- 日時: 平成21年8月27日(木) 10:00~12:30
- 場所: 永田町合同庁舎第1会議室
(開催要領)
- 出席者
- 会長
- 羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 同
- 石川 哲也 神戸大学大学院教授
- 同
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
- 同
- 岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
- 同
- 帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
- 同
- 加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
- 同
- 五條 満義 東京農業大学准教授
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 佐藤 博樹 東京大学教授
- 同
- 辻村 みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 林 陽子 弁護士
- 同
- 山田 昌弘 中央大学教授
(議事次第)
- 男女共同参画基本計画(第2次)フォローアップ 関係府省ヒアリング
- 第2分野 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し・意識の改革
- 第4分野 活力ある農山漁村の実現に向けた男女共同参画の確立
- (第3部 計画の推進)
- 第2分野 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し・意識の改革
(配布資料)
- 資料1 様式1
-
「2.男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」[PDF形式:209KB]
- 資料2 様式2
- 「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」
- 資料3 様式1
-
「4. 活力ある農山漁村の実現に向けた男女共同参画の確立」 [PDF形式:174KB]
- 資料4 様式2
-
「男女共同参画基本計画に関する施策の評価等について」 農林水産省作成資料、参考資料 [PDF形式:204KB]
- 資料7 様式1
-
第3次基本計画の重点事項の考え方について(案) [PDF形式:195KB]
- 資料8 様式1
-
基本問題・計画専門調査会ワーキング・グループ (WG) 等の運営について(案) [PDF形式:167KB]
- 資料9
- 第45回基本問題・計画専門調査会(6/29)の議事録
(議事の概要)
現行の男女共同参画基本計画(第2次)に関する取組状況の把握のため、基本計画の第2分野(「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」)、第4分野(「活力ある農山漁村の実現に向けた男女共同参画の確立」)について関係府省よりヒアリングを行った。事前に受け付けた委員からの質問への回答を含め、取組の現状についての各府省からの発表後、質疑及び意見交換を行った。(「計画の推進」については、時間の都合上次回の調査会に持ち越すことになった。)
資料に基づき第3次計画の重点事項の考え方と、WGの運営について事務局より説明を行った。
第45回調査会議事録の内閣府ホームページでの公開について了承を得た。
○質疑・意見交換の概要
【基本計画第2分野「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」】
- 国際的な学力調査のように日本の学力調査についても男女別のデータをきちんと把握しておく必要があるのではないか。
- 地方自治体の男女共同参画条例の制定率について、若干低いのではないか。
- 女子差別撤廃委員会の勧告の中で、マイノリティ女性について次回の報告までに調査するようにと言われているが、次回の報告までにそれを可能にするような体制が整うか。
- 選択的夫婦別氏制度の導入のための民法の改正について、女子差別撤廃委員会の勧告では、女子差別撤廃条約の履行義務があるという形で求められているのに、世論調査に依拠にしているままでは説明がつかないのではないか。今後の対応を検討してほしい。
また、再婚禁止期間規定についても、他の国では国民の世論を二分するような議論もあるが、政府や関係機関の強い意思によって削除という法改正がなされてきている。政府が何もしないで国民の世論が高まってから改正するというのでは、なかなか追いついていかない。 - 民法改正については、従来より女子差別撤廃委員会から、直ちに改正するためのアクションを取るよう要請されている。改正できないことについて日本政府としての反論があるのであれば委員会で反論してほしい。
- 年金制度について、通常収入がない第3号被保険者は保険料を納付しなくても納付したとみなす制度であるのに、非正規雇用やフリーランスの夫の妻には納付義務が生じてしまう。収入のない専業主婦であっても、夫が第1号被保険者であれば納付義務が生じ、第3号被保険者から外れる人が出てくるのが現行の仕組みということでいいか。
- 女性のキャリア形成支援について、中等・高等教育の中で女子学生に特化したキャリア教育を推進しているのか。女子学生の方が仕事を通じて自己実現したいという意識が高いように思うが、多様な働き方を若いうちからいろいろ教育することが大切なのではないか。
【基本計画第4分野「活力ある農山漁村の実現に向けた男女共同参画の確立」】
- 家族経営協定の推進に影響しているのは、現場での普及推進の体制。協定普及はそれを継続していくための取組と協定内容を指導したりサポートしたりする取組がうまく一体化していないと進まない。そのためには農山漁村の男女共同参画推進の問題について現場の事務局機能を果たしている普及員の存在は非常に重要だが、脆弱化しているという問題がある。
- ここ数年の新たな課題として、新規参入を希望する女性にどのようなサポートができるかということがある。新規就農したい女性に差別的な扱いが起きないような環境づくりを、共同参画の視点からもっとPRしていくことが重要。
- 集落営農における女性の意思決定への参画も大きな課題。農地の権利名義がなくても意思決定の場に参加できるような方向づけ、プロセスをどう進めていくかが非常に重要。
- 基本計画を通じて国が何をすべきかということをもっと明らかにしていくことが大事。例えばエコファーマーの問題をひとつの切り口にして環境対策との接点を入れるべきではないか。
- 第4分野だけでなく基本計画全体に言えることだが、計画の中で男女共同参画という視点をもっと引き立たせていく必要があると思う。
- 農政課題は地域の問題全体として取り組んでいかねばならず、省庁を超えた課題が数多くある。女性の農業委員の登用問題も基本計画の第1分野に関わる問題で、社会構造の岩盤をうち崩さなければ変わっていかない。農林水産省と他の省庁との連携で地域の現場ではどういうことができるのかを考えていくような組み立て方をしていく必要があるのではないか。
- 女性の地位が低いことが農山村の結婚難をもたらしている。娘をサラリーマンと結婚させ、息子には嫁をもらいたいと思っている農山村の親たちの意識は変わらないのだろうか。家族協定の有無によって、結婚難の状況が左右されるような実態はあるのか。また、高齢者とその跡継ぎの中高年の息子が残されている地域が大量に存在しているはずだが、その人たちが高齢化したときの対策は考えているのか。
- 家族経営協定の仕組みを、商工自営業者の家族従業者の問題にリンクさせることもできるのではないか。
- クロスコンプライアンスは先駆的な事例。農水省がつくり出してきた男女共同参画のモデルの可能性と限界を整理して全体化する必要があると思う。
- 家族経営協定に関しては、それを結ぼうという会話が夫婦で成り立つような農業家庭にすることがむしろ大切なのではないか。
- 農業委員に占める女性の割合が高い市町村は、地域の多様な主体との連携が非常に豊かな地域なのではないかという実感がある。農業委員に占める女性割合の高い市町村の背景、多様な主体との連携、協働の状況などについて調査を行ったことはあるのか。
(以上)