日時:平成21年11月20日(金) 9:30~11:30
場所:内閣府本府庁舎第5特別会議室
- 出席者
- 主査
- 佐藤 博樹 東京大学教授
- 委員
- 岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
- 同
- 勝間 和代 経済評論家・公認会計士
- 同
- 川本 裕康 社団法人日本経済団体連合会常務理事
- 同
- 北浦 正行 財団法人日本生産性本部参事
- 同
- 髙橋 重郷 国立社会保障・人口問題研究所副所長
- 同
- 武石 惠美子 法政大学教授
- 同
- 永木 浩子 パナソニック株式会社e-Work推進室長
- 同
- 羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
- 同
- 牧野 光 P&G株式会社ダイバーシティ担当マネージャー
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事(オブザーバー)
- 議事次第
- (1)開会
- (2)本ワーキング・グループの進め方について
- (3)論点例について
- (4)自由討議
- (5)閉会
(配布資料)
- 資料1
- ワーキング・グループ委員名簿 [PDF形式:67KB]
- 資料2
- 第3次基本計画策定のスケジュールについて [PDF形式:141KB]
- 資料3
- 第3次基本計画策定の重点事項の考え方について [PDF形式:241KB]
- 資料4
- 基本問題・計画専門調査会ワーキング・グループ等の運営について [PDF形式:109KB]
- 資料5
- 第2次基本計画のフォローアップ資料 第3分野 [PDF形式:1099KB] 第5分野 [PDF形式:723KB]
- 資料6
- ワーク・ライフ・バランスに関する論点例 [PDF形式:164KB]
- 資料7
- 女子差別撤廃委員会の最終見解 [PDF形式:318KB]
- 資料8
- 男女共同参画に関する取組と現状 [PDF形式:1050KB]
- 参考資料1
- 「ワーク・ライフ・バランス」推進の基本的方向(概要)
- 参考資料2
- 仕事と生活の調和レポート2009(概要)
- 参考資料3
- 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進を多様な人々の能力発揮につなげるために(概要) [PDF形式:340KB]
- 議事の概要
初めに、主査より仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関するワーキング・グループの設置の趣旨について説明が行われた後、事務局より男女共同参画基本計画の次期計画策定に向けた検討状況について説明が行われた。。
次に、資料6に基づき、ワークライフバランスに関する論点例について意見交換を行った。
○質疑・意見交換の概要
- 男女共同参画基本計画におけるワーク・ライフ・バランスの位置づけ
- 仕事と生活の調和憲章と行動指針との位置づけを整理する必要がある。
- ワーク・ライフ・バランスは、男女共同参画とかなり密接にかかわるものであるということ、また、重点事項の1つではなくて、最も基盤になっているのがワーク・ライフ・バランスであるということを書くべきである。
- 男女共同参画及びワーク・ライフ・バランスの進め方
- 男女共同参画は国家戦略であり、経済力を回復するものであるとか、少子化を解決するであるとか、メンタルヘルスの問題も含めて、現実的な効用があるということを打ち出していくことが重要である。
- ワーク・ライフ・バランスというのはプラスαということではなく、それをやらないと大変なことになるというような危機感を出した方がいい。
- ワーク・ライフ・バランスは人生の弱り目に効いてくる。子どもを育てなくてはいけないとか、退職をして地域のお世話にならなければいけないというときに、ライフのところに自分がどの程度、時間と労力を使ってネットワークをつくってきたかということが確実に響いてくる。それがうまくやれてないと、税金、社会的なコストとして企業にも個人にも降りかかってくるのではないか。
- フランスの場合、少子化対策の最初のころは保育にもっとも力点を置いて80年代の初めぐらいまで行われていたけれども、その後、ワーク・ライフ・バランスを正面に出した施策をとることによって家族が再生産できる2.0を超える数字にまで回復したという事実がある。そうした観点を1つの論点に加えて議論を進めてはどうか。
- ワーク・ライフ・バランスは両立支援制度が1つ大きな固まりとしてあって、働き方の推進というのがもう一つの固まりとしてある。働き方の改革が進まないと、育児休業を長くする、短時間勤務を小学校卒業までにするなど両立支援制度を重装備にしないと女性が働きにくいという問題がある。しかし、それが、逆に女性のキャリアを制約することになっているという面もあり、全体として働き方の改革を進めないといけない。
- 景気が悪くなり早く家に帰って家族と過ごして、実は結構いいものだなというふうになってきている人たちが増えている。これがまた好景気になって、長時間労働にならないようにする必要がある。ワーク・ライフ・バランスについて考えてなかったような人たちが実際にはそういう状況に置かれてみて、いいものだなというふうに思っていることをいかに継続していけるかが大事。
- ここに来て保育の待機児童の問題がすごく大きくなっており、保育サービスをきちんと位置づける必要がある。
- 男女共同参画のためのクォータ制や長時間労働規制などについても検討する必要があるのではないか。
- 意識改革について
- 風土醸成の活動をしている中で、なかなか現場に思いが伝わっていかない。一回基本に戻って何度も何度もやるというのが非常に重要なのではないか。
- ワーク・ライフ・バランスの果たす役割というのは、一部のスーパーウーマンを育てていくのではなくて、もっと広がりを持たせていくことが任務である。
- 意識改革にはやはり広報が必要で、これは社会に向けても、企業内でもそうである。ワーク・ライフ・バランスの認知度はまだまだ低いので、しっかり広報・啓発していくことが重要である。
- 仕事に充実感を求めてくるような社員の方が生産性も上がるだろうという期待を持っている。個人の人生における主体性というか、リーダーシップというものをどう定着させていくのか、今後、重要になってくる。
- 小さいころから社会的な活動とプライベートな活動というもののバランスを考えていくというのはとても重要であり、ワーク・ライフ・バランスのとれた生活というのがどういうものなのかということをきちんと教育していくということが必要である。
- 学校でキャリア形成、ライフ・デザインをきちんと考えることにより、仕事だけでなく、人生をどうするのかということをもう少し考えるようになるかもしれない。
- 将来を少し見通せるような長期的なビジョンを見せないと、若者にライフプランを持てと言っても難しい。長期的にこの社会をどうするのかというビジョンをつくっていくということも重要である。
- 例えばGEM20位以内とか、男女共同参画は生涯教育などキャッチーなフレーズや見出しにしやすいものを盛り込むことも有効である。
- 様々な立場での仕事と生活の調和
- 研究者は、すぐに生産性を上げられない世界におり、企業のワーク・ライフ・バランスと研究機関のワーク・ライフ・バランスはちょっと違うのではないか。
- 学生や若い研究者など雇用者の立場ではない方々のワーク・ライフ・バランスを考えていってもよいのではないか。
- 女性が既に活躍している分野、例えば、介護や福祉といった分野にもワーク・ライフ・バランスの問題があることも議論する必要がある。
- 多様な主体の連携
- 家庭、地域の職場、地方自治体などが連携して、保育が非常に進んだり、企業保育もある程度お手伝いしていただいたり、いろいろなところの連携という視点も入れてはどうか。
- ワーク・ライフ・バランスを地域で伝えていくときに、社労士さんが伝道役となって、中小企業まで含めて、てこ入れしていく必要があるのではないかと感じている。