第3回 苦情処理・監視専門調査会 議事要旨

(開催要領)

  • 日時:平成13年6月1日(金)15:00~17:00
  • 場所:内閣府府議室

(出席者)

会長
古橋 源六郎 (財)ソルト・サイエンス研究財団理事長
会長代理
庄司 洋子 立教大学教授
委員
岡谷 恵子 (社)日本看護協会専務理事
神田 道子 東洋大学長
桜井 陽子 (財)横浜市女性協会事業ディレクター
佐藤 博樹 東京大学社会科学研究所教授
野中 邦子 弁護士
広岡 守穂 中央大学教授
深尾 凱子 埼玉短期大学教授
松下 倶子 独立行政法人国立少年自然の家理事長、聖徳大学教授
八木 宏典 東京大学教授
山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
山谷 清志 岩手県立大学教授

(議事次第)

  1. 開会
  2. 男女共同参画関連施策の概況(関係府省ヒアリング)
    • <1>内閣府
    • <2>農林水産省
  3. 質疑応答
  4. 女性関連施設における相談事業の概要等
    • <報告者> 桜井委員
  5. 質疑応答
  6. 今後のスケジュールについて
  7. 閉会

(配布資料)

資料1
各府省における男女共同参画推進体制の整備推進について [PDF形式:29KB] 別ウインドウで開きます
資料2
男女共同参画社会の形成の促進のための取組(内閣府)
資料3
苦情処理・監視専門調査会(第3回説明資料)(農林水産省) [PDF形式:776KB] 別ウインドウで開きます
資料4
女性関連施設における相談事業(桜井委員)
資料5
苦情処理・監視・当面のスケジュール(案)
資料6
苦情処理・監視専門調査会・今後の予定について(案) [PDF形式:6KB] 別ウインドウで開きます
資料7
苦情処理・監視専門調査会「地方ヒアリング」の開催について(案)
資料8
苦情処理・監視専門調査会(第1回)議事録

(概要)

○ 冒頭、松下副大臣より、資料1を元に、副大臣会議において1府12省すべてにおいて、副大臣を本部長とする男女共同参画推進会議が新たに発足した旨、報告があった。

○ 男女共同参画関連施策の概況についてのヒアリング
内閣府、農林水産省からそれぞれ男女共同参画関連施策の概況について説明が行われ、質疑応答が行われた。

<1>内閣府説明部分に関する質疑応答

(山口委員)
国の審議会等委員への女性の参画の促進に関して、昨年8月に30%という新たな目標を向こう5年間で達成する旨本部決定したが、従来の伸び率を勘案すると、そのような短期間に目標を達成するためには相当の努力が必要である。たとえば、委員の兼職や充て職についても聖域視せず、何らかの措置を講じなくてはならないだろう。
また、今年から「男女共同参画週間」が労働省の「女性週間」に代わって始まるが、その趣旨の中に、基本法の目的、基本理念についての周知を図るほか、女性の地位の向上を図るという「女性週間」の精神も盛りこんで行ってほしい。取り上げるべきテーマについては今後は一年くらい前から例えば、全国会議の際にアンケートをするなどして募集により早めに決定したほうがよい。
(古橋委員)
充て職、兼職の問題は真剣に取り組むべき問題であるが、審議会の下部組織としていろいろ置かれている部会や委員会等における女性委員の状況についてもどう取り扱うべきなのか、考えていく必要がある。
(八木委員)
市町村における計画の策定状況はどうなのか
(綱木総務課長)
昨年の数字しかないが、市町村の計画策定率はまだ20%にも達しておらず低い。今後市町村が計画を策定するのを支援するためにガイドラインを作成していくつもりである。
(佐藤委員)
広報・啓発活動として、男女共同参画社会づくりにあたっての阻害要因を解明することを目的とした、男女共同参画社会についての研究を促進することが非常に重要であると考えている。日本の男女共同参画のあり方についての研究が促進されるよう、研究に必要なデータが入手できるようにしてほしい。
(山口委員)
男女共同参画宣言都市について、一旦宣言都市となった自治体のその後の取組みについて是非ともフォローアップ体制を整えるべきである。
(古橋会長)
先般人事院の指針が出たが、数値目標を明確に掲げるところまで踏み込めなかった。女性国家公務員の登用の促進を真に実効性あるものとするためには具体的な数値目標を提示し、それを基準に監視していく必要がある。

<2>農林水産省説明部分に関する質疑応答

(広岡委員)
新規就農が独身女性であっても可能であるような環境整備が必要である。潜在的に就農したいという独身女性は意外に多いという話を聞いている。
また、女性農業委員の数については地域によってばらつきがみられる。増やすよう手段を講ずるべきである。また、女性が食品加工等のビジネスを行う際のノウハウの提供や、商品を実際に作っていてその特性を十分把握している女性自身が自由に営業活動に出られるよう、家族の理解を得られるようなシステムを作る必要がある。
(農林水産省)
農業委員の数の地域間格差について、学識委員と呼ばれる、選挙によらない委員については、女性委員を積極的に入れるよう、省としても県や農業委員会を指導している。
(野中委員)
女性の場合、実際は農業経営に大変寄与しているにも関わらず、その分が金額のかたちでは評価されないがために相続の際に大変不利な立場におかれがちである。また、農地を取得する際にも条件が厳しく、夫の名義から替えるのに大変苦労することになる。また、新規就農すること自体が農地取得にまつわる様々な制約によって困難な状況にある。
(農林水産省)
農地を相続できるようにするためには、例えば、家族経営協定を結んで青色申告し、自分の名義で対外的にもわかるような形で収入を得ることが大事である。
(八木委員)
男女共同参画社会の形成を進めていく上で家族経営協定はもっとも大事だと考える。実際には家族農業経営には女性が相当貢献しているものと思われるが、その貢献度合いの適正評価、そのためのルール作りを行うことが必要である。
(古橋委員)
農山漁村男女共同参画推進指針により、都道府県に女性の参画目標を策定させるなど、ある程度推進体制が整備されたものの、達成状況を国が着実に監視できるようにするためには数値目標を公表させてはどうか。家族経営協定も達成数値目標を定めることでより普及させることができるのではないか。また、家族経営協定が具体的にどういったものかを明らかにしてより一層の普及をはかるためにも、家族経営協定の実態調査を農水省に是非行ってほしい。
更なる普及をはかるために、家族経営協定が公の場で議論されるような場の提供と、生産法人化の促進をお願いしたい。

○ 次に桜井委員から、女性関連施策における相談事業の概要等について説明があり、質疑応答が行われた。

(山口委員)
横浜市のように女性センター等の施設を条例の中に盛り込むことは非常に重要である。さもないと財政状況を理由に存続自体が危機にさらされる可能性がある。
(広岡委員)
行政相談委員や人権擁護委員よりもむしろ、女性センターなどのほうが、相談事業をキチンとやれているのではないか。
(桜井委員)
横浜市の場合は職員に十分な研修を行った上で相談の現場に出しているが、そういった心構えやケーススタディ等に関する研修を十分に受けた上で相談員をやっているところはさほど多くないと思う。
また、相談の内容の分野は広範囲にわたることから、相談に応じて適切な処理ができる専門機関を紹介できる能力の養成も重要である。さらにそういった機関間の連携も不可欠である。

(以上)

(以上)