日時:平成21年12月22日(月) 15:00~17:00
場所:永田町合同庁舎第1共用会議室
- 出席者
- 主査
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
- 同
- 勝又 幸子 国立社会保障・人口問題研究所部長
- 同
- 黒﨑 伸子 日本BPW連合会前会長
- 同
- 神野 直彦 関西学院大学教授・同大学院教授
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授・東京家政学院大学客員教授
- 同
- 畠中 誠二郎 中央大学教授
- 同
- 山谷 清志 同志社大学教授
- 同
- 横田 洋三 中央大学教授
- 議事次第
- (1)開会
- (2)有識者ヒアリング
講 師 : 東京女子大学名誉教授 村松 安子 氏
テーマ : 「ジェンダー平等を志向する予算」
(Gender Responsive Budget:GRB) - (3)男女共同参画基本計画(第3次)に盛り込むべき論点 等
- (4)閉会
(配布資料)
- 資料1
- 有識者ヒアリング資料 [PDF形式:284KB]
- 資料2
- 男女共同参画基本計画(第3次)に向けた論点(素案) 1 [PDF形式:126KB] 2 [PDF形式:125KB] 3 [PDF形式:80KB]
- 議事の概要
前半は、有識者ヒアリングとして、東京女子大学 村松名誉教授から「ジェンダー平等を志向する予算」についてヒアリングを行った後、質疑・意見交換を行った。
後半は、資料2に基づき、監視・影響調査ワーキング・グループ(WG)における論点として、「より多様な生き方を可能にする社会システムの実現」「監視・影響調査機能の強化」「各WG共通論点」等について意見交換を行った。
【有識者ヒアリング:ジェンダー平等を志向する予算について】
○ヒアリングの概要
- ジェンダー予算を後押しする最近の動き
- 概念・特徴と分析の枠組み
- 分析ツール
- 世界の事例
○質疑・意見交換の概要
- 「ジェンダー予算」とは男女共同参画関連予算のことだけを指していうのではなく、すべての政府の政策プロセスの中に男女共同参画の視点を統合し、男女共同参画社会の実現を促進するように、歳入歳出を再構築する継続的な過程である。
- 男女別や他の区分、例えば所得階層別などにその施策を実施した際の負担や効果を示すような資料、政策の評価を、次期予算編成にどういかしていくかを判断できるような予算関係資料を作成していくことが必要ではないか。
- 将来的に、予算を分析する際の指標の中に男女別の視点を導入することを念頭に、そのための指標を開発しておくことが必要。
【より多様な生き方を可能にする社会システムの実現について】
○意見交換の概要
- 多様なライフスタイルに中立な社会保障制度・税制については、これまで重ねて指摘してきたところ。男女共同参画社会の視点に立ってその見直しを行うことを強く望む。
- 選択的夫婦別氏制度について、一部のニーズでも多様な選択が叶うのが成熟した社会であり、男女共同参画社会のためには、男女ともに必要な制度であることを強く訴えて欲しい。
【監視・影響調査機能の強化について】
- ジェンダー統計に関して、公的統計の中で男女別の統計が非常に有効であるという議論が無いのが問題。統計委員会への働きかけにより、全体の公的統計において男女別の集計をするということへの移行をめざすことが重要。
- 男女別の政策効果の把握については、モデル的に政策評価を実施するなど試みてはどうか。
【各WG共通論点】
- メディアにおける男女共同参画が不十分。メディアで働く女性は増えているが、育児を理由とした離職が非常に多い。
- 男女共同参画推進の担い手として今後重要性が増すと考えられるNPOの活動に対し、税制優遇の充実などの支援が必要である。
【その他】
- 育児休業中の賃金の補填が十分でないため、男性の取得が難しいという状況があるのではないか。更なる有給化の検討ができないか。
- ただし、労働力人口が減少し、支え手側の人口比が縮小していく中で、国・地方・事業主・労働者の給付・負担の在り方については整理すべき。
- 同一価値労働同一賃金を徹底すべき。
- 日本において男女共同参画が進んでないことが経済成長を遅らせているといったことが指摘されている。経済全体をどのように支えていくかという視点の中で男女共同参画を捉えていくことが重要。
- 男女共同参画センターの認知度アップ、機能強化が必要である。