- 日時: 平成19年9月19日(木) 13:30~15:30
- 場所: 内閣府庁舎3階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役社長
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 渡辺 幸子 多摩市長
- 説明者
- 吉田 敬子 岩手県男女共同参画センター総括チーフ
- 同
- 藤村朗 岩手県環境生活部青少年・男女共同参画課主査
- 同
- 浜野 令子 京都府女性総合センター館長
(内容)
- 調査に関する報告
- (1)女性の政策・方針決定参画状況調べ
- (2)地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況
- 男女共同参画の今後の地域レベルの推進方策について(壮年期向けの施策・事業(チャレンジ支援))
- (1)地方公共団体及び男女共同参画センター等からのヒアリング
(岩手県、京都府) - (2)意見交換
- (1)地方公共団体及び男女共同参画センター等からのヒアリング
(配布資料)
- 資料1-1
- 女性の政策・方針決定参画状況調べ
- 資料1-2
- 地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況(平成19年度)(概要)
- 資料2
-
チャレンジ支援のための施策・事業例 [PDF形式:11KB]
- 資料3
-
岩手県資料 [PDF形式:158KB]
- 資料4
-
京都府資料 [PDF形式:874KB]
○事務局から、「女性の政策・方針決定参画状況調べ」及び「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況(平成19年度)(概要)」について報告があった(資料1)。
○事務局からチャレンジ支援のための施策・事業例について説明(資料2)があった後、岩手県及び京都府から、チャレンジ支援を中心に組織体制、施策・事業の概要等について説明(資料3、4)、質疑応答及び意見交換が行われた。
○意見交換の概要
- チャレンジ支援施策を男女共同参画サイドでする理由を明確にしておくべき。女性の再チャレンジで、男女共同参画、特にジェンダーの視点に立った支援によって、女性の潜在的な能力を社会化できる。それは既存のハローワーク等の仕組みでは難しい。
- チャレンジ支援施策を男女共同参画サイドでする理由は、女性のエンパワーメントのため。
- 女性が働く目的は、お金だけではなく、達成感、生きがいを得る、趣味を延ばすという意味がある。女性の価値観をビジネスに結びつけるためには、男女センターでチャレンジ支援をする意味がある。
- 女性のエンパワーメントの触媒としては、行政よりも、同様の経験を持つ身近な人との関わりが有効。
- 再チャレンジしようとする女性には、自分の適性がわからない人が多いが、とりあえずやってみることが必要。企業ブランド等にこだわらず、何をしたいかを考えた方がよい。
- 女性が企業等の組織で認められるためには、感性的なコミュニケーションではなくビジネスとしてのコミュニケーションの能力、仕事より家庭事情を優先させないこと、個人的なあつれきや集団内のプレッシャーに耐えられることが必要。これらは社会的訓練、経験で培うしかない。インターンシップのような方法があればよい。
- 再チャレンジには、職業に直接結びつく能力を修得する前に、社会に出る準備態勢をつくる必要がある。
- 子育てを優先した働き方は、子育てしながら地域活動をするNPOでは望ましい働き方。インターンシップのようにジョブトレーニングができる機関として、NPOを整備する施策があればよい。
- 現場では、能力ではなく経験から男女差が出てくる。補完関係のように、男女が一緒に事業展開をするのもよい。
- 女性の再就職には、年齢や子どもの数よりも、過去の就業経験が大きく影響する。再チャレンジには中長期的なビジョンが必要で、学生時代や退職前から後のことを考えておく必要がある。
- 再チャレンジ後に辞める人が多く、そのミスマッチの解決が課題。職業紹介だけでなく、その後のフォローが重要。夢だけを追っている起業したい人にも、基本的な教育が必要。
- 女性向けの就業相談には、単なる就職のあっせんではなく、男女共同参画の視点を持って、その人に寄り添って支援する必要がある。起業後の支援も重要。
- 女性を安上がりの労働力と見なして酷使する企業もある。就業後も、労政センターや労働基準監督署等と連携した法的なアドバイス等の支援も必要。
- 再就職した女性は、企業にとってはまだ異色な存在。再チャレンジする女性を受け入れる企業を開拓しておく必要がある。
- チャレンジ支援講座等は、受講者数が限定されているため、インターネット、文字、映像等の媒体を活用して広く情報提供するべき。
- チャレンジ支援や男女共同参画について、業界団体全体で話し合える場を初めてつくった。この組織は、ワーク・ライフ・バランスをはじめ男女共同参画全体を浸透させるために有効に働いた。今後も大事にすべき。また、このような成果をどう発展させるかを考えるべき。
- 経営、労働、行政の3者のコミュニケーションの場をつくることが、今後の男女共同参画や労働に関する施策に寄与する可能性がある。
- 新しい事業をたくさん実施するためには、民間の方々のノウハウを使ったネットワークがないと進んでいかない。
- 都道府県の男女センターは、地域のニーズに即応できる市町村の男女センターとうまく連携・協働するべき。自治体内部でも、男女共同参画の担当部門と他の部門との連携を強化するべき。
- 市町村によっては、住民が問題意識を持っていないために男女共同参画施策の優先順位が低い。出前講座や、地域サポーター等の養成が必要。
- 意欲のある女性を見つけ出すため、地域おこしセミナーによって地域の核になる人を育成したり、拠点づくりをして老舗団体等とタイアップしながら新しい感覚のリーダーを育てようとしている。
(以上)