- 日時: 平成16年2月25日(水) 13:00~15:00
- 場所: 内閣府5階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
- 委員
- 北村 節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 高橋 和之 東京大学教授
- 同
- 竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
- 同
- 寺尾 美子 東京大学教授
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
(議事次第)
- 開会
- 女性のチャレンジ支援策の実施状況について
- 男女共同参画と少子化問題について
- 「男女共同参画社会の将来像検討会」における検討状況について
- 閉会
(配布資料)
- 資料1-1
-
女性のチャレンジ支援策の推進について(男女共同参画推進本部決定) [PDF形式:14KB]
- 資料1-2
-
国の審議会等における女性委員の参画状況について(参考) [PDF形式:14KB]
- 資料1-3
-
ポジティブ・アクション研究会について [PDF形式:5KB]
- 資料1-4
-
チャレンジ支援ネットワーク検討会について [PDF形式:16KB]
- 資料1-5
- 女性のチャレンジ支援ネットワーク環境整備に関するアンケート結果報告(第4回チャレンジ支援ネットワーク検討会配布資料)
- 資料1-6
-
チャレンジ支援ネットワーク検討会報告書骨子案及び具体的な論点 [PDF形式:357KB]
- 資料1-7
- チャレンジ・キャンペーン実施状況等
- 資料2-1
-
少子化に関する最近の動きについて [PDF形式:93KB]
- 資料2-2
-
男女共同参画と少子化(最近の分析の動き) [PDF形式:711KB]
- 資料2-3
-
女性のチャレンジ支援策について(抜粋) [PDF形式:9KB]
- 資料2-4-1
-
仕事と子育ての両立支援策の方針について [PDF形式:15KB]
- 資料2-4-2
- 仕事と子育ての両立支援策について
- 資料2-5
- 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視に関する調査検討結果について(平成13年度)
- 資料3-1
-
男女共同参画社会の将来像について(報告書骨子案) [PDF形式:73KB]
- 資料3-2
-
男女共同参画社会の将来像検討会について [PDF形式:10KB]
(概要)
「男女共同参画と少子化問題」、「女性のチャレンジ支援策の実施状況」、「『男女共同参画社会の将来像検討会』における検討状況」について事務局から説明があった後、自由討議が行われた。
- 古橋委員
- 今回のこの分析は非常に結構だと思うが、1つ目は、前提として共働きになったときにネットとして所得が増えることがなければいけないが、その点については本当に大丈夫か。2点目は、子どもの教育費が高くなってきており、この問題について政府全体として考えなければいけない。
- 住田委員
- 少子化では常にまず数が問題にされるが、今回は、男女共同参画が進むと少子化の減少につながることについて、数字的なものを挙げて説明しており、説得力があると思う。ただ、それを言うと常に次に出てくるのは質の問題で、子どもが多くても非行が増えたり、子どもがきちっとした形で育たなかったりすることは、統計では見えないとよく言われるわけで、その辺についてもきちんとその次の問題として説得力あるものを提示する必要があるのではないか。
- 岩男会長
- 少子化社会対策大綱に私どもの意見を反映させていただくということで、御意見は出尽くしたかと思うが、私にお任せいただくということでよろしいか。
(「異議なし」と声あり)
- 寺尾委員
- 先ほどの統計的な分析について、当初は諸外国でも負の相関が見られたのが正の相関に変わったところが多いという、その理由・背景は何か。
- 高安推進官
- この時期に諸外国において子育てサービスの充実が進み、育児と仕事の両立ができるようになった。
- 寺尾委員
- 日本も正の相関が出てきていると、現状認識していいか。
- 高安推進官
- 日本でも、各県別データで見るとそうなっており、やはり少しずつ変わりつつあるのではないかと、統計的には思わる。
- 岩男会長
- 意識の問題というのがあるかもしれない。
- 古橋委員
- 育児と仕事の両立が可能になった要因について、諸外国別にもう少し分析してもらった方がいい。例えば、保育所入所率が増えたのは、なぜか。そうすれば、男女共同参画に関する施策についてのほかの点への示唆が得られるのではないか。
- 竹信委員
- やはり働き方の中身の問題を、もうちょっとやった方がきっといい。それこそどういう働き方で両立していったのかも併せて少し加えていただけると、もっと説得力が増す。
- 寺尾委員
- 両立ということを考えたときには、保育所の整備等も大事だが、働く場所の問題も大事。
- 高橋委員
- 意識の面でずっと遅れたところにとどまっているのが、最大の原因ではないかと私は感じている。女性が働きに出たいというのは正当な要求であり、それに応えていくことが必要なのだということをもっと強調しておく必要がある。
- 森元政務官
-
男女共同参画に関する議論で、まだなるほどという答えがない点をいくつか御紹介したい。1つは、なぜ子どもを理想の数だけ持たないのかというときに、子育てにお金がかかるというのが圧倒的に多いわけだが、昔は「貧乏人の子だくさん」と言ったではないかと。自分本位の意識を子どもに転嫁しているのではないかという意見がある。これについてどう考えるか。
それから、育児休業制度をもっと拡充していくべきではないかという意見が一般的にある一方、働き続けられる職場環境を整備する方が効果的ではないかという意見もある。これについてどう考えるか。
それから、欧州諸国と比べて、日本は極端に少子化が進んでおり、その要因の一つとして、欧州諸国では結婚はしないものの子どもを産み育てるシングルマザーが相当いるのではないかと。日本社会の風潮が、そういうものに対する寛大さが足りない面があるのではないかと思うが、その点についてどうお考えか。
それから、家庭で親がしっかりと教育しているからいい子が育つ、そうではないから育たないということと別と、それは育て方によっているのだということなのだろうと思うが、それについて、何かあれば教えていただければと。 - 岩男会長
- 今はかなり便利にはなったが、子育てにお金が間違いなくかかるような仕組みをつくってしまった。育児休業の問題も、育児休業制度そのものがもっと柔軟でなければいけない。
- 寺尾委員
- 「貧乏人の子だくさん」について。今の日本社会は、子どもに自分の老後を見てもらうために子どもを育てる人はいなくなってきている。そうすると子どもを産むことが持っている社会性という部分を、社会が何らかの形で負担しないと、子どもを産むことは割に合わないようになってきているのだと思う。
- 竹信委員
- 民法で婚外子の相続分について差別があることに象徴されるように、日本社会にかなりそういった意識が強いので、シングルマザーを奨励するというのは違うと思うが、別に婚外子であっても子どもに罪はないので、差別をなくすようにすれば、確かにもうちょっと子どもを産みやすくなり、自然な環境ができるだろうというのは、おっしゃるとおりかもしれない。
- 北村委員
- むしろ私は日本での性教育をきちんとすることによって、婚外子の問題はかなりカップルにとってコントロール可能なことになるのではないかと思う。
- 古橋委員
- ネットワークの中で農村のネットワークづくりが非常に難しいということなので、事例紹介とか何かに、必ず農村において成功した事例、それはなぜ農村において成功したかということを是非一つ入れておいていただきたい。
- 竹信委員
- 地方で何かしようと思ってもコーディネーターなりが全くいない。まずコーディネーター養成と、担当者向けの情報提供システムをもっとちゃんとすることをどこかに入れていただきたい。
- 古橋委員
- 現在、こういう将来像について出すことの重要性について、まずよく認識していただきたい。基本問題専門調査会で我々が計画を検討するときには、過去にビジョンを出したときのいろいろな前提条件が、その後8年経ってどういうふうに変わってきたかを客観的に分析しなければいけない時期にある。2点目として、今まで我々が努力してきた男女共同参画の理念とか、そういう問題意識が余りにも少な過ぎるのではないか。
- 山口委員
- 将来像を書くのはいいけれども、書き方についてもまず21世紀の最重要課題といっているのだから、やはり100年を5分の1に分けて、そして21世紀の最重要課題の第一ステップとしてはここまでと、そういう書き方をしていただく。少し急ぎ過ぎると思うので、やはり1年間ぐらいかけて、各地で基本法と施策と今後について、みんなに聞いて回ることを時間をかけてやるべき。
(以上)