日時:平成22年1月8日(金) 16:00~18:00
場所:永田町合同庁舎第1共用会議室
- 出席者
- 主査
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 勝又 幸子 国立社会保障・人口問題研究所部長
- 同
- 神田 道子 独立行政法人国立女性教育会館理事長
- 同
- 潮谷 義子 長崎国際大学学長
- 同
- 山谷 清志 同志社大学教授
- 同
- 横田 洋三 中央大学教授
- 議事次第
- (1)開会
- (2)有識者ヒアリング
講 師 : 立命館大学法学部長 二宮 周平 氏
テーマ : 「家族法を巡る最近の課題~96年民法改正法案要綱以降のレビュー」 - (3)男女共同参画基本計画(第3次)に盛り込むべき論点 等
- (4)閉会
(配布資料)
- 資料1
- 有識者ヒアリング資料 [PDF形式:257KB]
- 資料2
- 男女共同参画基本計画(第3次)に向けた論点(案) 1 [PDF形式:245KB] 2 [PDF形式:132KB]
- 議事の概要
前半は、有識者ヒアリングとして、立命館大学 二宮法学部長から「家族法を巡る最近の課題」についてヒアリングを行った後、質疑・応答を行った。
後半は、資料2に基づき、監視・影響調査ワーキング・グループ(WG)における論点として、「より多様な生き方を可能にする社会システムの実現」「監視・影響調査機能の強化」「各WG共通論点」「生活困難を抱える人々への対応について」等について意見交換を行った 。
【有識者ヒアリングの概要】
- 法制審議会「民法改正の一部を改正する法律案要綱」(1996年2月)
- 法律案要綱の事実上の実現と限界
- 親子法の課題
- 家族への公的な介入
- 戸籍制度の改正
【有識者ヒアリング:質疑応答の概要】
- 生殖補助医療(代理懐胎)については、家族法学者の中でも例外的に許容しようという立場と原則禁止の立場で意見が分かれている。
- 同性カップルの法的な保護に係る海外の状況は、フランスのPACS法、ドイツの生活パートナー法があり、オランダ・スウェーデン・スペイン・カナダ・デンマークといった国々では法律婚として認めている。
- 婚外子の認知について、母親や子の意に反して父親が一方的に認知できることが問題となっている。また、我が国では、父親が認知しない場合は子どもから認知の訴えを起こす必要があるが、北欧諸国では、認知の訴えを子が行うのではなく、国家が行うところもある。
- 家族における人権の保護や少数者の人権保障の観点から、家族法において、国家からの介入を防ぐ自由権的発想から差別を無くすことに関して国や行政に支援を要求できる社会権的発想が求められている。
【意見交換の概要】
- ジェンダー予算の手法研究は今の仕組みの中で実施可能な施策から取り組んでみてはどうか。実現可能なものもあると思うが、難しいのはどのようにしてアウトプットからアウトカムの評価へとつなげていくかであろう。
- 施策の進捗状況の監視には、提言や勧告に対応する工程表が必要である。
- 高齢社会に関して、女性が介護を担っている、職場を断念しているという傾向の中で、社会保障・福祉の労働力人口の減少が非常に懸念される。
- 人口減少社会とは、単に人口減少が問題であるというだけでなく人口構成の変化が問題であるとの認識が必要。高齢者人口は増加するが、15歳から65歳の生産年齢人口が減少していく、すなわち支えられる側と支える側の比率が変わっていくといった実像をしっかりと見据えていくことが重要。
- 減少する生産年齢人口の中でその中核をなす20代と30代前半のいわゆる「失われた十年」に非正規が多く、そこに対する視点をしっかり持った施策を行っていく必要がある。
- 高齢化の進行は、都市や地方でその様相が異なっているという視点が重要。
- 地域の再生を図っていく視点が重要。