば、一時期はみんなでカバーしましょうがあっても、それは別に悪いわけではないので。
栗田調査官
B-2のケースですけれども、実体的には一番多いので、企業の方がごらんになったときに現実的に一番多いケースが全く紹介されていないというのも、どうかなという気持ちがありまして今入れています。
佐藤会長
そこで業務効率まで言う必要はないと。日ごろから残業を少なくしておかないとB-2ができませんと書いておけばいいので。それだけ言っておけばいいので、更に業務効率で残業を吸収しろということは言わない方がいいと思います。
永木委員
先ほど、牧野さんもおっしゃっていたプラスの取組というか、業務効率の向上もそういった取組だと思うんですけれども、それについては投資が必要だと思うんですね。ここでコストの差で浮いた分を投資に回せるよというような形で、業務効率についてはこれだけのコストが浮いた分こういう取組ができるとか、例えば、残業を減らすということに関しても、純粋に削減コストが試算のある数字があるとすれば、このコストに対して、それを実現するための投資というのがここの金額部分までは十分できるんですよというような考え方になるんじゃないかなと。
小室委員
これは全体で入れたらいいかなと、今、永木さんのお話を聞いて思ったのが、コストがどっちが得かということを本当は証明したいんですけれども、したいだけでなく、こういった浮いたコストではないですけれども、次の更に生産性アップの取組に投資していくいい循環を生み出すことが大切であるというような一文を入れると、伝えたいことがちゃんと伝わるのではないかと思います。実際にやっていらっしゃる企業さんも、残業代で浮いたから企業内託児所を考えようかとか、そういう話題になってくることが非常に多いので、その循環を回すことだというメッセージがあるといいかと思います。
牧野委員
コストのところだけ見てしまうと、見えないものとして、その個人個人が持つ個性や強みがあります。実際に育児休業をとって休んでいる人の経験値とかそういうものによって、例えば、ここで働いている人の生産性とか能力性というものは、必ずしもイコールにはならないというのが前提として必要です。そうでないと、こっちを促進したらもっとコスト効率がよくなるんじゃないかというコストの観点のみで走ることが懸念されます。前提として個々人の能力、この人に定着して、経験を生かしてもらうことに価値があるんだというところが、文章か何かでもいいんですけれども出ていないと、片方だけ見ているような気がして、この人に働いてもらいたいんだという価値というものが出せないのかなと、見ていて思いました。
栗田調査官
今メリット情報を総括している3の10~11ページに掛けて、今おっしゃっていたのは従業員の定着ということで、それまで培われた知識とか経験が失われるわけではなくて発揮されるんですよという話ですとか、多様性に富む従業員が確保できるとか、生活者の視点といったものが向上するといった説明とつながってくると思うんですけれども、どうしてもコスト情報を紹介するところと場所が離れているので、全部を通してごらんいただけないと、そういう御懸念を持たれてしまうのかもしれないですね。
佐藤会長
そうすると、小室委員が言われたことは11ページ以降に書きますか。業務改善、だからそれを更にまた投資していくような。
小室委員
本当は図式化とかした方がわかりやすいですよね。
佐藤会長
それと、7ページに業務効率化の取組の評価を入れていただくとか。
 3ページのさっきのところ「従業員全体の仕事と生活の調和実現の観点からは」というところをとってしまって、「残業業務で補う場合には、日ごろか恒常的残業を削減しておくことが必要だ」と書いておけばいいんじゃないですか。その3行をとってしまって、そのことさえ書いておけば。
神田調査課長
今、即断はしにくいんですが、要するに、読んだときに政府が出していくメッセージが正確に伝わるかどうかというのが気になるんですよね、こういうふうに同僚の代替と言うと。結構そういう部署というのは、子どもを産むような人がたくさん集まっている部署が集中していまして、そういう人たちがすべて同僚で残業でというメッセージを発することが、変な誤解を与えるような懸念が100%じゃなく2割ぐらいあるので、そこは誤解のないようにどこかに留意事項を入れておきたい、単にそれだけなんです。そこは表現ぶりをちょっと考えさせていただいてよろしいですか。
佐藤会長
そう書くこと自体が逆に違和感がありますね。
武石委員
残業をした場合にという前提がもう置いてあるんですから、そういう批判は余り気にしなくていいような気がしますが。
佐藤会長
残業しても問題ないような職場で残業での対応を選ぶわけですから。それが多いようだったら、ほかの人を入れろという話なんですよ、当然。
神田調査課長
ただ、政府としてある程度代表的な仮定を置くときに……。
佐藤会長
だから、これは残業してもそれほど周りの人が困らない状況の場合、残業でやるというだけの話なんですよ、当然。常に残業でやれというわけではないんですから。
神田調査課長
懸念は、そこがうまく伝わるかなというところなんです。
武石委員
逆に、さっき言ったみたいに、その人の分の仕事は効率化できるんだったら、パートでよくてフルタイムで働く必要はないですよねという話ですよね。そのぐらいの仕事しかしてなかったんですねということだと思うんですが。
小室委員
おっしゃりたい業務効率化は職場全体の業務効率化ですよね。その人の業務効率化ということではなくてということですよね。
佐藤会長
だから、私はそれを常にやっている必要があると思うんです。それは全然否定しないんだけれども、一時的にはアンバランスは当然出るんですよ。ゼロのときなんてないんですよ、それは当たり前なんです。それはお互い様でやっていくしかないんですから。
小室委員
ただ、私は御懸念の点はすごくわかる気がします。これを、いわゆる周辺で負担を持つ側の方が読んだときに、「周りの人でやってという話なの」というようなことを感じる人が多いだろうなという御懸念はすごくわかります。ただ、文章で書いたときに、もっとその不安を増幅させるかもしれないので、何か書きぶりを変更するとしても、このことを書かないとという意識はちょっとわかる気はするんです。ただ、書き方の工夫の検討ではないかと思います。
佐藤会長
では、それを検討してみてください。
武石委員
話が戻ってしまうんですけれども、Aの仮定がよくわからなかったんですが、退職者に支払うはずだった給与等とか、この辺は期間をどういうふうに設定して計算しているんですか。
栗田調査官
計算上は、中途採用者の方が一人前になるまでの期間4.5か月を計算しているんですけれども、それ以降は足し引きで全部ゼロになりますので。
武石委員
4.5か月ということは、右のBは休職期間中の給与602万円ですよね。こっちは335万円なので、単純に言うと6か月分以上ありますよね。
栗田調査官
説明が前のところが抜けていて申し訳ありませんでした。従業員の方がお辞めになって、その後、中途採用者の方を補充するまでの3か月間と、採用した後に中途採用者の方が一人前になるまでの4.5か月間の7.5か月間を計算していますので、半分よりちょっと多いぐらいの金額と。
武石委員
そうすると、投入コストも7.5か月までで、それ以降はプラマイゼロということですね。
栗田調査官
はい、そうです。期間が幾ら長くなっても一緒と。
武石委員
わかりました。
佐藤会長
ほかには。
武石委員
最後の11ページからの4番のまとめ方なんですけれども、内容としてはこういうことだと思うんですが、順番を私の印象としては、例えば②のトップの意識改革とか推進体制というのは最初に来て、そこから業務運営、職場レベルの話になってという方がいいのではないかという気がするんです。②の最初の2つの「○」を前に持っていっても、全体的な話になるのではないかという気がしたんですけれども、どうでしょうか。
佐藤会長
中間報告は、たしかそうなっていましたね。そうでもないですか。
栗田調査官
区分の仕方が違いましたので。
佐藤会長
②のトップ推進体制、それから、業務の見直しという順序にしたらどうかという御提案ですけれども、企業の方々いかがですか。
牧野委員
私は賛成ですね。やはり、どこが力を入れて推進するべきかというところは個人に任されるものではなくて、やはり企業としてトップがやっていくべきものだと思うので、そちらを優先した方がいいと思います。
佐藤会長
永木さんは。
永木委員
同じでございます。
佐藤会長
多分、並べ替えでやれると思うので、②の推進体制、適正人員は業務に入れてしまってもいいかもわかりませんが、それから、具体的な業務運営という順序で。
栗田調査官
①と②をそのまま順番を逆にすればよいでしょうか。
佐藤会長
もしかして、適正な人事・時間管理というのは①の方に入れてしまってもよさそうな感じですね。取引先は一番最後でいいと思いますが。
栗田調査官
では、②の「トップの意識改革・リーダーシップ、経営戦略への位置付け」と「推進体制の構築」を一番最初に持ってきて。
佐藤会長
業務運営の見直しみたいなところに適正な人員も入れてしまうと。
栗田調査官
わかりました。
佐藤会長
そうすると、今みたいな並べ替えと、あと、勝間さんがおっしゃったコストの示し方ですね。あと、3ページの下の下線を御検討いただくということ。あと、計算上7.5か月はわかりにくいので、少し工夫していただくということをやっていただこうと思います。
 あと、企業は基本的には、了解が得られるところは企業名を入れると。うちはだめだというところだけは匿名になるという考え方でいいですね。ですから、全体をお送りして見ていただいた方がいいと思います。こういう中に位置付けられますけれどもどうですかと聞いていただいて、了解が得られれば企業名を載せるということのようです。
 あと、4ページの参考のところは小室さんと御相談していただいて、新入社員の貢献とOJTを少し見て、やや大き過ぎる数字かなと思うので。
小室委員
ちょっとオーバーですよね。多分、インパクトのある数字にしようと頑張ってくれたのだと思います。
佐藤会長
もう一度見ていただく機会を設けますけれども、いかがでしょうか。
岡島委員
3~4ページ目に掛けてのコストのところなんですが、実際いろいろな企業に対してワーク・ライフ・バランスは大事ですよということを言うときのポイントだと思うんです。今までも御意見がありますけれども、どういう考え方というか、どういう単価を使ったかとか、どういう期間を使ったかとか、そういうものをむしろ注か何かで明確にしていただいた方がわかりやすいかなと思いますので、お願いしたいと思います。
佐藤会長
今のところは計算は非公表でついているけれども、これは載らないんですね。
栗田調査官
コストの細かい計算は資料6に入っていまして、全部の細かい仮定まで資料5に書きますと長くなってしまうものですから、別添資料を見ていただく形で。
佐藤会長
載ることは載るんですね。では、そのことを踏まえて、前にあった方がいいものだけをちょっと触れて、あとは基本的に後ろを見てくださいという形になるようです。
 ほかには。
栗田調査官
補足ですけれども、公表するものとしては資料5が読んでいただく本体ということになって、資料6のコスト情報の仮定の詳細と、資料7の企業インタビュー結果と、その後ろにあるデータ面「参考」と書いてございますけれども、こちらは企業がメリットを感じるのに関連する情報ということで集めたものですが、これは皆すべて参考資料という形で一緒に公表したらどうかと考えています。
佐藤会長
そうすると、資料7の企業のインタビュー記録も後ろにつくんですね。そうすると、企業に後ろの部分と前も見てもらう方がいいですね。
栗田調査官
はい、そうです。
佐藤会長
本体と後ろに計算資料とかインタビュー記録がつくということのようです。
 もう一度見ていただく時間はありますけれども、今日出していただく大きな点はほかにございますか。
 それでは、今日も非常に重要な意見を出したいただきましたので、それを踏まえて案を修正していただいて、それをまた皆さんに見ていただくと。最終的には事務局と私で調整させていただきたいと思いますが、今日の御意見を踏まえたものはお送りさせていただきますので、また見ていただければと思います。
 あと、事例を掲載する企業については、また別途それぞれで御了解いただければと思いますので。
 あと、事務局から何か連絡事項はございますか。
神田調査課長
今日の資料の取扱いですが、全部非公表になっておりますので、取扱いをよろしくお願いします。最後のグラフだけは違いますが、基本的に非公表です。
 あと、今後の予定としましては、実現度指標の方は一応25日に公表することを予定といたしまして、本日の意見を踏まえて修正させていただいたものを、また皆様にメールでお渡しをしますので、コメント等よろしくお願いします。
佐藤会長
そうすると、かなり短期間で見ていただくことになりますね。いつ皆さんに届くことになりますか。
神田調査課長
明日ぐらいですか。それで、金曜日にコメントをいただきたいと。
佐藤会長
そうすると、どこに送ってほしいかというのは、例えば、大学に送られてもいないとかそういう御都合があると思うので、どこに連絡をいただくのがいいのかというのは後で事務局に。
 そうしますと、明日届いて金曜日中だそうです。実現度指標の方は25日公表ということで、事前にいろいろな調整もあるようですので、済みませんがよろしくお願いします。
小室委員
データで送っていただいた方がありがたいです。
佐藤会長
紙で自宅がいいとか、それぞれ何か特別な要望がある方は後で事務局に。
栗田調査官
あと、企業がワーク・ライフ・バランスに取り組むメリットの方につきましては、本日いただきました御意見を踏まえまして、直したものをもう一度皆様に御確認いただきたいと思います。それと並行しまして、掲載してあります企業さんに原稿をチェックしていただいて、4月上旬を目途に公表したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
佐藤会長
こちらは4月上旬公表ということですので、これはちょっと後ですから、極端に一日でということはないと思います。
 あと、永木さんと牧野さんは事例もありますので、できれば企業名が入る方がいいかと思いますので、その辺調整していただければと思います。
神田調査課長
今後なんですけれども、今年度中の開催はもうこれでおしまいになります。お疲れさまです、ありがとうございました。来年度以降なんですが、おかげさまでワーク・ライフ・バランスについては官民トップ会合だとか、連携推進評価部会とか動くので、そことのすみ分けを考えながら、男女局としてワーク・ライフ・バランスは重要な柱であることには変わりがないので、引き続きこの会合を持っていきたいと思っています。ただ、テーマについてはそちらとのすみ分けがありますので、改めて中で議論を重ねて、また御相談をしたいと思っています。
 また、本日最後になりますけれども、今回の実現度指標、ヒアリング等、コスト計算等、みずほ情報総研の方に非常に御苦労いただきまして、皆さん御尽力いただきました。今日が多分最後になると思いますので、本当に感謝いたします。どうもありがとうございました。
佐藤会長
そういうことで、専門調査会としては最後じゃないみたいですが、今回の議論では、実現度指標と企業への情報提供の2つの報告書が今年度末と年度明けに出て、一応それでとりあえずの活動は終わりということです。ただ、専門調査会でまた新しい議論を始めるようですので、そのときにはお忙しいかと思いますが、また是非御協力いただければと思います。
 どうもありがとうございました。

以上