- 日時: 平成20年5月26日(月) 15:00~17:00
- 場所: 内閣府庁舎3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授、東京家政学院大学客員教授
- 委員
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 辻村 みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 平野 治生 財団法人日本広報センター理事長
- 同
- 室伏 きみ子 お茶の水女子大学教授
- 同
- 山田 昌弘 中央大学教授
(議事次第)
- 地域における男女共同参画推進の今後のあり方について(意見募集結果と報告書の中間整理)
(配布資料)
- 資料1-1
- 地域における男女共同参画推進の今後のあり方について(中間整理)意見募集結果について
- 資料1-2
- 地域における男女共同参画推進の今後のあり方について(中間整理)
- 資料2
-
桜井委員資料 [PDF形式:160KB]
- 資料3
- 基本問題専門調査会 第35回議事録(案)
(議事の概要)
国民からの意見募集結果を、報告書の中間整理にどのように反映させるかについて協議した。今回の協議結果を踏まえて報告書の中間整理を修正し、委員に再確認後、男女共同参画会議に報告することになった。
○報告・意見交換の概要
【全国女性会館協議会の取組】
全国女性会館協議会は、全国の女性関連施設の中間支援組織として、研修事業、情報提供事業、相談・コンサルティング事業、全国大会の開催、助成事業、調査研究事業を実施。
助成事業では、マイクロソフト社の協力を得て、女性関連施設での社会的・経済的に困難な状況にある女性を対象とするパソコン講座の実施を支援している。類似事業の実施経験がない施設でも実施できるよう事業をパッケージ化し、事前研修も実施している。また、継続的に実施していけるよう地元の自治体、NPO、企業等との積極的な連携・協働を目指している。
この事業の目的は、経済的に困難な状況にある女性の自立支援だけでなく、女性関連施設の総合施設としての自立支援、内なる資源の見直しと、地域の社会資源とのネットワーク形成を通じた男女共同参画推進の拠点施設としての位置づけの確立。
この事業に多くの受講者が参加し、満足度も高かった。施設としての成果は、施設内資源の見直しと総合的利用、ニーズの発見と支援ノウハウの蓄積、地域の社会資源との連携ノウハウの蓄積、職員の力量向上が挙げられる。
全国女性会館協議会の現在の課題は、NPO法人化によって自治体直営館が脱退したことと活動資金の確保。
- 施設名に「女性」と「男女共同参画」のどちらを冠するかは、男性も対象とするのかなど、その施設の位置づけに関わる。全国女性会館協議会は、「女性会館」という名称を使っているが、その点をどう考えるか。
→実態は男女共同参画センターの方が多い。女性のエンパワーメントという軸を外さなければ、各館がそれぞれの理念でやってもらえばよいと考えている。 - 全国女性会館協議会の経済的に困難な女性への支援は、センターのリソースを総合的に活用し、地域の社会資源とのネットワークを形成するという先駆的な事例。
- 男女共同参画センター等は、生活に余裕のある主婦の集まる場だった。そこから脱皮の時期にきており、困難女性に目を向けたのは大きい。
- 経済的に自立困難な女性に視点を当てることは重要。支援担当者のヒューマンスキルを重視していることも重要。支援担当者がヒューマンスキルを持ってきちんと対応することは、他にも応用できる。
【意見募集結果】
- 国民からの批判的な意見は、男女共同参画がどう見られているかという点で重要であり、問題提起も含まれている。
- 国民の目線で見るために、国民の生の意見を募集する機会を定期的につくるべき。
【地域における男女共同参画推進の今後のあり方の提起、現状と課題】
- 「地域」の範囲を明確にする必要がある。
- 知識の習得や研修を否定しているように思われないように、知識の習得・研修と実践的活動の両方が必要であることを書いておくべき。
- 首長、議員の女性比率、条例制定率が頭打ちになっている理由等について、マクロな視点で現状分析をするべき。地方公共団体については行政中心に書かれているが、議会の動きが重要。
【今後の地域における男女共同参画の推進の基本的な方向性、男女共同参画の推進主体、多様な主体】
- 課題解決型の実践的な活動だけではなく、課題を見つけることについても書くべき。
- 経営者団体についても書くべき。
【人材の発掘・確保・育成】
- 人材育成の具体的な方策を書くべき。男女共同参画センター等の職員だけでなく、地域の人材をどう育てていくかも具体的に書く必要がある。
- 男女共同参画に関わる人材のやる気をどう保つか、インセンティブについて考える必要がある。努力して力をつけても昇進・収入アップ等のメリットがないと、燃え尽き症候群に結びつくことがある。
- 決められたことしかできない、裁量がない状態はつらいが、裁量の範囲が広い事業であれば、職員は意欲的に取り組み、自分の力を発揮できる。
- 個人ではなく組織基盤を考えた人材育成・確保が必要。
- 苦情処理のような「感情労働」にはヒューマンスキルが必要で、この分野で女性が進出する余地がある。
(以上)