- 日時: 平成19年12月26日(水) 13:00~15:00
- 場所: 内閣府庁舎3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 阿部 正浩 獨協大学准教授
- 同
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
- 同
- 加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 河野真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会統括本部長
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 辻村 みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 平野 治生 財団法人日本広報センター理事長
- 同
- 山田 昌弘 京学芸大学教授
(議事次第)
- 男女共同参画の今後の地域レベルの推進方策について (報告書の論点について)
(配布資料)
- 資料1
- 基本問題専門調査会の論点(素案)
- 資料2
- 基本問題専門調査会第32回議事録
○男女共同参画の今後の地域レベルの推進方策について(報告書の論点について)
本調査会の報告書の論点素案について協議。委員からの意見を踏まえて改定案を作成し、改めて議論することとなった。
○運営規則の一部改正について
議事録を専門調査会に長期間諮れない場合は、議事録案を各委員に送付して承認を得たうえで公開する方法をとることが確認された。そのうえで、前回提案された運営規則の一部改正が承認された。
○意見交換の概要
【報告書の趣旨・全般的事項】
- 男女共同参画の事業等に男性・若者の参加が少ない、「男女共同参画」を表に出すと敬遠されるという実態もある。このような閉塞感を打破するため、男女共同参画をこれまでより幅広に捉えてもよい。多様性をキーワードに、男女共同参画が新しい段階に入ったことを示す報告書になるとよい。
- 男女共同参画だけの切り口では、地域の既存の構造や関係性を発展的に変えていくことは難しい。あえて男女共同参画から入らず、幅広くテーマを設定し、多様な主体を巻き込むことで男女共同参画を進めることも必要ではないか。
- 男女共同参画を直接の目的としない団体・個人も男女共同参画の担い手として巻き込むことによって、男女共同参画セクションの存在意義が疑問視されないか。男女共同参画の視点からのアプローチが重要であることを押さえておくべき。
- 男女共同参画の意義、基本法制定からこれまでの経過と課題、なぜ地域における男女共同参画を取り上げたのかを書き加えた方がよい。
- すべての施策に男女の視点を取り入れていくことが必要。
【多様性・格差】
- 女性の若年層に固定的役割分担意識に賛成する人が増えており、その理由を検討する必要がある。
- 格差社会の中で女性も多様化している。子育て中の母親、DV被害者、女性のニート、ワーキングプア等の生きにくい人たちの問題を重視するべき。厚生労働省等の施策とは違った、男女共同参画サイドならではの視点の整理が必要。
- 個人を基本にしなければうまくいかなくなっている。そのうえで、男女共同参画の視点で人と人の繋がりや家族、地域社会を位置づける必要がある。
- コミュニケーションは重要。男女でジェンダーの問題について話し合うことも大切。
【地域の多様性】
- 地域の特性は多様であり、地域で男女共同参画を進めるには、地域の特性に応じた施策が必要。
- 地域間に多様性とはいえないほどの格差が生じており、任せられる地域と任せられない地域がある。NPO、企業、大学など人材的資源がない地域も多く、配慮が必要。
【男女共同参画の担い手】
- 国・都道府県・市町村・民間団体の役割と連携について書くべき。
- NPO等の多様な団体が具体的に展開していけるような、アクションプランをつくるとよい。
- NPO以外の民間団体、経営者団体、労働団体、婦人会、青年団等にも触れるべき。
- 女性が外に出られない、女性は下働きのみで意思決定に参画できないという地域もあり、伝統的な地域団体への働きかけが必要。
- 「産学官民」のうち「学」の成果と課題についても触れるとよい。
【男女センター等】
- 男女センターの存在意義について、明確なガイドラインが出せるとよい。
- 男女センターは、地域の人材等の情報を集積して地域の情報窓口となり、ネットワークの足掛かりとなる機能を充実させることが重要であること書く。
- 男女センター間の格差が大きく、行政から放置され、何をしてよいかわからず閑古鳥が鳴いているセンターもある。男女センターの応援になるような内容も盛り込むとよい。
- 指定管理者制度の導入により実施主体が多様になり、何をやってもよいという状態になってきた面もある。人を集めて何かをするのが事業だと考えている男女センターもあり、地域に男女共同参画を浸透させることが役割であるという共通認識が必要。
- 行政のコストダウンのためにNPOが使われている面もある。男女センターの職員の処遇改善が必要。研修旅費もない状態では、職員の確保・育成は困難。
【行政の施策・事業】
- 切実な現状はあるが明るい話題も必要。地域の輝きを取り戻すためには男女共同参画が重要であり、そのような成功事例を取り上げるとよい。
- 地域で重要になっている防災、防犯も取り上げるとよい。
- 定量的に計れない部分の定性的な評価も必要。
- ニーズの把握等について、皮膚感覚としてはわかっても客観的根拠に乏しい。今後は定量的な把握も必要であることを盛り込むべき。
- 国際的な動きが見えない状況で施策が進められていることが停滞の原因の一つ。地域の男女共同参画と世界が繋がる窓口をつくれるとよい。男女共同参画の視点で成功した海外の事例も盛り込むとよい。
(以上)